日本自然保護協会、泡瀬工事中止を要求
「藻場は壊滅的状況」
日本自然保護協会は十三日、沖縄市の泡瀬干潟埋め立てについて「移植地の海草藻場は壊滅的な状況にある。移植実験と機械化移植により二重の自然破壊が起きている」などとする調査結果をまとめ、内閣府と県に対し、埋め立て工事の中止などを求める意見書を提出した。
同協会が先月六、七の両日現地で行った調査報告によると、移植藻場と採取地は自然藻場に比べ、枯れた海草が堆積(たいせき)しているほか、移植先の海草も死滅したり流されたりするなどし、劣化していた。また機械化移植による大規模な底質(ていしつ)のかく乱で海草や生息動物に大きな影響を与えている、と指摘。
その上で、内閣府と県に対し(1)海草移植実験と工事の中止(2)市民参加で、モニタリング委員会(仮称)設置と科学的手法によるモニタリングの実施、海草藻場の復元(3)自然環境を生かした地域づくりを住民参加で検討し、合意形成を図る場を設ける―などを求めている。
環境省で会見した同協会の開発法子さんは「移植実験そのものが、事業になっている。実験は科学的データが示されておらず、納得いかない。沖縄だけでなく全国にこの状況を知らせたい」と話した。今後は、シンポジウムなどで同問題を訴えていく考えだ。
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