「いいぜ?いっちまいな」
許されて、私は小さく頷く。
「んうっつ」
貫かれながら、射精をした私を宥めるように。
自分の射精にまで付き合うようにと、苦笑と一緒に唇が塞がれる。
一生懸命自分の快楽をヒューズに伝えようと舌を絡めれば、ヒューズが喉の奥でくぐもった
喘ぎを殺して到達した。
止まった腰が、放出している間びくびくと震える。
促す掌で腰を摩れば、もう一度、二度。
突き上げを食らった。
突き上げの数だけ、ヒューズのミルクタンクの中からたっぷりと精液が吐き出される。
「あー。どうしたって中に出しちまうな。ごめん。ロイ」
すまなそうな、満足した風な声に、私は笑ってみせる。
「…いい、さ。その方が気持ちイイのは…私も男だからな。よく、わかる」
妊娠の心配もない私にとって、中がヒューズの分身で満たされるのは嫌じゃない。
何時までも孕んでおくと、大変な事になるのが少し、残念なくらいだ。
「後始末してやろっか?」
「……変態」
「おまっつ!それはないだろう」
結合部分にティッシュをあてて、中からあふれ出る精液がシーツの上に零れ落ちないよう
にして、ヒューズは器用に分身を抜き出そうとする。
「んうっつ」
抜け行く感触すら爛れた中には刺激的で、思わぬ甘い声が喉の奥から溢れた。
「……淫乱」
「変態発言の復讐か?」
「んにゃ。ロイが淫乱なのは嬉しい事実真実でございますコトよ?」
「ったく言ってろ酔っ払いが」
「酔っ払いは、お互い様。だろ?」
下腹を押されて、溢れ出てきた精液をティッシュで拭き取られたと思ったら、何時の間にか
用意したらしいお湯をくぐらせたタオルでそっと拭われる。
始末されるのは恥ずかしいが、これもヒューズの愛情の一つ。
でもって、酔っ払いヒューズの甲斐甲斐しさは、普段の数割りマシになる。
この程度は、いい方だ。
まぁ、私も酔っ払っているので羞恥が薄れがちなので、割れ鍋に綴じ蓋なのだが。
「ひゅー。眠い」
「あー。俺も眠い。でもこれっぐらい眠いのを押してやるSEXってーのも、気持ちいいんだ
よなぁ」
今だ後始末を続けるヒューズの指先が、愛撫の手に変わってゆく。
「眠いんだって」
「いいじゃんか。ここまできたらとことんまで付き合えよ」
「……はぁ」
「んだよ。その呆れ切った声は」
むぅと頬を膨らませて拗ねてみせる様を。
「いい年をした男が、みっともないぞ」
自分の言う言葉通りに捉えられればいいのだが。
「だってさー。ロイたん冷たいから」
実際は、可愛いなぁとか、馬鹿みたく思う。
そして。
「どこが冷たいって?こんなに、熱いだろうが」
私はヒューズの掌の辺りに、自分のアレを擦り付ける。
結局は、安眠よりもヒューズに貪られるSEXを望む。
私にとってヒューズとの交接は睡眠より深い愉悦ではあるから。
「……素直なんだか、素直じゃないんだか」
「ふふん。そんな私が好きだろう?」
「まぁ、な。堪らなく好みさね」
触れるだけのキスでもう、再燃してゆく身体。
これを、酒のせいだけにするのはあんまりだろうかと。
一人ほくそ笑みながら、私はヒューズの足に自分の足を絡めて続きを強請った。
END
*ひゃー長かったです。
やっとこさ終わりました。今は達成感が強い感じ。
なんてーか。
不倫ていうんは、こんな風に続けられるものなのかと思ってもみたり。
逆に続けられない二人も書いてみたいですねー。