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 正直、堪らない。
 「あっつ!あああんっつ!ち、イイ」
 「凄いよね。こんなに小さいのに。立派な感覚器だ」
 押し込んだ乳首を、爪の先でだけ掘り起こされても、痛みは感じない。
 甘く、つきんと、切なさが込み上げてくるだけ。
 「ね、ぇ?ね……ぇ。ヴぁ、ん」
 「ヴァン?ああ!君しか呼ばないから。忘れてしまうところだったよ」
 ホムンクルス達からは、父上と呼ばれ。
 鋼のからは、ホーエンハイムと蔑むように叩き付けられ。
 アルフォンス君からは、父さん?と首を傾げられ。
 他の錬金術師仲間からは、光の、と敬愛される貴方を。
 ヴァンと、呼び捨てるのは、私だけ。
 「何だね?ロイ」
 「あの、ね。乳首だけ、じゃ。もぉ、や」
 「そうかなー。君の乳首はもっと弄ってって、こんなに可愛らしく染まっているじゃないか」
 舌先で転がされても、形変えないほどに、硬くなってしまった二箇所は。
 私の白い肌の上では、いやらしくも際立って見えた。
 
 「だって!」
 「ああ……感じすぎるのかな」
 「……やぁ……言わないで……くださ……」
 あまりの羞恥に涙すら浮かぶ。
 触れられるのは嬉しいのだけれど。
 淫らがましく喘ぐ自分が疎ましい。
 「何度だって言うよ。君が私の愛撫で感じてくれて。とろとろに蕩けてしまうんだってね」
 つんと尖った胸の飾りを、今度はちゅうちゅうと音を立てて吸われる。
 それがまた、赤子が母親のそれを吸うような熱心さなのだ。
 「も……やめてぇ」
 感じすぎて狂う。
 欲しがられているのだとわかって、それ以上に欲しくなって。
 無意識に身体を揺さ振ってしまう。
 「お願いっつ……します……ココ、触って」
 左側の乳首を思う様吸い上げて、右側の乳首は爪先でこねくり回してくる、その右手首を
掴んで。
 目をきつく閉じたまま自分の下肢まで引き摺り下ろす。
 手の甲が私の肉塊の先端を掠めて。
 「ひあっつ!」
 本当に、掠めただけなのに。
 十分猛っていた肉塊が大きく震えた。
 出して、しまう所だった。
 「……本当に君は、信じられないくらい愛らしい声を出すね。エドワートに聞かせてやったら、
  きっと君を見る目も変わるだろう。私の息子だ。君を嫌うはずはないのだから」
 「それ、だけは……やぁっつ……」
 憎まれ口を叩かれるくらいの関係でいい。
 軽蔑されたっていい。
 好かれてしまう、よりは。
 「鋼の、の目なんか、知らない……私は……貴方が見てくれ、れば。それ、でいいっつ!」
 貴方しかいない。
 他には何もいらない。
 ましてや、よりにもよって貴方の実の子供に好かれるなど。
 あっても面倒が起きるだけだ。
 「……ロイ?触って、欲しい」
 ホーエンハイムの声が一段と低くなる。
 怒っている風にも聞こえるが、これはホーエンハイムが興奮してきた証拠。
 「ええ……触れて、欲しい」
 頭を抱えるようにして、囁けば。
 私の唇を塞いだホーエンハイムは、いきなり指の腹で袋の裏を撫ぜ上げた。
 『だめぇ』
 口だけの抵抗すら、唇に吸い上げられて表にはでなかった。
 情けないことに、私は袋を撫ぜられただけで射精してしまったのだ。
 「駄目じゃないか、ロイ。私に飲ませてくれないと……」
 まだ余韻に震える唇を甘噛みしたと思ったら、ホーエンハイムは私の項垂れた肉塊を口の
中に収めてしまった。
 「やあっつ、許してっつ!許してっつ!ヴァっつ……ンっつ」
 いったばかりの肉塊から、更に搾り出すように啜られる刺激は快楽と拷問の紙一重。
 過ぎた快楽が人を狂わすのだと、私はこの人で思い知らされた。
 「お願いっつ、もう……吸わない、で……くださっつ……いっぃ」
 たふたふと袋を玩ばれて、幹に絡んだ指は下から上へ、上から下へと容赦なく擦られた。
 舌先で小さな穴を穿られて、意識が飛びかける。
 「や、怖いっつ……怖い……おかしく、なってちゃあ」
 「君がおかしくなる日なんて、きやしないよ。ほら。また勃起してきた」

 指摘を受けてそろそろと自分の下肢を眺めれば、ホーエンハイムは私の目に映り易いよ
うに、己の舌の上に私の肉塊を乗せて突き出すようにしている。
 ほんの数分前に項垂れたはずの肉塊は、硬く芯を持っており、既に先端から透明の液
体を滲ませていた。
 「『淫乱』と呼ばれる女性よりも君は、感じやすいね」
 嘲る風でもなく、むしろ褒める色すら乗せてホーエンハイムの愛撫は続けられる。
 性器と呼ばれる部分でも、僅かにずれただけで違う快感を呼び起こされるのだと、教え込ま
された。
 込み上げてくる射精感を耐えながら、色々な場所を決まった風に愛撫して欲しくて。
 私はますます、熱に浮かされた振りをして恥ずかしい言葉を紡ぐ。
 「根元の、指、外して……下さい」
 「君のおねだりは可愛いけれど、それは駄目だ。もう少し、ココを苛めたいんだ」
 「苛めて、欲しくは、ないですよ?」
 「こんなに勃起して、おつゆ垂らしてしまっては、説得力が無いって自分でもわかっている
 だろう」
 透明でさらさらとした液体は、気がつけばねっとりとした糸を引く粘液にと変わっている。
 続けた弄られればこれに、白濁した液体……つまりは精液が混じってくるのだ。
 いってしまった訳でもないのに、少しづつ放出してしまう。
 「根元を絞って焦らすと君は、本当にイイ顔ををするよ」
 鼻先に口付け。
 微かに鼻を突くのは己の精液の匂いだ。
 居た堪れないと言う表現は、こんな時にこそきっと使うもの。
 「でもっつ」
 「ロイ?オネダリはいつでも具体的に、って言っているよね」
 舌全体を使って先端を派手な嘗め音をさせながら、愛される。
 「あんっつう。ヴぁあんっつ。嘗め、ないで」
 「嘗めないで?」
 「先っぽ、指で擦り上げながら……ちゅうちゅうって吸ってっつ」
 自覚して幼い言葉を使う羞恥に、これ以上赤くはならないだろう顔に、更に血が上った。
 



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