徒然メモ


リンク:
Beat the idle poet

Coffee Break in Carol's English

徒然メモ2017
徒然メモ2016
徒然メモ2015
徒然メモ2014

徒然メモ2013

徒然メモ2012

徒然メモ2011



     
  2018年12月28日

  本日が当院の最後の診療日でした。
  今年の11月で、当院開院20年となりました。
  開院時に用意した医療機械は、ほぼすべて更新されています。12月には、開院以来の3台目のQスイッチレーザーを購入いたしました。シミの光治療機を導入してから、Qレーザーの使用頻度はだいぶ減りましたが、それでも形成外科の診療上で必須の機械です。
  光治療機で、シミやソバカスの治療はきわめて効率的に治療できるようになりましたが、それでも難治性のシミがあります。その多くは、色白のかたの淡いシミで20年以上前にできたものです。このようなかたのシミの治療の場合、まず光治療で消えやすいものを治療した後に、残る難治性のシミにQレーザー治療を加えることはきわめて効果的です。
  このようなかたの場合、Qレーザーの最大の欠点であるレーザー後色素沈着を来たしにくいので、安心して光治療からレーザー治療に切り替えられます。
  また、レーザー後色素沈着を来たしやすい肌のかた、つまり色黒のかたの場合は、光治療器だけで十分にシミ治療が可能ですので、まず光治療をしてそののちにQレーザーへの切り替えという治療プログラムは、相当使えるものとなりそうです。
  新年には、この治療コースを加えたいと思っております。

  新しい年も、よろしくお願い申し上げます。
 
     
     
  2018年9月15日

  さてシミ治療のお話、第2回目です。
  レーザー治療後の色素沈着を減らせるという、鳴り物入りで登場したQレーザーを、どうにかこうにか購入して、1998年に私は開業しました。シミの悩みで来院されるかたを、次から次とレーザー治療いたしました。レーザー直後の出血とその後できる真黒なカサブタには悩まされましたが、実にきれいにシミが消えることに私自身、驚愕しました。
  ところがです、レーザー後3週ぐらいでピンクにきれいになった肌が、6週ぐらいで真黒になる患者さんがいることがわかったのです。やっぱりレーザー後色素沈着をきたす方はいたのです。4人に1人ぐらいという高率です。ハイドロキノンを塗りながらじっくり待つと、半年から1年かけてこの色素沈着は消失しきれいになるのですが、元のシミよりも濃い色素沈着を消えるのを何ヶ月も待つのは患者にとっても医師にとってもつらいものでした。
  全国でシミ治療のトラブルが司法の場に持ち込まれ、医療訴訟の7割がシミのレーザー治療に関するものとなったのが、このころ2000年ごろのことでした。
  さて、この解決策として登場したのが光治療です。Qレーザー同様にミリ秒単位のごく短時間に、レーザーよりはエネルギーをだいぶ落とした光を照射する方法です。一度の治療でシミの原因の真皮内のメラニンをすべて消すことはできませんが、エネルギーを落とした分、治療後の炎症反応もごく弱く、治療後に色素沈着をきたす確率を劇的に減らす方法です。
  よって、光治療の場合、シミを消すために5回とか10回とかの複数回治療を必要とするわけですが、いざ始めてみると、いろいろな利点があることがわかってきました。
  まず、レーザーには必須であった麻酔が要らない、つまり照射時の痛みが我慢できる程度となった。それから、光治療では治療時の出血がない。真黒なカサブタができたりしないので、翌日でも化粧して会社に行ける。シミが消えるまで複数回治療が必要だが、レーザー治療後に色素沈着を来してこれが薄らぐのを待つ時間を考えれば、結果としてレーザーよりも早くきれいになる。などなど、の利点があることがわかってきたわけです。
  私は、東日本大震災の2011年から、ほぼこの光治療機を中心にシミ治療を行っています。初期の機械もすでに買い替えて、現在より痛みの少ない機械を使っています。Qスイッチも寝ているわけではなくて、どうしても光治療で消えないシミの方、ほとんど色の白い、白人タイプの方たちですが、途中からQスイッチに切り替えていい結果となっています。光治療でシミが消えない方の場合、まずレーザー後の色素沈着を来さない方たちですので。
  さて、ここ数年前からレーザー後の色素沈着を来さない、もう一つの解決策が出てきたようです。
  それは、ピコレーザーです。高エネルギーのレーザー光をピコ秒単位の極々短時間で照射する機械です。まさにアメリカ的チカラ技の機械です。すさまじい光でメラニンを破壊するが、周囲に熱が伝播する前に光を消しちゃうというQの発想を、さらにさらに推し進めたものです。叩いても開かないドアは、叩き壊して開けるのが、アメリカ思想ですからね。
  さてこれが本当にいいかどうかは、あと数年で結果が出るでしょう。
  慎重派の私は、なおしばらく光治療とQレーザーの組み合わせで、確実な結果を出して行くつもりです。
 
