もう、どこに羞恥を覚えればいいかわからないくらいに、頭の中が爛れてしいる。
「ほー、の。大きいのが、たくさん。オクまで、入ってきて。すごく、気持ちイイっつ」
「こんなに、してるのにね。ロイ君のお口は何時でも小さくて、狭いよね」
ふう、と額を拭う仕草。
汗、なんてほとんど掻かない癖に。
「まだ、先っちょしか入ってないのに、きゅんきゅん締め付けて。これでは、奥まで入れてあ
げられないんだよ。すこうし、緩めようね」
射精を終えて、未だ余韻にぴくぴくと震えるアレの根元を絞り上げられた。
もう残っていないと思っていたのに、触られて先端からとろとろと溢れ出るものがある。
「やっつ、触らないで!出たっつ…ばっかりだから…つ、らいのっつ」
「辛いけど。気持ち良かったりもするよね。ロイ君は、射精したすぐ後に弄られても、感じて
しまう性質だから」
「あっつん」
項垂れた性器を再び扱き立てられる。
痛みが一番初めに、次はくすぐったさ、微かに愉悦と、表現の仕様がないもやもやとした
モノが下半身から突き上げてきた。
下腹が、熱い。
「凄いね。まだ、数回しか擦ってないのに。もう勃起してる」
「ほーが、上手だからデス」
「君が、感じやすいからだ。この子を弄っているとね。最初は緊張して中も締め付けられる
けど、だんだんに中が緩んでくるよ」
「緩んだら、つまらなくないですか?」
アナルSEXなんて、締め付けを楽しむものだと思ったけれども。
「他の人なら、つまらないかもしれないけど。ロイ君だからねー。女の人の中よりも、淫ら
に蠢くよ。緩む、と緩み切るは、大きく違うし、ね」
基本的には、根元を絞り上げて射精を先延ばしにされるのを、堪能するらしいのだが。
私の、中は。
ホーエンハイム曰く、女性の膣のようでもあるらしい。
「人体改造なんて、していないのに。ほら?わかるだろう」
言われて下肢に集中すれば、ぬぷっと先に進まれて、異物を拒むように締め付けた後。
まるでホーエンハイムのアレの形を確かめるように、中が蠢いているのがわかる。
私の意志と反する所で勝手に蠢くそこは、既に独立してしまった生き物のようだ。
おぞましい以外の何物でもないのだが、彼が良いと言うのならば、構わない気もしてくる。
そこが、また。
更におぞましい……。
「ローイ君?してる時は、難しい事は考えない約束」
自分で思っているよりはずっと、感情が外に出やすい性質だという自覚は、この人の手に
よって促された。
「はうんっつ」
じゅぷじゅぷっと中を擦られれば、どんなに考え込んでいたとしても、霧散してしまう心地
良さに、私は簡単に白旗を揚げる。
「んっつ。あ…ごめん、なさ?ホーのこと、だけ…考えるから」
「もっと?」
「はい。いっぱ、い。突き上げて、中も、擦って欲しい…です…」
本心を言ってしまえば、ホーエンハイムに抱かれて狂う自分を見せ付けられるのは、あま
り芳しくはない。
例え、どれ程の愉悦に浸り切って、触って貰えない日が続けは空しくなるのだとしても。
腕の中。
ゆらゆらとあやされるように、揺らされて眠りにつく。
そんな穏やかな時間こそを。
心の底から望む。
ただ、彼が、ホーエンハイムが熱い時間を。
私がいなくなった後にも覚えておけるような、そんな激しい熱を求めているのだと、気が付
いてしまったので。
こうして、奔放に振舞って。
実際それが、私の望みでもあるかのように思い込んでいる部分も確かにあるけれど。
「君が、望むだけ……好きなだけ…気の、すむまで。して、上げよう」
終わりを知らない。
知ることができない、彼の為に。
「気を、失うまで……堕ちる、まで…して、下さい」
せめて、私の終わりを。
もう、随分と昔から、そんな終わりを捧げられてきたのはわかっていても。
捧げたいと思ってしまうのが、愛、なのだろう。
「ああっつ。うあああっつ」
奥までずんずんと響く突き上げを重ねてくれる大きな背中に、必死に爪を立てる。
そうでもしないと簡単に振り飛ばされてしまう、激しい突き上げは二人が同時に望むもの。
「ほっつ。ほおっつ」
「ロイ…君…イイ?」
「あんっつ、あうんっつ」
「ロイ君?」
「うあっつ……イイっつ」
喘ぎと荒すぎる呼気に紛れての告白を、彼は正確に拾ってくれる。
少しでも完全に彼の与えてくれるモノを受け入れようとして、目を閉じて堪える視界の向こう、
穏やかに笑うホーエンハイムの気配があった。
「はあっつはうあっつ…れちゃ…壊……ちゃうっつ」
この上もなく乱暴で優しく繰り返される、単調なまでの突き上げに、頭の芯までもがぐらつい
てくる。
全ての根本からを揺らされてしまって、足元から掬われそうな不安に陥るのも、既に快楽と
なって久しい。
「やっつ、も。たすけっつ…ほーっつ。も。おわり、たい」
淫水音はひっきりなしに、上がり続けお互いのも太ももがぺしゃぺしゃと擦れ合う。
私の身体は一体どうなってしまっているのか、まるで女性が零す分泌液のようだ。
男でも、慣らされて心の底から相手に溺れる事ができたのならば、こんな身体になるのだと
思い知らされる。
「本当に、終りたい?」
「も、限界…デス……ほーのナカで、感じて……最後だけでも一緒に、ねぇ?」
「わかった、一緒に、ね」
くすっと笑みを刻んだままの唇が、私の唇を塞ぎ。
舌を絡めあいながら、というよりは一方的に口内を貪られながら、激しすぎる抜き差しが繰り
返される。
音、と。
熱、と。
胸からこみ上げてくる、否定のしようもなくなってしまったイトオシサのままに。
彼の身体と心と魂までをも心着なく貪った。
浅い場所にある堪らない箇所を短いリズムで刻まれて、いきっぱなしの状態に陥り、息が
上がる。
ぴゅ、ぴゅと先端から透明の液体が際限もなく飛び出る度に、中がホーエンハイムに絡み
つく。