英国人の代名詞 ビーフィーター

 

今回はジンを取り上げる第一弾として、定番中の定番とも言えるビーフィーター

取り上げたいと思います。一般のBarにおいてメインで使われるジンは

ゴードンかこのビーフィーターになることがほとんどです。

 

 

1689年、オランダからやって来て王位についたウィリアム3世がイギリスに

もたらしたジンは、以降主に労働者階級の飲む酒としてよく飲まれていました。

当時のジンはオランダタイプのジンで非常にクセのあるものでした。

1830年代に連続式蒸留器が導入され、オランダジンとは対照的な味わいを持つ

ロンドン・ドライ・ジンが登場し、急速に普及して現在に至りますが、ビーフィーター

製造元であるジェームズ・バロウ社はそれより少し前の1820年に創立されました。

ロンドン・テムズ川岸のチェルシーにおいて、ジェームズ・バロウが小さな

蒸留所を開設したのがその始まりです。

バロウは試行錯誤の上、香味のバランスの取れた独自のレシピを

作り出しました。彼はこのレシピを製品化するにあたって、

力強いジンのイメージを具現化する名前を考えました。

そこで出たのがロンドン塔の警備をしている衛兵です。彼らには牛肉が支給されて

いたため、牛肉を食べる人、「BEEF-EATER」という愛称で呼ばれていました。

バロウはこの衛兵から名前をとり、「ビーフィーター」という

名前を付けてジンを世に出したのでした。

1800年代後半にジェームズ・バロウから息子のフレデリックとアーネスト

に経営が移りました。その後今日にいたるまで、ビーフィーター

ロンドン・ドライ・ジンのトップブランドとして世界に君臨し続けています。

 

 

爽快な香味となめらかかつキレのある味わいを持つビーフィーターは、

さまざまな原料によって作られています。

製法としては選りすぐられたトウモロコシと大麦を使ってグレーン・スピリッツを

造り、さらに香味成分としてイタリアのジュニパーベリー、ロシア・ルーマニア・

ブルガリアからのコリアンダー、スペインからのオレンジ・レモン、

ベルギーからのアンジェリカ根およびその種子が主に使われます。

それぞれの原料の使用割合や、蒸留に際しての処方など

に関しては門外不出になっており、ジェームズ・バロウの

子孫とその従業員しかわからないそうです。

 

 

品質・知名度共にトップクラスのビーフィーターは、

現在世界170カ国以上で販売されています。

日本においてはアルコール40度(700ml-定価:1460円)のものと

同じく47度(750ml-定価:1940円)のものの2種類が輸入されています。

定番中の定番ということもあるので、大抵のお店で、

また値段は1000円台前半で入手できると思います。

 

 

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