     
     
  2018年8月25日
  
  これから、シミ治療のお話を2回に分けて書きたいと思います。
  まず、第一回目は私が開業した当初、2000年ごろまでのお話です。

  当院患者で最も多いのが、シミの治療を希望されるかたです。シミにも5種類ほどがあって、それぞれに最適な治療法が異なりますが、この中で非常に多いのが色素斑と雀卵斑です。
  この二つは、表皮直下のメラニンの沈着です。
  メラニンは表皮基底層で毎日産生され、表皮細胞に受け渡されてはやがて角質となり脱落するという流れの中で、肌の色を一定に保っているわけです。
  ところが、皮膚に炎症が起きると、つまり皮膚炎が起きたり火傷したり怪我をしたり過剰な日焼けをしたりすると、表皮直下に炎症細胞が集まり、炎症部位のお片付けがはじまります。このときに表皮のメラニンを炎症細胞が食べて自分の細胞内にため込み、表皮の下の真皮内に運んでいきます。この色を持った食細胞がそのままどんどん移動してどこかに消えてしまえばいいわけですが、中には色素を食べ過ぎて動けなくなり、いつまでも真皮内にとどまるものが出てきます。これが、これらのシミができる物語です。
  では、どうして治療できるの?ということとなりますが、この真皮内のメラニンを破壊して消しちゃおう、と初期には単純に考えたわけです。メラニンに吸収される波長をもった強烈な光を当てる、レーザー治療の登場です。頭のいいアメリカ人の物理学者がこのアイデアを思いつき、医師免許を取って医療用レーザーを開発し、立ちどころにアメリカでおおハヤリ。
  ところがこのレーザー治療を日本人でやってみたら、一瞬シミが消えてピンクになったと喜ぶのもつかの間、以前より濃い色素沈着をきたしました。
  あとで考えると、レーザーで真皮内のメラニンは破壊されたけども、この結果起きた真皮内の炎症が治まる過程で、また表皮のメラニンの真皮内への取り込みが起きてしまったことがわかります。
  もちろん白人のように色白で、レーザー治療後にほとんど色素沈着が起こらない人には、このようなレーザーの登場は朗報でした。また、このような方たちが初期のレーザー治療のパンフレットモデルでもあったわけです。
  ところが、ほとんどの日本人の治療結果は惨憺たるものでした。
  ここで登場したのがQスイッチレーザーです。なるだけミリ秒単位のごく短時間で強力な光をあて、一瞬でメラニンを煙にするけれども、周囲に炎症のもととなる熱が伝播する前に光を消してしまう、というとんでもない力技の機械です。
  私は、1998年にこのQスイッチレーザーを開業資金の半分を当てて購入し、シミ治療を始めたわけです。ところが世の中、そう簡単じゃない。
  さてさて続きは、次回です。

 
     
     
  2018年7月7日

  七夕ですね。
  私は、小学生のころに、星少年でした。教育放送の「子供の科学」を毎週見て、はがきで請求すると、NHKから肉眼で観察できる人工衛星の軌道と観察の仕方を書いたパンフレットが郵送されてきたものです。その紙を手に、天の川がまだきれいに見えていた夜空を見上げたものです。
  その小学生の私は、織姫と牽牛が年に一度、天の川を渡って会うことを実際に起きる現象だと信じていました。
  そして、科学少年の頭では、年に一度だけ恒星が動く現象がなかなか簡単に理解できずに、悩んだものです。夜の何時に会うんだろうと、ベガとアルタイルをずうっと眺めていたこともあります。片方だけ動くのか、両方が同時に動くのかでも悩みました。最終的に、ベガとアルタイルの間を結ぶように流れ星が出るのかな、しし座流星群みたいなものが、と思いつき、そうだそうに違いない、とういうのが小学校高学年での私の結論でした。
  今思えば、伝説を科学的公理と勘違いして、思い悩んでいたわけですが。

  自分で言うのもなんですが、可愛くないですか。
  世間でよく言われていること、大人がよく言うことを根本命題として素直に受け入れて、小さな頭を悩ませて、思索の限りを尽くして、何とか整合性を得ようとするわけです。私の頭の中は、いまだにこの繰り返しです。
  神の存在、戦争の意義、宇宙の果て、死刑制度、サッカーにおけるフェアプレーとは、などなど世間は根本命題として思索してみるに値する課題にあふれていますね。
  散漫な文になってしまいました。では、また。
 
