THE 登山RPG

 

ベアルファレス 
森の王国リプレイ 
THE 登山RPG 

 「THE 登山RPG」(D3パブリッシャー・2002年03月28日)

その名前と内容があまりに強烈なため名前だけは意外と知られたこのゲーム。
しかしプレイしたことがある人は少ないんでは?
私は、バカゲーファン&登山も好きという奇特なヤツなので発売日に購入いたしました。
攻略本も攻略HPもありませんので
これから始める人(あるいは話のネタ拾いしたい人)の助けにになれば幸いと思い、
ささやかですがプレイ内容を紹介します。

↓登山RPGの公式紹介
http://www.d3p.co.jp/s_15/s15_092.html

オープニングとゲームの目的

 

 オープニングはずばり言ってしょっぱいです。冬山の一枚絵を背景に文字で下の文字が流れるだけ。さすが、シンプル・・・なのか? とまれ、以降、「まあ、シンプルだからねえ・・・いや、シンプルだったら何でも許されるんか?」というのが多すぎるので、いちいち突っ込みは書きません。

「君は知っているだろうか・・・
まだ誰も制覇したことのない山が存在していることを・・・
各国の有名登山家をことごとく蹴散らしたその山は、いまや魔物と呼ばれ恐れられている。あらたな挑戦者ももはや現れようとしない。

現存する登山家で、この状況を打破できるのは、もう君しかいない。
世界登山家協会より依頼する。
危険な山を征服し、世界中の登山家の名誉を取り戻してほしい。

補助隊員が必要であれば、世界登山家協会に加入している者を使用してかまわない。ただし、こちらで用意した資金でまかなってくれ。

君の活躍を期待している。
〜以上〜  世界登山家協会より」

 
画質が悪いのは、キャプチャのせいです。
が、やっぱり寂しいわ・・・

 山のことを知らない人が一読するとまともに思えるかもしれませんが、実はつっこみどころ満載です。私のようなヌルい山しか登ってない人間でも、これだけで、このゲームを作った人は登山をやってないことがわかります。

 とはいえ、あくまでゲームですから、山の経験の有無はどうでもいいです。ケースカバーで両の目を開いた「山」と「突風」がパーティーに襲いかかっているのを見た段階で覚悟は出来てます。

 さて、オープニングが終わると即ゲーム開始。まさにシンプルな世界地図に「Fuji」の位置が。いきなり冬の富士山が初心者の山っていうのもすごい。


ファミコンレベル・・・と言ったら失礼か。
いちおうグラデーションもしてるし。

 MAP画面では、漢らしく覚悟を決めて山を選ぶのみ。せめて普通にオプション選択とセーブ・ロードはしたかったけど、それすら許されません。

 ゲームの目的としては、一つのMAPをクリアしていくごとに次のMAPが選択可能となるので、順次クリアしていき、最終的に6つの山を全てクリアすることです。プレイヤーの立場については何の説明もありませんが、実際に登る人ではなくて、遠征隊をまとめて指示を出す人ということのようです。

 ちなみに、(ネタバレしてしまっていいと思うので書いてしまいますが)6つともモロに誰もが知ってる有名な山だったので、「君は知っているだろうか・・・。まだ誰も制覇したことのない山が存在していることを」 というオープニングの意味がいまだにわかりません。

 

最初のステージと基本的な編成 

 

 さて、初心者の山ということで、とりあえずMAP選択してスタート。一応、チュートリアルなんぞが出てきますが、説明書のまんまの説明があるだけです。ユーザーをすんなりゲームに慣れさせるという目的にはあまり・・・


「編成・再編成ってどうやるの?」「遭難するとどんなペナルティがあるの?」
といったことをわかりやすくするのがチュートリアルなんでは?

 そして、操作性もお世辞にも良いとはいえない・・・というかはっきり言ってしまうと、操作性悪い(正確に言うと、操作自体は簡単にできるんですが、それが何を意味しているのか、どんな結果になるのかという説明・情報が少ない)ので、スタート直後から容赦なく時間が過ぎていきます。

 対策はあるのかというと、慣れです。そこで、最初のMAPはリセット前提でプレイしましょう。そんなに時間もかかりません。そう思ってた方が、精神的にも楽です。それと、説明書は薄いので、それぐらいはしっかり読んでおいて、手元にもおいときましょう(このHPでも説明書に書いてあることは省略します)

 さて、心構えもすんだところで、ゲームスタート。ゲームの基本的な進め方は、

部隊の編成 → 移動位置決定・派遣 → 途中で敵と遭遇・戦闘 → ラスボス戦

といった感じです。ラスボス=頂上です。
私がプレイした中では「伝説のオウガバトル」が一番近いのですが、SFCで93年発売の同ゲームよりもえらくスケールダウンしてると言わざるを得ません。

 最初の編成で、資金が意外と多くていくらでも部隊が編成できるように思えます。が、日付が替わるごとに雇用資金がかかりますし、このゲームではパーティーがあまり多くてもメリットになりません。

