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泡瀬の干潟
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平成13年 第 4回 沖縄県議会(定例会) 第 5号 10月 3日
小渡亨(県議)
・・・・・・・・省略(泡瀬干潟埋立問題と関係ない発言は、カット!必要な方は、議事録参照)
 こんばんは。
 会議規則にのっとりまして手短に一般質問を行います。
    〔副議長退席、議長着席〕
 1、中城湾港泡瀬地区事業について。
 私は、11年前の平成2年に沖縄市議会議員に当選して以来、市議2期、県議2期と選挙戦を戦ってまいりました。その選挙戦に臨んで第1の有権者に対する公約は、この東部海浜開発事業、泡瀬地区事業の完成でありました。
 最近、にわかに出てきた「泡瀬干潟で遊ぶ会」や市民グループと言われる人々がこの事業の是非を問うということで沖縄市住民投票条例を提出しましたが、沖縄市議会の圧倒的な反対でこの条例案が否決されました。これにより沖縄市民の願いが早期着工にあることが示されたにもかかわらず、当初の予定であった8月着工が先送りされてしまいました。非常に不満であり残念であります。
 そこで質問です。
 (1)については十分に理解していますので答弁の必要はありません。
 (2)、クビレミドロはどうやって繁殖するのか解明されてもなく、また移植技術も確立されてないと言われております。環境監視・検討委員会が満足するような移植が不能となった場合にはこの事業は中止となりますか、答えてください。
 (3)、知事は、土地造成後の利用計画の見直しを着工もしてない8月24日に発言しております。この発言により事業推進派あるいは反対派それぞれが誤解を招いて混乱をさせております。あえてあの8月の時期に発言しなければならなかった知事の真意を説明してください。
 (4)点目、事業主体である国や県は、もう既に埋立工事等を発注し契約をしております。一つ一つの工事名と契約年月日、契約額、工事内容、その工期等を説明してください。
 また、その発注額は全体の何%になりますか、教えてください。
 (5)、事業がおくれると平成15年工期完了の新港地区に予定している特別自由貿易地域(FTZ)の利用も当然おくれてきます。この新港地区と泡瀬地区の事業は一体であると私は思いますが、知事の認識はどうですか。
 (6)、新港地区のしゅんせつが不能となった場合、既に新港地区で埋め立てた2次、3次の埋立事業が港としての機能が全くなくなりますが、その損失は工事費からして幾らになりますか。
 (7)、新港地区のしゅんせつ土砂の受け入れ先は泡瀬地区以外にどこが考えられますか、答えてください。
 (8)、8月着工を市民は期待しておりましたが、着工できなかったことは今までの準備事業あるいは準備段階に国や県は法的に誤りをしたのか、答えてください。
 (9)、この事業について沖縄市民の合意は得られていると知事は判断しますか。
 (10)、着工はいつになるのか、説明を求めます。

質問者は質問項目を分けるに当たり、推敲に推敲を重ねて最大公約数的に分けております。答弁に当たっては、質問者をばかにしたような質問項目を一括し、まとめた答弁はやめてもらいたい。お願いします。
稲嶺惠一(知事)
 小渡亨議員の御質問にお答えします。
 最初は中城湾港泡瀬地区事業について、知事が土地利用について発言した真意についてお答えいたします。
 8月24日の定例記者懇談会の際の発言は、記者から土地利用についての質問があったことから、土地利用については当初計画に固執せず、時代時代の経済情勢やニ−ズに整合させて柔軟に対応すべきであるとの基本認識を示したものであります。
 なお、現土地利用計画については、観光産業の動向や沖縄市の地域活性化策に沿ったものとなっていることから、現時点においては見直す考えはありません。
 次に、同じく中城湾港泡瀬地区事業について、新港地区と泡瀬地区は一体の事業と思うが、その見解はどうかについてお答えします。
 泡瀬地区については、本島中部圏東海岸地域の活性化を図ることを目的に、地元沖縄市を中心に環境保全策も含めて長年検討や調整が行われ今日に至っている事業であります。
 また、新港地区については、那覇港への港湾機能の過度の集中を是正し、県土の均衡ある発展を図る等の目的で流通加工港湾としての整備を進めているところであります。
 泡瀬地区埋立事業を実施するに当たっては、新港地区の航路整備により発生するしゅんせつ土砂を埋立資材として有効活用することによって経済的かつ効率的な事業推進が図られるものであり、新港地区事業と連携をとって進めることが重要と考えております。
土木建築部長(屋比久孟尚)
 中城湾港泡瀬地区事業について、環境監視・検討委員会が満足するクビレミドロの移植が不能な場合、工事は中止かどうかとの御質問にお答えいたします。