     
     
  2018年5月26日

  トランプさんがキムジョンウンに手紙を送り、シンガポールで6月12日に予定されていたアメリカと北朝鮮の首脳会談がキャンセルされました。
  受験生の皆様、簡単な英語ですので、この手紙の原文を読んでみてください。
  "We greatly appreciate your ----, patience, ----
で始まるこの手紙、私にはびっくりするほど厳しい文面に見えました。というのは、普段、私が見慣れたアメリカ英語とまったく異なったものだったからです。
  アメリカ英語でよく目にする修辞法は、会話でも手紙でも、相手をコソバユイぐらい持ち上げて誉めそやし、相手が苦笑いを催したタイミングをとらえて、相手には呑み込みがたいこちらの主張をサラリと伝えるものです。
  ところがこの手紙は、文頭の一文以外にキムジョンウンを褒めたたえる表現はなく、この最初の一文すら、強烈な皮肉となっています。
  要するに、普段、北朝鮮が出す声明にあふれている、唾が飛び散るようなノノシリ言葉が、突然無くなってしまった様な違和感を覚えるのです。
  この夏、要注意ですね。

  
 
     
     
  2018年4月7日

  我が医院の改装工事がさっぱり進みません。イライラ
  公共事業の年度末工事がなお続いているとのことで、瑣末な当方の工事には人員の手当てができないためのようです。素人が期待するほど、素早く動くものではないようですね。あせらずに、流れに任せるしかないようです。

  国会では行政府の書類処理の問題、小さいですね、書類があるとかないとか。
  行政府の仕事の効率化、簡素化、情報管理の規定づくりを専門とする行政管理庁でも作って、会計検査院同様の権限を与えるなどという、根本策を作ってほしいですね。要するに、行政府の生産性を持続的に改善させ続ける機構作りが大事です。安倍おろしの手法に堕してはいけないと思います。

  さて、北朝鮮はどうなるでしょう、中米の貿易制裁合戦やいかに、ロシアの強権プーチンがどう動くか。いずれも素人が予想するよりゆっくりと、かつ大きく動くでしょうね。日本にできることは、立ち位置を間違わないことぐらいでしょうか。そして、万が一の時のために常に、命綱のフックを確実にどこかにつけておくことでしょう。

  ところで、中東のIS問題はほぼ終息のようですね。アメリカ側の完敗で、あまり大きく報じられていませんが。
  シリア内戦は、ロシア、トルコ、イランが終息宣言し、戦後再建を進めるようです。イラクは、やはりイランの支援を受けたイラク政府が勝利宣言をして、戦後復興のために首相が日本を訪問中です。日本はがっちりと食い込むべきですね。

  アルジェリア、リビアに始まるアラブの春、仕掛け人は大統領選に落ちたクリントン国務長官だったことが明らかとなっていますが、結果は悲惨です。独裁者を追い落とせば民主主義が花開くという、単純な二項対立の考えがあったのでしょうが、結果として頭をもたげたのがイスラム原理主義です。世俗的なトルコ帝国が支配したアラブよりも退化した中世に逆戻りですよ。
  最後の独裁国家シリアをロシアが救いましたが、これを非難できますか?

  さて、極東の独裁者キム・ジョンウン、彼がいなくなったからといって一挙に局面が明るくなる、などとは夢思わぬほうが良さそうですね。

  
 
     
     
  2018年1月20日

  スウェーデンが徴兵制を復活させ、フランスもごく短期ですが徴兵制を復活させるとのニュースが聞こえてきました。ロシアをにらんでますね。日本にロシア情報があまり伝わってきませんが、ヨーロッパは防衛力拡大を始めました。ハリネズミ作戦です。実際の戦争になる前に、ハリネズミの針を見せて開戦抑止に動き出しました。
  世界が連動しているのは、通貨や経済だけではありません。
  朝鮮半島問題も、中東問題も、限られた局地だけで見てはいけませんね。飛車スジ角スジ、つまり中露をいつもにらみながらの戦略が必要です。ロシアが極東不干渉を言い出したら、要注意でしょう。裏取引で第二の日ソ不可侵条約を結んだら、ヨーロッパが一気に不安定となります。

  当院の通路工事、なお1ヶ月はかかりそうです。その後4月ごろから、診療しながらの当院の改築が始まります。最終的に患者さまの利便性が大幅に改善いたしますが、それまでのあいだ、なお患者さまにご迷惑をおかけいたしますが、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。