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 「よしよし。準備万端だな。まず全部銜えてやるからよ。あーん」
 根元までを一息に飲み込む。
 完全に勃起したらできないんだけども、最初のへにゃんと状態ならばできる芸当だ。
 ロイのナニってーのは、元々の大きさはご立派というレベルには遠い。
 ただ、膨張率がなかなかで、立ち上がれば成人男性の普通よりイイもんじゃないの?ってレ
ベルになる。
 太くはないが、硬いので、歯の立てがいもあったりするのさ。
 ちゅぷ、と唇だけで立てる音を銜え込む瞬間のそれに似せる。
 『ん……ふうっつ……』
 背中を丸めて、足の指先も同じようにして、衝撃に耐える声。
 あんまり焦らすと、ロイ。
 銜えた瞬間にいくんだよな。
 「我慢できたか?まさか、まだ、いっちゃいないよなぁ」
 挑発するように言えば。
 『当たり前だ!ただ銜えられただけで、いけるほど、私はお安くないぞ!』
 語尾が上ずった返答がある。
 この、意地の張り具合にも萌えるマニアな俺。
 「ふーん?じゃさ。俺のはもう銜えなくていいから、自分で奥。解せよ」
 実際俺のをこれ以上嘗められたら、いっちまうだろうしな。
 俺の愛技に興奮して吐き出すロイの荒くて熱い吐息が、ナニに吹きかけられると、あんまり
にも頼り無い刺激にどうにもならなくなって、ロイの口の中に突っ込むか。
 はたまた下のお口に入れさせて頂くか、ってなもんで。
 グレイシアとの穏やかな交接では、決して得られない興奮に浮かされた熱をそのままロイ
にぶちまけたくなるのだ。
 『……わかった』
 鼻にかかった声で承諾したロイは、受話器を自分の口元に置いたようだ。
 そうして、自分で嘗めしゃぶった指を、きっと既に蕩け始めている個所へと差し入れる。
 『あうううん』
 「んー。ロイたん。イイお声ですこと。そんなに、いいんだ。自分の指なのに」
 『お前が、して、くれないから……仕方ない、だろ』
 拗ねた色合いが濃くなってゆく。
 目の端には涙でも浮かべているかもしれない。
 はあ、今すぐに、押しかけてっていぇりてーな、もう。
 滅茶苦茶の。
 とろっとろに、よ。

 「明日。たっくさんシテやるってばさ。散々我慢した後だから、すんげぇ気持ちいいぜ、きっと」
 『わかってる、さ……でも、今……ホシイ』
 だからー。
 その泣きそうな声は反則なんだって!
 「ロイ。いい子だから、ほら。大きく股開けよ、入れるぜ?」
 『ん……入って、きて』
 「一気に奥までいくからな、出すなよ」
 右手は結構な、動きで自分のナニを擦り上げている。
 せめて一緒にいってやらないとなんだけども、たぶん先にいかれるだろうな。
 目を閉じてロイの媚態を想像する。
 太ももを俺の肩の上に乗せて、あそこ丸見えの状態で、入り口にナニをあてて、潜り込む。
 堪らない心地良さ。
 入る瞬間の締め付けも、入った後の蠢きと吸い付きも。
 何時だって、それまでの快楽を凌駕するほどに、イイ。
 ロイだけなんだ。
 この、頭の中が爛れるような、愉悦を与えてくれるのは。
 『ああっつ……ヒューズっつ』
 「いっちまったのか、ロイ」
 『だって、まぁすの、大きい、から』
 いった後は締め付けがきつくなるロイのイイ所。
 危うく出しそうになって、懸命に堪える。
 「じゃ、遠慮なく。中、突いてやるよ」
 『ん。いっぱい、ついて。たくさん、ついて。奥に、かけて』
 「孕むほど、かけてやるさ」
 後はもう、射精の為だけに右手を擦り上げた。
 「ほら、ロイ。イイ声出さないと」
 『んう。マース。まだっつ、まだいかないの?』
 「お前と一緒じゃないと、駄目だね」
 もう、後少しだって我慢できないのだけれども。
 そう言えばロイは蕩けそうな顔をして、俺を、見る、から。
 『いったばっかり、だから、無理っつ』
 「ナニじゃなくて、中を弄れよ。入り口のイイ場所だ。すぐ、出せるぜ」
 『入り口の、ああん!』
 指で中を擦っているのだろうか、それとも何かを入れたのだろうか。
 「そう、そこだ」
 『いいっつ!マース。ここっつ。気持ちいいっつ』
 「俺もいいぜ。ロイのあそこ、おつゆ垂れ流して。ぐちゃぐちゃイヤラシイ音にぞくぞくしちまう
  わ」
 耳朶を噛むようにして、言葉を流し込めばロイは、これ以上はないと思った更に上の締め付
けを俺に齎した。
 『マースっつ。まぁす。ね?もう、かけて。中に、かけて』
 「もう、いくか」
 『……中で、いっちゃっつ……』
 そう、躾たのは俺。
 こうなれば、ロイは何度でも射精しなくもいけるようになる。
 あーあ。
 この後眠れないだろうなー、ロイの奴。
 体が疼いて、疼いて、よ?
 「イイ声で、鳴きな」
 『いっちゃうっつ!マースっつ』
 ロイが二度目の到達を迎えたのと同時に、俺は掌に精液を吐き出した。
 中出しと違って後始末は楽だが、何とも情けない。
 でもって空しい。
 俺でこうなのだ。
 ロイはもっと、寂しいだろう。
 「ロイ……良かったぜ」
 『私は……足りなくて。どうしようかと、思っているよ』
 案の定の深い溜息に、俺は長い口付けを電話越しに送る。
 『明日はちゃんと、満足させて貰うぞ』
 「おー怖い怖い!」
 『最後の一滴まで搾り取ってやる!』
 意気揚揚と言い切って後、がしゃんと電話が切られた。
 「俺的には、もそっと余韻なんかを楽しみたかったよ、ロイたん」
 熱を引かせるために勢い込んでシャワーでも浴びにいったんだろうけどさ。
 俺は俺で、消費した生臭いティッシュを握り締めてトイレへと向かう。
 ロイ相手のテレフォンSEXの後始末を、グレイシアにさせるのはさすがに罪悪感が沸く。
 「あー早くぶち込みてーぇーなぁ。おい」
 水流に流されてゆく、ティッシュの行方を見届けて俺は大きく伸びをする。
 「明日もロイたんに、会えるように頑張らなきゃならんから。そろそろ寝ておきましょうかねー」
 寝室へと足を運ぶ最中、電話機を見つけて先程の会話のあれこれを思い出してしまう。
 「とっと。これじゃあロイの事言えなくなっちまうなぁ」
 また、勃起するとこだったよ。
 はははは、と一人乾いた笑いを浮かべつつ、俺は大人しく寝室に戻った。
 



                                                     END




 *思いの外、書きにくかったのは何故でしょうか?
  ロイ視点方が書きやすかったのかもしれません。
  ロイの艶姿(?)を偶然見てしまった、ハボ辺りがロイを見てロイを襲ったりするのもいい!
  もしくは、それをおかずに一人上手とか?
  三つ巴専門お題でも作ろうかしら。
  ……それも、どうかと(苦笑)




 
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