祝!「Wizardly Lylgamin Saga 」発売!Wiz1.2.3がまとめて復活って夢のよう。予約までしちゃったよん。でも、やり込む暇ないんだろうな・・・うう。(PSになって一番変わるのって、セーブデータを複数用意して死んだらやりなおしってのが簡単ってことか?いいんだか、悪いんだか。)
少しゲームに詳しいなら知らない人はいないぐらいの有名RPGだけど、難しいとかマニアックとか聞いて(全くその通りかも(笑))やったことない人も多いんでは?元々はパソコン版で、FC版の方がいいというぐらい良い移植みたい。自分もやったことがあるのはFC版のみ。
ともあれ、リルガミンサーガ発売記念ということでWIZ1/2/3を改めて紹介。
【ストーリー・キャラ】 ちょっと前の洋モノのゲームの説明書ってなんであんなにストーリー説明が長いんだろう。きちんと読んでる人いるのか(笑)。WIZもストーリー説明はなかなか凝っていて面白い。
でも、ゲーム中はストーリーなんてほとんど頭から抜けてる。特に、1は攻略のポイントはあるものの、ストーリーと全然関係ない。笑いとか和みの要素もほとんどない。この点、前回のダンジョンマスターが何故か笑っちゃう要素が多い(モンスターが勝手に切り身になってくれるとか、食べたり飲んだりするとき「ごっきゅん」という声を出すとか)のと違う。唯一、何か失敗すると「おおっと」というメッセージが出るくらいか?むろん、恋愛の要素など皆無。
キャラクターは決まっていない。プレイヤーが一人一人作成する。このキャラ作成がWIZの大きな魅力の一つで、名前・種族・職業・属性(善と悪がある)を自由に選んで作成できる。初期ステータスの数字の割り振りまでプレイヤーが出来る。初期ステータスの総量はランダムで、高い数字は出る確率が当然低いので自分の気に入ったキャラを作るために何時間もかけることもしばしば(キャラを作っては削除する、を延々と繰り返す)。
ここらへん、最近のストーリー・キャラクター主導のRPGとはホントに対極的。
【システム】 言うまでもなく3Dダンジョンの元祖的存在(本当に元祖かは知らない)。女神転生(2以降)のように複数ダンジョンではなく、一つだけのダンジョンだがマップを作りながらでないと絶対迷う(僕ちんは攻略本使っちゃいました。てへっ。)
操作性は良い(1がちょっと悪いか)。ダンジョン内を移動するときの速さは特筆もの。
WIZの特徴としてよくキャラクターに本当の「死」があることが挙げられる。HPが0になったキャラを復活させる手段はあるのだが、これが100%確実でなく、失敗して「灰」になってしまうことがある。さらに灰の状態から復活するのに失敗すると「ロスト」と言われる状態になり、ゲームからさっぱり存在をなくしてしまう。しかも、このゲームはプレイヤーが何らかの行動を終了する度にセーブされるので、結果が気に入らなかったらセーブしたところからやり直し、というわけにもいかない厳しさだ。
しかし、実は、愛しいキャラを失うのに耐えているのは根性のある人だけで多くのプレイヤーは「リセット技」「マハマン技」「マロール技」と呼ばれる抜け道を使って死やロストの危険を回避してしまう(バグ技ではない)。
むしろWIZの特徴は、キャラクタがひたすら脆弱なこと、しかし、その脆弱なキャラのレベルアップに際限がないことだと思う。キャラクタは脆弱で(ホントに簡単に死ぬ)レベルアップの速度はのろい。だから、探索や戦闘は常に忍耐と緊張を強いられる(その緊張感も魅力の一つではあるが。)そうして、苦労の上でレベルアップした強くなったキャラは、キャラ作りの自由度の高さも相まって、プレイヤーの中で不思議な存在感を持つんである。
