
Entertaining Solo
(独奏的生活)
イギリス人作曲家の優雅な料理生活
3ヶ月ぶりの更新になりました。申し訳ございません(^^ゞ
更新しなくては更新しなくては・・・と焦っておりました時に
図書館でとても楽しい本を見つけました。
(去年暮れのIrish Christmas Menuの時と同じようなシチュエーションですね(^^ゞ)
このEntertaining Soloは現代イギリスを代表する作曲家であり
音楽学者であるハワード・ファーガソン(残念ながら99年に亡くなられたそうです)
の著作である料理本「Entertaining Solo」を
友人であり弟子とおっしゃる林望氏が翻訳をされた本です。
「一人暮らしの方々で、なおかつ友人たちに手料理をご馳走をすることを楽しみと
心得る向きに、と思って書いたものである。」ということで
ただレシピの紹介だけではなく、お客様がみえるまでにどこまでの作業を
行なっておけば良いか、またどのようにサービスするかなどが親切に書かれています。
オードブル・スープ編とメインディッシュ編の2冊あり、
シンプルなものから手の込んだものまでイギリスが香る魅力的なレシピが
たくさん紹介されています。
ハワード・ファーガソン氏のお人柄が漂う楽しいレシピと
翻訳をなさった林氏の味のあるコメントで構成されているこの本は
料理をなさらない方でもお楽しみになれると思います。
(林望氏はお髭が素敵な芸大の先生で
91年「イギリスはおいしい」で日本エッセイスト・クラブ賞
93年「林望のイギリス観察辞典」で講談社エッセイ賞を受賞されるなど
イギリス関連の著作を多数執筆されています。)
今回はオードブル・スープ編から4品とメインディッシュ編から1品
取り上げさせて頂きました。
材料とレシピは例によって?!少しアレンジさせて頂いております。
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「限りなく本物に近いはずの
Taramosalata」

(材料)
生食用たらこ、レモン、刻んだにんにく少々、
挽きたての黒胡椒、EXV.オリーブオイル
(作り方)
たらこに切れ目を入れ、皮から卵をはずしボールに入れます。
そこへ、レモンをじゅっと搾り、オリーブオイル、
挽きたての黒胡椒、微塵に刻んだにんにくを加えて混ぜます。
お好みのパンと盛り付けて出来上がり♪
“限りなく本物に近いはずの”と書きましたのは、ファーガソン先生がパン粉を混ぜるレシピは
「間違いだと思う」と書いていらっしゃるのと
(となるとポテトを混ぜるのも正式なレシピではなさそうですね)、
このシンプルなタラモサラータが今までに私が食べたどのタラモサラータよりも
美味しく感じたからです。
にんにくはお好みでと先生は書いていらっしゃいますが、
私は入れて頂いた方が美味しいと思います。
先生のお奨めのパンは白パンかブラウンブレッドをトーストしたものなのですが
写真では焼きたてのバケットを添えてみました。
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「Tunny Fish」

(材料)
ツナ缶、ケッパー(またはピメントを詰めたグリーン・オリーブ)、
塩、挽きたての黒胡椒、EXV.オリーブオイル、パプリカ、レモン
(作り方)
ツナ缶をボールにあけ、フォークで細かくほぐします。
そこへ刻んだケッパー(またはピメントを詰めたグリーン・オリーブを刻んで)、
塩、挽きたての黒胡椒、レモンを搾り混ぜます。
ツナを盛り付けたら、パプリカをふりお好みのパンを添えて出来上がり♪
先生のレシピではオリーブオイルは入っていないのですが、
今回ノンオイルのツナ缶を使ったので加えてみました。
こちらも先生のお奨めのパンは白パンかブラウンブレッドをトーストしたものなのですが
写真では焼きたてのバケットを添えてみました。
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「Mushrooms,Greek」

