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 袋を指先で弄られて、縫い目をなぞられて。
 挙句の果ては、尻の窄みまで擽られる。
 前立腺マッサージなんかも、上手いらしい。
 さすがに、尻の穴に指突っ込まれるのは御免なんで遠慮しているけれど。
 どんなに気持ち良いのだと口説かれても、入れるのは、俺の担当だからよ?
                        
吸いながら、噛まないぎりぎりで歯を掠めさせながら、息が苦しくなるのか、時折ちゅっぽんと
ナニから唇を外して、ぺろぺろぺろぺろとと舐め上げて。
 俺が、もう駄目って降参すると、大きく息を吸い込んで、手首をがんがん動かしながら、頭も
同じ速さで動かして射精まで導いてくれる。
 同じことやれって言われても無理。
 少なくとも、大佐がするみたく嬉しそうにっつーか美味そうになんて、できやしない。
 「ロイっつ、出すぞっつ。口の中にっつ」
 いいよ。ほら。
 たくさん、飲ませてくれるんだろう。
 そう、言って。
 また、じゅぷじゅぷじゅぷって。
 「ちくっしょ、もたねっつ」
 大佐に飲ませた後の、うっとりする表情まで思い浮かべる余裕がなかったのが、悔しい。
 慌てて掌を先端に当てれば数秒後、生暖かい濡れた感触。
 「んーあーティッシュ…どこ、だっけか」
 尻丸出しで探すのは間抜けだと何時も思う。
 始める前に準備しろってさ?
 でもこの手の事って何時でも大佐がそつなく準備してくれてっから、どうにも忘れがちだ。
 「甘やかされてるんだよねー。俺」
 もてもての大佐が、だいたい俺を選んでくれたのだって、今も不思議。
 もっとさ。
 練れた相手の方が好きそうな印象があって、そう尋ねた事がある。
 そうしたら、大佐は俺が大好きな笑顔をくれながら言ったっけ。
 『練れた相手はこりごりだよ』
 って。
 こりごりになる程したんだ?ってのは、悔しかったけど。
 それを経て俺に辿り着いて満足してくれているんだったら、いいんじゃないかなって、思う。
 練れた、相手はたぶん今も大佐の側にいて。
 親友の面を晒して、当たり前にこいつは俺のモノなんて言いまくっているんだろうけど。
 大佐は、俺のモノ。
 離れていても、そう思える。

 愛してる、から。
 愛してくれている、から。

 不安はないじゃない。
 けど、素直に不安だと告げれば、あの人は俺の気が済むまで、俺の好きなようにさせてくれる
から。
 信じなきゃ、失礼だよな。
 だいたい、俺の都合がほとんどで、一緒にはいれない訳だしね。
 意外にも寂しがり屋なとこを殺して、俺だけを待っててくれるっていうのも、不安より安堵の方
が強い要因の一つ。
 「ああ、でも。会いたいよ……」
 目を閉じれば、何時も口の端を上げた独特の微笑が浮かぶ。
 次には、俺だけに見せてくれるんだろう、甘ったれた顔。
 蕩けるような、眼差し。
 「しまった……これじゃあ、また勃起しちまうってばさ」
 俺は芯ができかけたナニを、ティッシュで拭って、大急ぎでトランクスとスェットを履き上げた。
 「うし!抜いてすっきりした事だし、寝よう。俺」
 明日も、早い。
 早く、起きて。
 早く、アルの身体を戻して。
 俺もの身体も戻して。
 
 そうして、生身の腕でアンタを抱き締めるんだ。
 
 遠く離れた、こんな場所でも俺は。
 こうやってアンタを思うよ?
 ロイ。

 だから、待っていて。
 絶対に帰るから。
 必ず、全てを取り戻して、アンタのところへ帰るから……さ。




                                                       END




 *男の一人上手って、こんな風なんですか?
   って、この手のことは個人差炸裂でしょう!
   そんな突込みを入れつつ、逆版も書いてみたい今日この頃です。




                                         前のページへ.メニューに戻る
                                             
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