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わたしは、パパがだいすき。
 しんでしまったから、にどとあえないのよ、って。
 ママがなきながらゆうけど。
 パパがわたしをおいて、とおくにいくはずがないっておもっていたの。

 でもね。
 ロイもママとおんなじことをゆうのよ?

 よくパパがしてくれたみたくね。
 わたしがだいすきな、ゆらゆらするおいすにすわって。
 だっこしてくれながらね。
 ゆうの。

 エリシア。
 もうヒューズには、にどとあえないんだよ。

 ロイがそういうのなら。
 ほんとうに、パパにはもうあえないのかなあ。
 
 パパがいっつもゆってたから。
 ロイはなんでもしってて。
 いつでもただしいんだ。
 まちがったことはゆわないんだよ。
 おめめをほそく、してね。
 おくちもにっこり、してね。
 ゆってたの。

 ロイ?

 ん。なんだい?

 パパにあいたいね。

 そう、だね。

 でも、もう、あえないんだよね。
 パパ、えーと。
 しんじゃったから?

 そう。
 しんじゃったらね。
 ……あえないんだ。
 どんなにか、あいたくても。

 パパみたく、おひげもしょりしょりしてなくて、
 つるつるのほっぺたをね、くっつけて。
 ロイがね、きゅって。
 してくれる。
 
 ……ああ、ひとつだけ。
 あるな。
 ヒューズにあえる、ほうほうが。

 ほうほう?

 そう。
 ひとつだけ。

 わたしに、できることなのかなあ。

 ざんねんながら、エリシアにはできない。
 ロイはできるの?

 できる。
 ……できるとおもう。
 すべてを、うしなってしまうだろうけれど。
 
 うしなうって、なあに。

 そうだね。
 ヒューズには、あえるけど。
 わたしには、あえなくなるということかな。

 え!ダメだよ。
 それはね、ロイだめなの!

 ……どうして?

 パパが、ゆってたから。
 ロイに、あえなくなったらいけないって。
 ゆってたの。
 えーとね。
 パパといっしょに、とおくへ、いったらいけないって。

 ヒューズが、そう……いっていたのか。
 そう、か。
 さきまわりをして、きみをつかってまで、ほけんをかけるなんて。
 ひどいおとこだな。

 パパは、ひどいおとこなの?

 そうはおもわないかな、エリシアは。
 わたしとエリシア、おかあさんも、おいていってしまった。

 うーん。でもね。
 ママ、ゆってたよ。
 おしごとだからね。
 しかたないのよって。
 あのひとも、きっとロイくんのためにいって、しあわせだったわ。
 って。
 ロイ?
 どうしたの、ロイ。
 どっか、いたいの?

 ほっぺが、つめたいなっておもったら。
 ロイが、ないてたの。
 ぽろぽろぽろぽろって、きれいな、おみずこぼして。
 なみだ、っていうんだよね?


 

                                                  


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