もう一つの大きな特徴は、これもよく知られたことだけれど、アイテム探し。アイテムのほとんどの種類は店には売っておらず、敵を倒したときに入手できる宝箱に入っている。有名な「ムラマサ」等の貴重品を得るためには何十回、何百回という戦闘をしなくてはならない。しかも、その宝箱には凶悪な罠がしかけられていて、それを外すためだけに、戦闘では役に立たない盗賊をパーティーに入れなくてはならない。しかし、その苦労があるからこそ、アイテムを入手しその威力を確かめたときの喜びは他のゲームでは味わえないものになる。
【グラフィック・音楽】 まあ、FC版なのでグラフィックはそれなり。しかも、街とか店とかは単なる文字でしか表現されない。しかし、末弥純氏のモンスターデザインは非常に魅力的。
音楽も、以前に「音楽は世界だ」で有名になった羽田健太郎氏がプロデュースしているだけあって、とても良い感じ。
【全体的に】 よく考えるとキャラクタは単なるコンピューター内のデータに過ぎない。しかし、自分が作り、厳しい冒険の中で生き残ったキャラクタには愛着がわくから不思議。例えば、キャラクタには性別の設定はないのだが(後のシリーズではある)、このゲームのファンは性別を自分の中で設定してしまう。性別だけでなく、キャラクタ一人一人の性格や生い立ちなんかも設定している人も多い。逆に、そういう「俺的設定」を楽しめない人には、単なる暗くて難しいゲームになりかねないのは確か。
【シリーズ】 「1」は、ひねりなく、ダンジョンの最奥に潜む魔術師ワードナから「魔除け」(こう書くとありがたみが全然ないな・・・)を奪い返すというのが目的。WIZの基本と魅力はこのゲームでもう完成されたと言っていいと思う。
FC版の「2」はPC版の「3」で、善と悪が協力しないとクリアできないという点が特徴。ただ、バランスに難があったりして、FC版では一番人気がない(でも自分は好き)(中古屋でも「2」だけはよく見かける。売りすぎただけなのかもしれないが)
FC版の「3」はPC版の「2」で、ダイアモンドの〜と呼ばれる防具や武器を手に入れつつ、グニルダの杖という宝物を持ち帰るのが目的。また、ゲーム本来の目的とは別にラスボス的存在がいるのも特徴。後発だけあって、様々な点でFC版の中では一番凝っているが、最終的な難易度は一番低いかもしれない。
「4」は「1」のラスボスのワードナが主人公という思い切った(笑)設定(でも、結構面白いらしい)。FCでは出ていない。PCEかなんかに移植されたはず(?)(未プレイ)
「5」はストーリー性が重視され、また、グラフィックも大幅強化されている。SFCに移植されたものをプレイしたが、ストイックさがなくなってちょっと残念だった。とは言え、謎解きなどの点で楽しめる優れたゲームなのは確か。
これ以降は・・・よく知りません。一応、PCでは、本家シリーズ7までと、外伝的なものがいくつかが出てるはず(だいたいはコンシューマにも移植ずみ)だけど、なんかどんどん「WIZらしさ」がなくなってしまってるみたい・・・。サターンから発売される「ネメシス」はアクションRPGになっちゃってるし・・・。GBで出た「外伝」シリーズはなかなかいいらしいんですが、未プレイ。
そんな中、SFCで発売された「外伝4」を購入。和風(!)になっていたり種族や職業が増えたりしてるけれど、基本的には原点回帰してるのが嬉しい。途中まで楽しんでプレイしたが、セーブデータがトんだのがショックで止まってる・・・。
【余談】 その外伝を監修した(?)「ベニー松山」氏が書いたWIZ小説「隣り合わせの灰と青春」「風よ、龍に届いているか」(どちらもJICC出版)は超オススメ。また、同氏が監修した攻略本「ウィザードリー1・2の全て」「ウィザードリー外伝3イマジネーションブック」も超イカす本。同氏はPSの「バスタード」を監修したりしてたけど、もうWIZには関わらないのかな。残念・・・。
(1998/02/07) |