 私が実際にプレイして落ち着いたパーティーの構成は一つのパーティーに4つの職種をまんべんなく一人ずつ入れる、且つ、パーティー数は5です。ただ、クライマーの代わりにアタッカーを入れてもいいと思います。また、パーティー数は少なくても良かったかもしれません。

 説明書に書いてあること以外での各ユニットの特徴です
・アタッカー:「戦士」のイメージ。必殺技の攻撃力が高い。後列時の「アイゼンカッター」が使えるので後列にするのもありかも。
・クライマー:「シーフ」のイメージ。防御力、体力がやや低めで前列に置くにはものたりない。移動速度が速くなるのは確かだがいなくてもゲームは進められる。
・シェルパ:「重装備可能な僧侶」なイメージ。テントがはれるので必須のユニット。攻撃力はないがHPが高いので生き残る確率も高い。
・ナース:「回復専門の魔法使い」なイメージ。戦闘では必須。

 なお、必殺技について、ハーケンとか荷物とか投げちゃだめじゃんという野暮なつっこみはなしです。このゲームでは些末なことです。

 各ユニットに名前が着いていて区別されていますが、特に性能に違いはなさそうなので、名前の好みか上から選択しましょう。4つしか職種がないのに人数だけは多いので編成が非常に面倒ですが、我慢です。基本的に、前列をアタッカー、クライマー、後列をシェルパ、ナースにしました。後列にクライマーを置いてもいいんですが、後で書くようにこのゲームではいかに全滅しないかがポイントなので、体力が上がりやすいシェルパを後列で温存するのを基本にしました。

 これが基本ですが、実際には私は一番目をクライマーにしたり、ナースにしたりとばらけさせてました。というのは、画面上で一番目のユニットが表示されるので、パーティーが区別しやすくなるからです。

 

ステージ攻略のポイント

 

 最初に書いてしまいますが、ずばりこのゲームの各ステージは、(洞窟とか若干のアクセントはありますが)まさに山があるだけです。つまり、どのステージも三角形のエリアを上に登っていくだけで全く変わりありません。難易度は、エリアの大きさと、現れる敵の強さが変わるだけです。

 従って、攻略法も同じです。ただし、敵の強さは結構差がありますんでその点だけは頭に入れておく必要があります。新しいステージになって油断もまずいので。

 さて、攻略といってもそんなに難しいことはありません。ポイントは

・戦闘はは「狙う」「逃げる」を使って全滅だけは回避
・テントは「適度」な間隔で設置
・アイテムはできるだけ使わない
・ボス戦は総力戦で必要なのは忍耐力

 まず、このゲームの戦闘での一番の特徴は必殺技の発動まで含めて「戦闘がほぼ完全にオート」ということです。作戦すらありません。最初は私も信じられずに説明書をくまなく読んだりいろいろ操作してみたりしましたが、結論としてはやはりありません。

 戦闘中にできるのは「狙う」「アイテム」「逃げる」だけです。このうち「アイテム」は後で書くように基本的に除外です。「逃げる」は当然ながら最後の手段ですので、結局基本的に戦闘中に出来ることは「狙う」だけです。

 ただし、戦闘は常に厳しいレベルだし、「狙う」の相手が倒されると自動的に相手を切り替えるというファミコンでも出来てる機能はもちろんないので、戦闘を止めるために△ボタンを押しておく用意は常に必要です。あ、戦闘中何も出来ない副産物として、必殺技が出ると非情に嬉しいということはあります。特に派手な必殺技で戦闘を終わらせたときは快感です。

 戦闘中に出来ることの二つめは「逃げる」です。これも非情に重要というか使います。上でも書きましたが、戦闘は常に厳しい上に出来ることも少ないので全滅のリスクが常にあります。全滅はデメリットが大きいので、それだけは避けなくてはなりません。そして、その回避方法として最も有効なのが「逃げる」なんです。

 というのは、このゲームの「逃げる」は、
・いつでも逃げられる
・確実に逃げられる
・逃げると一番近いテントまで戻る
という特徴があるからです。つまり、テントに戻ってしまうというマイナスはあるものの、普通のRPGに比べてかなりリスクが低くなっています。

 一方、逃げずに全滅して遭難すると戦力がダウンする上に救出にいかなくてはならないので非常に面倒です。そこで、無理せず一人でも戦闘不能になったら即逃げてしまいましょう。

 逃げるとテントに戻りますので、テントの設置間隔が長いとロスが大きくなります。逆に間隔があまり短すぎても面倒です。キャンプで敵と出会うと強制的に戦闘になってしまい、逃げられないからです。

 「適度」なキャンプ間隔がどれぐらいかは難しくて、感覚的に慣れていくしかないんですが、確実性を求めるなら短めにした方がいいかもしれません。テント設置の間隔・タイミングは結構頭を悩ませるところで、ここが(単調とはいえ)このゲームの醍醐味の一つといえます。

