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 手首の上下運動にあわせて、中がひくひくと痙攣するから、そのままでも十分
過ぎる心地良さなのだが、俺は更に壬生を追い詰めてやった。
 「ほら!腰が疎かになってるぜ?ナニを扱きながら、腰振るぐらいでき
  ねーんかっ」
 一度大きく腰をグラインドさせれば、ぬらつく俺の肉塊が抜けてしまうほどの
位置まで壬生の腰が上がり、落下する。
 「やああっ!あああうっ……」
 両手で必死に俺の胸を押さえつけ、深すぎないように調節を図る手首を再
度掴み、壬生の肉塊に絡みつかせる。
 「全く、わっかんねー奴だな」
 壬生の両手の上、自分の手を重ねて握り込み、肉塊を早いペースで追い
上げるのを手伝ってやった。
 無論、不規則な腰の突き上げを忘れる、なんて情けない真似はしない。
 「や、ねが……お願いっ…両方から、されたら!」
 「されたら?」
 「……出るっつ!」
 言ったか言わないかのタイミングで、ほとんど毎晩しているにもかかわらず、
結構な量が俺の喉元辺りまで飛んできた。
 「ったく学習能力がねーっつーか、堪え性がねーってか?そんなんじゃ女を
  満足させるなんざできねーだろうがよ」
 穢れた身で女を抱けないと呟く潔さは、女には嬉しい感覚だろう。
 口で言うほど早いわけでもない。
 これだけの美貌と整った肢体と、潔い性根と。
 どうして、好き好んで闇を見たがるのか、俺にはほとほと理解できない。
 「さあ?紅葉さん。これからが、本番だぜ」
 苦しげに眉根を寄せて、俺の本気の突き上げに耐えてくれるのは、実際こい
つぐらいなものだ。
 感情は恐ろしく荒んでいるが、身体の相性は文句なしにばっちり。
 俺がひきずられるぐらいのSEXなんざ、壬生以外には望めるはずもない。
 「うあああ、あ……ん…あつ、あっつ…ん……く、うっつ」
 緩めるなんてできないだろうという締め付けと、手慣れたリズムと、あえやか
な表情と。
 目を瞑っても違えないぐらいに抱き合っても尚、そそられる。
 「し、こ……う」
 可愛らしいとしか表現できっこない、音域すら上がった声音も今だけ。
 本当は、俺自身が『これはただの憂さ晴らしだ』と言い聞かせなければいけな
いほどに、抱き合っている時以外の壬生は素っ気無いというよりは、冷たい。
 「いい、んん……ああ、し、こ」
 身体は、いい。
 何もかもどうでもよくなる激しさで、心地良い。
 でも、心は……。
 思う様くねる身体を見上げて目を細める。
 心は、俺の所にない。
 永遠に、届かない。
 それで、いい。
 それこそが、本望だと思ってはいるけれど。
 「……す、き……」
 俺をいきつかせるための呪文だとわかっていても。
 「んんっつ……あい……て、るうっ」
 熟れきった顔で告白なんざそれてしまえば。
 「……出すぞ」
 「ん、して。だあ、して」

 いっそ、殺してやりたくなるほどに、愛しい。

 搾り出されるように締め付けられて、放出しながら。
 俺は、もう憂さ晴らしとはいえない行為を止められもしない自分を。
ただ、深く悔やんだ。
 
  

                                             END




 *村雨×壬生
 もっと、こう。
 壬生に愛情がない村雨を書きたかったんだけどなー。
 結局壬生にラブな話になってしまう。
 霧島氏あたりとからめれば書けるかしらん。
 でも、エロ度的には満足な仕上がりです。

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