オランダ版卵酒リキュール・アドヴォカート
日本では昔から風邪をひいた時などに日本酒に卵を混ぜた
卵酒を作って飲むという習慣がありました。
欧米の方にもそういった発想は昔からあり、ホットカクテルの所でも
紹介しましたホット・エッグ・ノッグなどはその例といえるでしょう。
そこで、今回はオランダ版の卵酒、クリーム系リキュールの元祖でもある
アドヴォカートを紹介したいと思います。
アドヴォカートは20世紀のはじめにオランダの農村で作られていました。
製法としては自家蒸留したスピリッツに自家製の鶏卵や蜂蜜を
ブレンドして造っていたということです。
このアドヴォカートの意味はオランダ語で「弁護士」です。
このお酒を飲むと弁舌がさわやかになってまるで弁護士のようになると
いうところから名前が付きました。実際の弁舌の効果のほどは分かりませんが、
日本の卵酒(私は試したことがないのですが、あまり美味しいという物では
ないそうですね?!)に比べると、甘くてとても飲みやすいものになっています。
写真は世界最古の蒸留所として、また大手のリキュールメーカーとして
有名なオランダ・ボルス社の製品です。他に同じくオランダの
メーカーであるワニングス社の製品が知られています。
アドヴォカートは、ブランデーをベースに卵黄,卵白,蜂蜜,バニラなどの
さまざまな成分を加え、加熱・撹拌しながら造って行きます。
この時の温度や混ぜ方などの製法の違いによって、
製品の粘度が変わってきます。また、卵の量は一定量が決まっており、
1リットルあたり240グラム以上の卵黄が含まれていなければなりません。
また、卵が含まれているため、開栓後は冷蔵保存が必要になります。
保存期間としては開栓後、冷蔵保存で大体4ヶ月くらいで使い切るようにすると良いでしょう。
(仮に4ヶ月を過ぎてしまっても品質に問題ないようでしたら、飲む事は出来ます。
ただし飲めるか飲めないかの判断は慎重に行って下さい(’ー’) )
開栓前にビンの中で中身が固まってしまっていたり、あるいは
卵油部分と他の成分が分離してしまっている場合もありますが、
良く振って中身を混ぜれば解決できます。
飲み方としてはまず牛乳(冷たい・熱いを問わず)で割ってエッグ・ノッグと
して飲むのがお勧めです。また、炭酸飲料との相性も意外なほど良く、
ソーダ,トニックウォーター,ジンジャーエール,それ以外の透明炭酸飲料
などで割って飲むのもお勧めできます。
また、製菓材料としても使えると思います。もちろん、ストレート
で飲む事も出来ます。粘度の高いものに関してはグラスに注いで
それをスプーンですくって飲むというやり方もあるそうです。
価格は定価でも2000円程度で買う事が出来ます。
デパート、ディスカウントショップのどちらででも
売られていますが(ただ、置いてある方が珍しいかも知れません)
他のクリーム系リキュール同様、入手した時点での保存状態が
味に大きな影響を与えますので、安心できるリカーショップで購入する事をお勧めします。