 戦闘で出来る三つ目のことはアイテムなのですが、これは基本的に使いません。救助犬を呼ぶ呼び笛とか、救助隊がやってくる信号弾とか、イメージ的なインパクトはありすぎるほどあるのですが・・・。

 使おうとするとすぐにわかるように、アイテムは非常に高価です。その代わり確かに戦闘は楽になります。しかし、このゲームでは資金を稼ぐ手段が洞窟探索しかない上にその洞窟探索の結果もたいしたことがないので、アイテムを使っているとあっという間に資金不足になります。資金がなくなるとクリア時の評価も低くなります。実際に遭難して救援を呼ぶと高額な料金がかかることもあるのでそれを再現したのかもしれませんが、そんなところだけリアルにされてもなあ・・・

 といいつつ、中盤からはそこそこ資金も豊富になるので、ここぞという時には使ってもよいでしょう。例えば、負けてしまうとテントがつぶれて大きく後退してしまうような場合です。

 結論として、基本的に、戦闘で少しでもピンチになったら勝利にこだわってアイテムを使うのではなく、とにかく逃げましょう。テントを適度な間隔で設置して、ロスを少なくしつつよけいな戦闘は回避しましょう。

 頂上付近のある地点を越えると中ボスの「守り神」との戦闘になります。山の守り神を倒していいのか、という突っ込みはもちろん却下です。守り神はかなり強いので、準備が出来ていなかったらさっさと逃げましょう。何回でも挑戦できます。

 頂上ではいよいよラスボス頂上と対決(日本語としておかしいけど実際そうなんで・・・) それまでの通常戦闘とは比べものにならない攻撃力とライフ量なので長期戦を覚悟しましょう。そのために、頂上付近、中ボス戦闘位置の上ぐらいにテントを作ってそこから出発します。私は2つ作ってました。通常戦闘でテントがつぶれてしまうことがあるからです。

 特に終盤の頂上は異常なほどのライフ量のため、ゲージを見ても攻撃がきいているかまったくわかりません。しかし、確実にきいてるので、忍耐あるのみです。(実は、ラスボスのライフ量を計算して紹介しようと思っていたのですが、挫折しました・・・。とにかくすごいライフ量です)

 これらの方針でもだめならレベル上げも(一応RPGなので当たり前なんですが)効果的です。普段のマップでは余計な戦闘は避けるのであまりレベルが上がりません。マップをクリアしなくてもレベルは上がりますので、ベースキャンプ付近でわざと戦闘していれば意外と簡単にレベルが上がります。クリア済みマップでいつも使うメンバーを強化しましょう。

 これらの方針で無駄なことをしてなければ、SかAがとれると思います。SとAでエンディングが変わったりするのか? 正直、私にはわかりませんでした。このゲームだと、まったく意味がないという可能性は高いので、まあ、そうなのかもしれません。

 

 

ステージ構成

 

 全部で6ステージです。特に隠しマップとかはないと思います。根拠はないですが、ヒントらしいものも全くないですし。もしかして、あるのかなあ・・・。

 上にも書いたように、ステージごとにマップの広さと敵の種類は変わりますが、基本的な構成は変わりませんので紹介するポイントはありません。ただ、アンデス以降の「頂上」の強さは半端じゃないので覚悟をきめておいてください。

 ストーリーもありません。山男にそんなものは不要なのです。まさにそこに山があるから登るしかないのです。

1富士山  2ロッキー  3アトラス
4アンデス  5アルプス  6エベレスト

 

感想

 

 さて、改めて感想を・・・というとなかなか難しい。というのは、このゲームに何を求めるかが問題になるからです。

 このゲームが定価7000円で売られていて全く予備知識なしで買ったならすぐにでもJAROに訴えたい気分になります。しかし、実際はシンプル1500シリーズです。

 しかも、最初からバカゲーとして期待して買っているわけです。これは私だけでなくて、これを買う人は全てそうでしょう。もしかすると、純粋に登山が好きな人が買ってしまうかもしれませんが・・・いや、パッケージを見た段階で、誰もが怪しさを感じ取れるでしょう、きっと。

(作り手の方はどこまで自覚してるんでしょうか? 正直わかりません。確信犯でないとここまで強引になれないとも思うし、天然だからこそとも思えます。ド天然だったら、スゴいです。暴れん坊級の天然です。)

 そう考えると、この内容でも納得してしまう気持ちもあります。

 じゃあ、バカゲーとして楽しめるものなのかというと、その点はばっちりでしょう。

 ところが、私はバカゲーであったとしても、ゲームとしての部分にきちんと魅力があってほしいと思います。そういう目で見ると、やっぱりちょっとこのゲームは物足りないですね。グラフィックやボリュームは無理矢理置いておくとしても、戦略性もあまりないし、ストーリーもキャラもほとんどありません。1500円だからといってもl、寂しいです

 と、まあ、厳しいこともいいましたが、強引さを楽しむゲームであって、普通の突っ込みなぞどうでもいい気持ちになってくるゲームということで、なんだかんだで自分はそれなりに楽しめました。