 県知事から事業者への中城湾港泡瀬地区の埋立承認書には、第U区域のうちクビレミドロが生育している箇所の事業の実施については、環境監視委員会の検討結果を踏まえることとの留意事項が付されております。
 このことから、クビレミドロが生育している箇所の工事着手にはクビレミドロの移植技術の開発が必要であります。このため、工事はクビレミドロが生育していない第T区域から施工していくこととしており、事業者においてはその間に環境監視・検討委員会の専門家等の指導・助言を得ながら移植実験や室内増殖技術開発試験を実施し、クビレミドロの移植技術の開発に努めていくこととしております。
 次に、国、県が契約済みの工事名と工事内容、契約額、工期と全体に対する割合はどうなっているかについてお答えいたします。
 中城湾港埋立事業については、平成12年12月19日に埋立承認及び免許を得ております。
 沖縄総合事務局における工事発注・契約状況は、中仕切り、余水吐き等の護岸工事で11件、約19億円、仮設道路や仮設桟橋等築造工事で8件、約15億円、合計19件で約34億円の工事が発注されております。
 これらの工事の工期は、おおむね平成13年3月から平成14年2月となっており、埋立事業費約489億円に対する発注済み工事の割合は7%となっております。県事業については、国の工事工程に整合させる必要があることから、国の工事の進捗状況を見てから着手時期を判断することとしており、現時点において工事は発注しておりません。
 次に、新港地区のしゅんせつが不能となった場合、その損失は工事費で幾らかについてお答えいたします。
 新港地区の第1次埋立区域約180ヘクタ−ルについては、平成5年度までに西埠頭の港湾施設や用地造成の整備も完了し、現在有効利用されております。
 第2次及び第3次埋立区域約213ヘクタ−ルの整備については平成5年度以降に取り組まれ、平成12年度までに約760億円が投入され、用地の埋立造成をほぼ完了し東埠頭の港湾施設の水深7.5メ−トル岸壁6バ−ス等が概成しております。今後、東埠頭のしゅんせつが不能となった場合は、これらの港湾施設が使用できないことや埋立地が有効活用されないことが想定されることから、そうした事態にならないよう取り組んでいきたいと考えております。
 次に、泡瀬地区以外にしゅんせつ土砂の受け入れ先としてどこが考えられるかについてお答えいたします。
 中城湾港新港地区の航路・泊地から発生するしゅんせつ土砂は、およそ710万立方メ−トルと大量で軟弱なシルト質となっており、その処分には広大な受け入れ場所を必要としております。このため、近傍の既存陸域には処分可能な敷地がなく、また海洋投棄については漁業権が設定されていることや、土砂の拡散による環境への影響が大きいことから適切ではないと考えております。したがって、受け入れ先として泡瀬地区が最も合理性にかなっていると思います。
 次に、予定した着工が遅延されたが、国、県は法的に誤ったのかについてお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区埋立事業については、平成12年12月19日に埋立承認及び免許を取得し、公有水面埋立法に基づき埋立願書に沿って事業を進めていくこととしております。
 当該事業を実施するに当たっては、環境への影響をできる限り低減するため藻場の移植を行うこととしております。これまでの実験結果から藻場の移植は可能であると判断しておりますが、本年7月31日に開催された環境監視・検討委員会において環境保全対策に万全を期するため、当面は機械化施工による広範囲な藻場の移植に取り組み、その結果を踏まえて総合的に判断した上で工事に着手することとなったことから、着工予定が当初計画よりおくれたものであります。
次に、泡瀬地区埋立事業について沖縄市民の合意は得られていると思うかについてお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区埋立事業については、地域の活性化と自立経済の発展に寄与するものとして地元の34市民団体や経済団体から成る「沖縄市東部海浜リゾ−ト開発推進協議会」から早期実現の強い要望があり、また沖縄市議会においては3度にわたり全会一致で整備促進の決議がなされております。
したがって、当該事業推進に対する地元の合意は得られているものと受けとめております。
 次に、着工の予定はいつかについてお答えいたします。
 中城湾港泡瀬地区埋立事業については、環境監視・検討委員会の意見を受けて機械化施工による広範囲な海藻移植に取り組んでいるところであります。護岸工事等の埋立工事への着工については、移植結果等について環境監視・検討委員会で検討を行い、その結果等を踏まえて総合的に判断していきたいと考えております。