(材料)
マッシュルーム、EXV.オリーブオイル、ケチャップ、
モルトヴィネガー、にんにく、ベイリーフ、
フレッシュタイム(ドライでもOKその場合は少なめに)、
パセリの茎、塩、挽きたての黒胡椒
(作り方)
フライパンにたっぷりめのEXV.オリーブオイル、大匙1杯くらいのケチャップ、
少量のモルトヴィネガー、つぶしたにんにく1かけら、ベイリーフ1枚、
タイム3本、パセリの茎3本、塩、挽きたての黒胡椒を入れ
火をかけます。ぷつぷつしだしましたら、弱火にして蓋をし10分ほど加熱します。
その間にマッシュルームを半分にカットして(大きければ1/4)おきます。
10分過ぎましたらフライパンからタイム、パセリの茎を取り除き
マッシュルームを加え、更に5分ほど煮ます。
煮えたマッシュルームは冷やしてから
お好みのパンを添えて出来上がり♪
先生のレシピではケチャップではなくトマトピューレ、
モルトヴィネガーではなくワインヴィネガー(赤)です。
またマッシュルームを煮る前に、タイムとパセリだけではなく、にんにくと
ベイリーフも取り除かれています。
温かいうちでも美味しいのですが、冷やすとマッシュルームの味(スープ)が
ソースにじっくりと出て更に美味しいという感じでしょうか?
マッシュルームの味がよく出ているソースはバケットなどにひたして
残さずに召し上がってください。
このマッシュルームにはフランスパンを添えるようにと先生も書かれています。
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「Tomato Salad」

(材料)
トマト、ブラックオリーブ、EXV.オリーブオイル、
モルトヴィネガー、挽きたての黒胡椒、塩、パセリ
(作り方)
皮を湯向きしてスライスしたトマトとブラックオリーブをお皿に並べ、
挽きたての黒胡椒、モルトヴィネガー、塩少々、刻んだパセリを振りかけます。
EXV.オリーブオイルを小鍋に入れ、弱火で熱々に温めて
トマトにじゃっとかけて出来上がり♪
先生のレシピでは塩はかけてはいけないそうで、
代わりに(?)砂糖を加えていらっしゃいます。
(パセリも使っていらっしゃいません。)
またモルトヴィネガーではなくタラゴンヴィネガーを使われています。
(写真では砂糖は省きましたが・・・そういえば、母の実家では
昔、トマトに砂糖をかけていたと聞いた事を思い出しました。
私はトマト+砂糖は食べず嫌いなのですがどうなのでしょう?(^^ゞ)
熱いオイルをかけるとはねて危ないので
「充分に離れて立つよう、ご注意申し上げておく」と
ご親切なコメント付きのレシピでした(笑)
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「Wildwood Pork」

(材料)
豚フィレ肉、純生クリーム、ドライタイム少々、ケッパー、
ウォッカ少々、バター、塩と挽きたての黒胡椒適量
(作り方)
1cmくらいの厚さにスライスしたフィレ肉をバターを溶かしたフライパンに
並べて、タイム、塩、挽きたての黒胡椒をふり、両面軽くソテーします。
ソテー出来ましたら耐熱皿に並べます。
フィレ肉を焼いたフライパンにたっぷりめ(200ccくらい)の純生クリーム、
ウォッカ少々ケッパー適量を加えて軽く煮詰め、味をみて塩を少量加えてください。
フィレ肉にかけて温めておいたオーブンで焼き
焦げ目がついたら出来あがり♪
先生のレシピではフィレ肉を軽くソテーして耐熱皿に並べ、
ソースをかけてホイルで覆って休ませ、お客様の時間に合わせて
オーブンでかなりしっかり焼いて(煮て?)います。
私はホイルをせずグラチネ風にしてみました。
ウォッカは先生のレシピにはないのですが、クリームにウォッカを
入れると優しい感じになって好きなので入れてみました。
添え物にはロンググレイン米を茹でたものとグリーンサラダなどがよろしいと
書いていらっしゃいますが、私はパセリとバターで和えたペンネを添えました。
(写真撮影を忘れてしまいました(^^ゞ)
余談ですが、ワイルドウッドといってもワイルドボアー(猪)とは関係ないそうです。
先生がロンドンのワイルドウッドロードにお住まいの時にご友人にご馳走なさって
その地名からご友人が命名されたそうです。
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今回取り上げさせて頂いたものは
どれもシンプルで小粋なレシピばかりですので
是非お試し下さいませ。
ご本ではもっと凝ったレシピも紹介されておりますので
ご興味のある方はお読みになってみてくださいませ。