昨年暮れ、ついに中古でデジタル一眼を購入した。EOS10Dでずいぶん新機種の20Dと悩んだのですが、10万近い差は大きいので、今回は様子を見るためにも我慢した。あれほどEOS-1nの購入は悩んで我慢できていたのに、あっさり10Dを購入してしまった理由は、やはりCCDの関係で焦点距離が1.6倍に上がる特性を利用したかったからに他ならない。戦闘機の撮影を始めてからと言うもの、今までのテレコン付けて420ミリというレンズでも届かない世界にストレスを感じ、600ミリの購入を考えていたが、中古でも40万以上という価格に手が出せずにいた。それが10万ほどで可能になるわけであるから、買わない手はない。さらにテレコンで落ちる露出を、臨機応変にISOを変更できる気軽さもあり、私のイメージとしてはぴったりはまったわけである。やっと600ミリ超の世界を楽しめる。

　初めは試用してみようと、先輩の10Dを借りて百里基地に行ってみた。ところが先輩が充電器を入れてくれなかったおかげで、いきなりついてすぐからバッテリー不足にみまわれる。今までのカメラと違いこればかりは現地調達も出来ず、あきらめるしかない。さすがにこれにはまいった。バッテリーを暖めて休息させると少し復活するので、それでだましだまし撮影し、夕方まで持たせた。これはいい経験になり、バッテリーがなくてはただの重い箱ということを痛感した。以後バッテリーをオークションで落とし5本となったが、普段の撮影では2本/1日で十分のようだ。

　試用もいい感じで終わり。いよいよ購入の気持ちは固まった。10Dオークションで落とそうとしたが、なかなか人気があり希望の額で落とせない。中古屋も並行して回る。東京駅の地下に「きむらや」があってここに数台あったので交渉を進める。結局オークションでも価格がこなれてしまって上手くいかないので、年末商戦まで待つことも考えたが、欲しいと思うと我慢できない性格と、たま数がなくなるのが嫌だったのでここで決めてしまった。初期不良があると聞いていたので、製番の若いものは避け「81*******」のロッドにした。ここには保証3ヶ月の商品と、委託もので前述より1万円ほど安い保証なし商品があったが、「あとあとこの差が大きい。」と店員さんの言葉を珍しく素直に受けて保証ありを購入したのであるが、これがすぐに幸いすることになる。

　購入して初めは上手く撮れていたのであるが、小田急50000系ロマンスカー試運転を撮りに行った頃から異常が顕著になる。「Error99」と言うのが多発し、連写機能が効かないばかりか、最初のカットでさえ記録されないことがあるのだ。この手の初期不良はHPでも盛んに書き込まれていたので、いきなりやってしまったかと落ち込んだが、保証内であるからなんとかなおしてもらえるかと、撮影の帰りしなにサービスセンターに持ち込んだが、そんな時に限って全く症状が出なくなり、サービスセンターの職員にも軽くあしらわれて帰ることになる。とにかく症状はどんどん重くなり、大事な場面で記録できない事態が出てきたので、症状をビデオで記録し、年が明けるのをまってすぐ「きむらや」に持ち込む。修理は店でも言われた通り3週間も要し、この日々の長かったこと。すでに体はデジタル一眼なしでは居られない体になっていた。(^_^;)

　修理完了の連絡が来たときは本当に嬉しかった。「シャッターユニット交換」と記載されている。HPにあるような初期不良とは違ったのか、とにかく私にはちゃんと動いてくれればそれで良いわけで、今のところ10Dは快調に動いている。2ヶ月の使用で感じたことは、「やはり秒間3コマのモードラは遅くて物足りないなぁ・・・。」ということ。鉄道では下手すると決めのカットを撮り逃すので注意が必要だ。動態予測も私のEOS5よりも劇的に進化したはずであるが、やはりアウトカーブなどではアウトフォーカスすることがあるようで、やはりここぞと言うときには置きピンに切り替えて使っている。CCDに付くゴミの問題も初めはわからなかったが、先日初めて体験。確かにでっかく写り込む。画像処理で消せるとは言え、何か便利であるはずのデジタルにあって、納得できない問題点だ。さらに自分の中で消化できない問題が、データーの管理である。CD-Rでどんどん焼き混んでいるが、いざ使うとなったときそのカットにたどり着くのが、フイルムの時以上に困難を極める。大容量のHDで一括管理することを勧められるが、HDが数回落ちた経験のある私にとっては、安心できるメディアとは言えない。やはり数種のメディアにバックアップするしかなさそうだ。おまけに私のような古いマックでは管理ソフトは対応せず、機材の更新も検討しなくてはならなくなった。9.000円のG3を購入してみたが、今度はUSBカードを認識しない。J-USB Card SupportをいれてもOS9.2では認識しないのだ。OS8.6では認識するが、今度はこちらだとLAW現像するソフトが起動しない。もうがっくりである。先日700メガのG4が39.000円で出ていたのでよっぽど買おうと思ったのであるが、あれがチャンスだったのかもしれない・・・。でも70.000円くらいで今度はWindows自作パソコンにした方がいいかもしれない。2層式DVDいれて、あれこれ組むのも楽しいかもしれない。というよりDVDの焼ける環境が早く欲しいです。(+_+)

　

　まだまだ画質面では、フイルムにはかなわないと思うが、それを越えるほどの魅力をデジタル一眼は備えている。何よりこの超望遠世界をのぞける楽しみは素晴らしい。うねる列車は新鮮な角度で私に飛び込んでくる。画像をすぐ確認できる機能は、とても便利で使える。デジタル一眼は今モデルチェンジが激しいから、新機種が出れば古いモデルはどんどん値が下がるだろう。次は20Dを手に入れて秒間5コマで切りまくろうか。フイルム代を考えないスナップの世界は気楽で楽しい。スキャニングもいらないから、HP作成も楽チンだ。デジタルとの付き合いがこれからもっと楽しくなるだろう。お金もどんどんかかるだろうけど・・・。

（2005-2月記）