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 「あんっつ!ああっつ!ひゅーっつ。ひゅうずっつ」
 「どーしたよ。可愛い声だしちまって、さ」
 「もっと、ゆっくり……!」
 「あに言ってんだ。ったくお子様に犯されまくってんだろ?これっくらい激しいのじゃねーと。
  我慢できんのだろうが」
 そんな事は無い。
 お子様が激しいなんて、ヒューズの思い込みに過ぎない。
 少なくとも鋼のは、私の反応を伺いながら。
 痛くないように、気持ち良い様にと、時間が無くても時間をかけて私の体を愛撫して、慣らし
てゆく。
 結局挿入まで間に合わなくて、お互いのナニを擦り付けて射精に至るケースもあるくらいだ。
 どれだけ、私を大切に思ってくれているか、わかるだろう?
 「ろーい?お子ちゃまの事、考えるのは後にしてくんね?今は、俺と、してんだろっつ」
 「やあっつ!」
 奥の奥、ヒューズの反り返ったナニでしか届かない場所を、容赦なく突き上げられて、腰が
逃げを打つ。
 ベッドヘッドに手をかけて、ずり上がろうとすれば手首を捕まれて、再度ヒューズの背中に縋
らせれた。
 「俺以外に、縋るなって、何時も言ってるだろうが!本当に学習力がない男だよ、お前は」
 じゅちゅじゅちゅと繋がっている部分が派手な音を立てているのは、気持ち良いからではな
くて、これ以上体が傷つかないようにと分泌されているモノのせいだ。
 「いい子で。俺だけを待ってれば、可愛がってもやるのにな」
 それは、嘘だ。
 ヒューズだけを思っていた結果が。
 グレイシアであり、エリシアなのだ。
 私はただの性欲処理人形のようなもの。
 グレイシアには決してできない、暴力的で変態じみたSEXを私相手にして、ヒューズは昔
からその欲望を満たし続けている。

 鋼のに、愛される前は。
 そんなもんだと思っていた。
 私みたいな歪な人間は、そんな風に扱われても仕方ないと考えていたのだ。
 馬鹿みたいに、ヒューズに盲目的な献身を注いでいた。

 結果。
 完全に鋼のだけのモノになってしまいたい私を無理やり抱く。
 以前は、私が必死に懇願したり。
 もしくは私の体調が悪かったり精神が病んでしまったりした時にしか、来なかったのに。
 今は、何のかんのと理由をつけては、東方司令部を訪れて、決まりごとの様に私をレイプ
していくのだ。

 「こんなに締め付けて、さ。エドのじゃ。足りないんだろう?大きさ」
 SEXにアレの大きさなんて関係あるのか?
 ヒューズのアレは平均程度で、鋼ののアレに比べれば、それは勿論大きいが、世間一般で
考えれば巨大というレベルでもない。
 碌な準備もせずに、中をこねくり回されて、必死に排泄感を堪えている人間に、快楽を求め
られても困る。
 「足りないのは、大きさじゃない…」
 「じゃ…何だってんだよ?」
 「さぁ。お前が考えろよ」
 「ったく、素直じゃねー。こんなに愛してやってるじゃないか」
 「愛?」
 さすがに、馬鹿らしくて、聞き返してしまった。
 この行為のどこに、愛があるというのだろうか。

 「……何だ、その意外そうな顔は。初めてお前とやった時から、ずっと言ってるだろうよ。『愛
  してるぜ』ってな」
 我侭な、奴。
 と、苦笑を形取ったキスが額に届く。
 以前は、こんな風に甘やかされるというか宥められるキスが嬉しかったものだけれど。
 今は、剥き出しにされた神経を撫ぜられるような、ぞっとする生理的な嫌悪感を覚えるだけだ。

 愛しているのも、鋼のだけ。
 抱かれたいのも、鋼のだけ。

 身勝手なヒューズの言い分に、どんな反論をしても無駄なのは経験上わかっていたので、
私は、体の力を抜いてヒューズが私の身体に飽きるのを待った。
 男は単純だ。
 射精さえすれば、もう相手に興味をなくす。
 そうでない男も勿論いるが、ヒューズはそういったタイプだ。
 私の中、何度言ってもサックをつけずに中出しが基本。
 妊娠しないんだから、サックなんざつける必要もないだろうと、嘲笑う。
 中出しは、後が辛いから止めてくれと言っても、最中がイイんだからそれぐらい我慢しろ。
 本来繋がるべきではない箇所は、どんなに綺麗にしていても不衛生だから、性病も怖いと
いえば。
 俺以外の誰かに犯られてやってんのかよ!と理不尽な嫉妬ときたもので。
 私の言葉なぞ、昔から聞いてはくれなかった。
 仕事に関しては、私が上官というのもあるだろうし、外聞を大事にする男だから、当たり前の
よう従順にして見せもするけれど。
 SEXに関しては、昔から。
 初めて抱かれた、犯された時から、絶対的な服従を強いてきた。
 綺麗で出来た妻も、可愛らしい娘も出来て、もう私なんか必要ないだろう?
 いらないだろう?と何度言っても同じ。
 何故俺が、自分のものを捨てなければならないんだ?俺の勝手だろう。と、訝しげに私を見
返すだけ。
 ……鋼のとの関係が知れるまでは、離れるような素振りも見せたし、別れを意味するあから
さまな表現さえ使ったというのに。
 使い古しの玩具でも、他に欲しがる人間がいれば惜しくなるとでも言うのか。
 「なぁ。ロイ。お前は何か、勘違いしてる。俺はお前を、愛しているんだぜ?」
 目を伏せて力を抜けば、何時だって、自分が射精するまでその快楽を追う為だけに腰を振る
ヒューズが、珍しく食い下がってくる。
 「その証拠に、グレイシアにもエリシアにもしない事をお前にしてる」
 そりゃお前。
 極々真っ当な性癖なのだろうグレイシアに、こんな事したら離婚必須だろうし。
ましてや娘相手にやったら近親相姦で重度のロリータコンプレックスと後ろ指刺されるだろうよ。
「どんな俺でも、受け入れてくれると思ってるから、するんだ」
 「……どんな、お前でも…か」
 「そうだ」
 鋼のを知る前までは、そんな傾向にもあった。




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