N.Sakamoto


「あぁ,憧れの安房森林軌道。」の巻。


趣旨:子供はまわりで泣いてるし、嫁さんは相手にしてくれないでSMAPに夢中。寂しい中年はふっと静けさをもとめたくなったのです。「そういやぁ、学生時代に訪ね回った専用線、どうなったろうなぁ。」そう思ったら屋久島行の飛行機に乗っておりました。久方振りに童心に帰って駆け回る屋久島の地は、雨にけぶりシャッター音も沈みがち。気象庁非公認、天下の雨男の安房森林軌道訪問記であります。

 <表題の「泡沫」(うたかた)とは水に浮かぶアワのことで、「はかなく消えやすいものの意」として使用 しています。>


・プロローグ

 木曽森にあこがれ、助六に思いをはせた学生時代、見ることのなかった森林鉄道が屋久島に生きていると知ったときの感動は今も忘れられない。しかし不定期ということと、その距離の遠いことで、なかなか赴くことが出来ず、いたずらに時は過ぎ、気がつけば20年近くの時間が過ぎ去ってしまった。最近はナローといえばことごとく消え去ってしまい、廃車体にカメラを向けるばかりの日々で、イライラがつのり始めていた。「生きているナローを撮りたい!それも加藤(KATO)や酒井(SKW)の生きているやつを!」そう思い始めた。そうしたら屋久島のことが気になり始めた。「一体今でも動いているのだろうか。」そういう不安を胸に、「だめでもともと・・・。」と言い聞かせるように、屋久島行の手配をはじめた。

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