「宿星ってー繋がりは、人様に説明できねーし。ありのままを説明すんのはき
っついかも」
「龍麻の後輩だといえば無難だろうけど」
「確かに、顔広いんだよなー龍麻センパイは」
しみじみと頷く俺の側で、壬生さんが首を上げる。
「ん?ああ、雨上がったんだ」
釣られて見上げれば、雨はすっかり上がって、真っ青な空が広がっている。
「良かった。雨に濡れた後長時間外にいると風邪をひくから、寄り道なんかし
ないで、真っ直ぐ帰るんだね?」
「大丈夫っすよ!壬生さんこそ、風邪ひかないで欲しいもんです。俺如月さん
の雷は心底怖いんだ」
「怖いのは、僕も同じだ……チケット、ありがとう」
「はい。こっちこそ!よろしくお願いシマス」
「……では、また」
深々と頭を下げた俺に、一見尊大な風情で返した壬生さんは、軽く肩を上げ
て背を向けた。
急いでいるようには見えないのに、あっという間に消えてしまった姿を目で追
ってから、ギターケースを肩にかける。
退屈なはずの雨宿りに、とんだ収穫があったってなもんで。
「へへ」
俺は、煮詰まっていたはずの新曲のメロディなんかをつらつらと鼻歌で謳い
ながら、家路へと着いた。
END
*雨紋&壬生
あまり書かないキャラを書くたびに、そのキャラの口調に不安を覚えます。
久しぶりに通しでやってみようかなー、魔人。
そして手に汗握りながら、壬生を口説くのさ♪
確か”愛”さえ入力していればいけた気がする。
龍麻の愛だけで落とせる男。
……そろそろ主×壬生が恋しいなー。