「ん」
奥に突き刺さった状態で、腰を大きく振り回してくれる。
今の瞬間、私の奥底は見事なまでに開かれてしまっているだろう。
ヒューズの吐き出す精液をより大量に孕む為に広げさせるのだと、言った事はないけれど、
きっと奴は知っている。
「いイッツ…ああっつ…きも、ち…いぃ…まーす。まぁスうっつ」
「れも、い」
俺も、イイ。
と耳朶を硬く噛まれながら注がれる睦言に更なる愉悦に晒された。
「中、奥っつ…出してっつ」
「さん?」
「そ、たくさん。いっぱい…中出し…してっつ」
私ばかりが恥ずかしい言葉を紡ぐのに抵抗がないわけじゃないが。
ヒューズのあれが、私の卑猥な言葉を聞く度にどんどん大きく硬くなるから、つい。
「せいえきっつ…いっぱ……のませ……ぇ」
娼婦でも言わないだろう淫らな言葉を綴る。
「っと、よ?」
もっと、言えよ。
溺れろよ、と唆される。
もう、これ以上どうやってお前に溺れろというんだろう。
溺死寸前だというのに。
「ねぇ?もぉ……出して?」
揺さぶられて、突き上げられて、奥底を広げられて、私のあそこは絶対ヒューズの形がぴた
りと嵌るように、カスタマイズされている。
「やっつ、だめぇ」
気持ち良過ぎて腰が跳ねる、ある種苦手な場所を立て続けに突き上げられた。
先端がこつんこつんとリズミカルにあたってくる。
「そこ、されたら…でちゃうっつ、まぁすより…先、に…でちゃうっつ」
何時だって一緒の到達がいいのに、ヒューズは何かと私を先にいかせたがる。
その辺りはまぁ、男のプライドとしてもわからないじゃないが。
たまには、一緒にいってくれてもいいと思う。
「だめえっつ。も……でるっつ」
中の蠢き加減で、ヒューズは私の射精の瞬間を正確に掌握する。
息が止まるほどに熱烈なキスがなされ、中をぐちゃぐちゃに掻き回されて私は声にならない
悲鳴を上げた。
「……!!」
背中を仰け反らせて、ヒューズの肩に必死の爪を立てて強烈な愉悦をやり過ごす。
涙が伝い落ちる心地良さ。
ヒューズの手も借りず、己の手も使わずに射精に至った。
「あ…あ…ああ……」
びくびくと吐き出す余韻に震えている中で、ヒューズの抜き差しは続いている。
「も、い……ってっつ」
このままじゃ、また擡げてしまう。
体力がいい加減限界だというのに。
伝い落ちた汗を舌先で舐め上げて、唇が塞がれたまま、数回づつ深く浅く掘り込まれて。
「やあんっ」
「くっつ…ふ…」
私が望む、広がった奥へたっぷりと精液が注がれた。
生暖かい液体で満たされて、私は断続的に声を上げ続ける。
「あっつ……あっつ…あんっつ」
「……お前が…いってるみてーだな」
くすっと笑って、額に口付け。
「ああ、実際いったんか」
荒い息の中で、ぐちゅりと精液を掻き混ぜながら周囲に肉塊を押し付つけつつ実にゆっくり
と一回転させる。
私が中でいってしまったのを確認するように。
「…る、さい」
触れられずに射精するよりも、尚恥ずかしくて、私は憎まれ口をきく。
「照れるなよ。男冥利に尽きる。俺はすんげぇ嬉しいぜ」
「私は…恥ずかしい」
「今更恥ずかしがる仲でも、いてててっつ。締めるなってば」
中をぎゅうぎゅうと締め付けてやる。
入り口の締め付けがきつかったようだ。
ヒューズは早々にお手上げ状態になった。
アレを握っている方が、強いのだとこんな場面で証明される。
「全く、お前さんには勝てねーよ…っと」
ずるんと、ヒューズのアレが抜き取られた。
まだ微妙な角度を保っている辺りが若いんだと思う。
喉が小さくなったのを悟られないように、手を伸ばす。
股間をティッシュで拭きながら、箱ごと手を突き出してくるので、数枚のティッシュを抜き取っ
た。
起き上がる気力もなかったので、毛布を引き寄せて下肢だけを隠すと、孕まされた精液を吐
き出す。
孕んで温もりを堪能していたいのだが、そのままにしておけば下痢に至ってしまうという現実
的な理由で、仕方なく中を綺麗にする。
数枚では足りなくて、慌てて追加。
下腹に力を込めた程度では出なくなったので力を抜き、ティッシュをゴミ箱に投げ入れる。
「ロイ?」
後始末を終えたヒューズは、私が引き上げた毛布の中に潜り込んできた。
「ん?」
「後始末の続き、してやろうか?」
「ばかっつ!」
拭き上げたばかりの箇所を指先で触られたので、手の甲を抓り上げてやる。
「貴様は、レポートでもやってろっつ!」
「ててて。ロイはどうすんの?」
「さすがに疲れた。少し、寝る」
「じゃあ、俺も!」
「お前はここで寝たらアウトだろうが。絶対朝までノンストップだぞ」
首を傾げて、きつく目を瞑りしばし考えて後。
「しゃねーか」
ヒューズは、もそもそと起き出して下着を着け始める。
私は、読みかけで開きっぱなしだった本にしおりを挟み、ぱたんと閉じた。
ヒューズがレポートをやっている間、読書に励んでいても良かったのだが、どうにも眠い。
もしかすると雨が近いのかもしれない。
単純に疲れ切っただけの気もするが。
「……ロイ…落ちる前に、これ飲んどけ」
「ん」
手渡されたグラスには、冷水が入っている。
した後に水分の補給をしないと、深く寝入った状態でも喉の渇きに目を覚ましてしまうのだ。
「ありが、と」
飲み干したグラスをテーブルの上に置こうとして、手が滑る。
床に転げ落ちそうになったグラスを。
「セーフ」
途中で受け止めてくれたヒューズに、助かった、と礼をする前に私の意識は、ことんと音を立
てるようにして、消え失せてしまった。
END
*長かったなーこのお話も。
士官学校時代、誰にも邪魔されず難しい事も考えない蜜月。
ってーか、やりまくりの若い二人が書きたかったデス。
初志貫徹できた気がするので、幸せ。