BCL ラジオについて


 

 


病気のはじまり


 学生時代、BCLラジオが流行ったんですよね。SONYのスカイセンサー・Nationalのクーガーあたりが有名で、海外の放送局への憧れもさることながら、そのデザインがかっこよくてしびれた。でも値段も結構したので、僕は手にすることが出来なかった。あのころラジカセも大人気で、音楽も大好きだった自分は、とにかく歌を録音したかったので、ラジカセを選んだ。AIWAのデッキを購入してもらい、本当毎日、カセットにお気に入りの曲を詰めこむことに熱中したものだ。そのラジカセにも短波はついていたので、とにかくBCLラジオを更に購入することは、経済的にもあきらめざるをえなかった。

 会社に入り、会社の上司が深夜残業や休日出勤時に聴くラジオを持ち込んできた。それがSONYのスカイセンサー5900だった。私はこれが一番かっこよいと思っていた。そんな話をあるとき雑談で話すと、上司は譲ってあげるよと言ってくれたが、思い入れがある機材のようだったので、忍びなくあきらめた。そして時は再び流れる。よくカメラやパソコンのお下がりを譲り受ける先輩に、その話をすると、「じゃ、オレの買うか?」とあっさり言うではないか、灯台もと暗し、こんな所でスカイセンサーは私との出会いを待っていた。先輩の機材の使い方は丁寧なので、とても外観はきれいだった。でもBFOの調子が良くないことで、そろそろ売り時と思っていたらしい。とにかく手に入れたい私の思惑と、金額は10.000円で話がつき、30年ほどの歳月をかけて、私はスカイセンサーを手に入れた。感無量であった。

 

 

 

 

 

 これで終わるはずだったのだ。ラジオなんて何台有っても仕方がない。そう思っていた。ある時ネットを見ていたら、オークションにいっぱいアンティークラジオとして出ているのを見つけてしまったのである。そして、National プロシード2800という何ともかっこよいデザインの存在に気づいてしまうのである。こちらは当時でも49.800円したらしく、かなり高級。今でも30.000円台で取り引きされていた。それでもほしい。私は少し傷ありという、他のコレクターが手を出さないものでもいいと狙った。運良く15.000円で落札できた。傷はほとんど見えず、状態も良い。ラッキーであった。こちらはスカイセンサー5900と違い、ライトを点灯したままに出来るので、ムードがある。海外型と違いAM・FMがデジタル表示でないのは残念だが、何より音が良いのである。スカイセンサー5900に比べ、丸いふくらみのある音でとても好みだ。この2台で私の心はとても満たされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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