・屋久電のこと
もうひとつ気になるのが、苗畑から荒川を結ぶ屋久電の軌道ですが、残念ながら立入禁止であることと、沿道もないことから、今となってはまさに謎の軌道となっております。しかし、苗畑の車庫は見学させていただけるのでモーターカーや北陸重機のDLの見学は可能ですし、以前RM誌にて紹介されましたが、近くの松峰大橋へ抜ける道路からは、かろうじてこの軌道の走行撮影が可能であります。8:30頃出庫して夕方入庫する不定期運行のため、こちらも行ってみないことにははっきりしたことはわかりません。北陸重機のDLは以前は朱色だったようですが、現在はモーターカーと同じ黄色になっております。
・エピローグ
現像を終わってポジを見返していると、3日間中、酒井の動いたのがわずか1日。撮りきれなかったという心残りがぬぐいきれません。それでも今回の訪問でいまだ現役であったことはほんとに奇跡だと思えて、ありがたくてなりません。たった1日でしたが、ボロボロになって廃車かとも思った酒井が、キーをひねった瞬間から、雄々しいエンジン音を響かせ、急勾配に挑んで行く姿は、筆舌に尽くしがたい感動がありました。確かに現場の人に迷惑な事をする人には行って欲しくはない。でも私も他の人の訪問記に多くの情報をえたように、それが過去の物になる前に、多くの人に伝えておきたいと思いました。すでにここにしか存在しない風景。大げさなようですが、これは20世紀の生んだ奇跡なのです。
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