平成13年 第 3回 沖縄県議会(定例会) 第 6号 6月26日 |
外間 久子(県議) |
・・・・・・・・省略(泡瀬干潟埋立問題と関係ない発言は、カット!必要な方は、議事録参照) 4つ目の柱として泡瀬の埋立問題です。
公共工事の削減が今政治の熱い焦点となっています。塩川財務大臣は、日米構造協議会で押しつけられた公共投資基本計画を見直すべきだと我が党の佐々木憲昭議員の要求に対して、趣旨には私も賛成と基本計画を見直す姿勢を示しました。小泉内閣が聖域を設けず見直すというなら、全国各地で批判が起こっております環境破壊の浪費型公共工事をきっぱりとやめることが避けて通れない課題となっています。環境破壊の浪費型公共事業を推進するというのであれば、これまでの自民党政治と何ら変わりはありません。これではむだな公共事業にメスを入れることはできません。この沖縄の宝である泡瀬干潟の埋め立てをやめ、子供や孫たちの将来のためにも豊かな泡瀬の海を財産として残そうというのがあの市民投票条例請求運動の盛り上がりに示されているのではないでしょうか。
改めて工事の中止を求める立場から質問をいたします。
(1)つ、公有水面埋立承認に関する意見への回答でも、クビレミドロのその生育が安定的に推移し得ると判断できるデータが十分ではないことを初め、屋慶名地区へ移植をした株を泡瀬地区で新たに創出する人工干潟へ再移植するにも、クビレミドロの生育に適した環境条件が安定的な維持を図るための考察は十分ではないというこういう調査結果を示しながら、あえて承認した真意は何ですか。
(2)つ、バックホーによる移植実験がこの3月に行われ、5月末には追跡調査を行いました。80%が活着したので移植実験は成功したと報告しておりますが、「環境監視・検討委員会」の野呂委員は、わずか2カ月後の調査で成功と判断するのはおかしいと。このような移植実験は学問的には前例がないと。四、五年後どうなっているかが大切であると。もともと生えていなかった場所では消滅するはず。このような移植はばくち的なものであると発言しています。
県の見解をお伺いします。
(3)つ目に、人工干潟をつくる予定の場所は現在どんな状況ですか。
(4)つ目に、埋立理由書によって全貌が明らかになりましたが、いかにあいまいな積算で、でたらめなものであるかが明白になったことであります。開発構想の中核をなすホテルが6施設1275室、滞在日数が平均5.27泊と設定し、沖縄への観光客が616万人、沖縄市には17万8000人、そのうち泡瀬地区で60%を推計していますが、いずれもバブル期の計画ですか。この計画どおり進めるのか。
教育・文化関連施設の整備ではどんな専門学校を考えていらっしゃいますか。
海洋文化施設の具体的な構想及び運営等はどこがやるのですか、答弁を求めます。 |
土木建築部長(屋比久孟尚) |
泡瀬埋立問題についての中の、クビレミドロのその生育が安定的に推移し得ると判断できるデータが十分ではない等の見解を持ちながら承認した真意は何かについてお答え申し上げます。
中城湾港泡瀬地区の埋立事業については、県文化環境部から、1つ、クビレミドロの移植技術確立のため調査を継続して行い、移植が技術的に可能と判断された後にクビレミドロが分布する区域の埋め立てに着手すること、2つには、トカゲハゼ等の干潟生物及びクビレミドロに適した環境条件を詳細に調査し人工干潟の環境条件を決定すること、3つ目に、調査等の結果については公表し、移植が技術的に可能であるとの判断については専門家等の意見を聞くとともに、文化環境部にも意見を聞いて行うこと等の意見が出されております。
当該意見に対する免許庁の判断としましては、1つには、クビレミドロについては事業者においてこれまで調査及び移植実験を行っており、屋慶名地区においても、またこれまで生育が確認されていなかった勝連地区においても活着と成長が確認されたとしており、移植が技術的に可能な段階であると判断されること、2つ目に、県文化環境部の意見に対しては移植について不確実性は否めないことから、その確実性を高めるため事業者において県文化環境部の意見に基づき引き続き移植技術の確立に向けて調査を実施することとしていること、3つ目に、また学識経験者、沖縄市、沖縄市民等により構成する「中城湾港泡瀬地区環境監視・検討委員会」を設置し、クビレミドロの移植や人工干潟の造成方法等について検討し、事業の実施に当たってはクビレミドロが生育していない第T区域を先に行い、第U区域のうちクビレミドロが生育している箇所の事業については県の文化環境部に環境保全上の意見を聞くこととしていること、 以上のことから県文化環境部の意見については事業者において適切に対応されるものと判断して承認したものであります。
次に、藻場の機械化移植について2カ月程度の実験で移植は成功と判断するのはおかしいとの意見に対する県の見解についてお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業においては、環境保全に配慮するため埋立区域内の被度50%以上の海藻・藻場については移植して保全することとしております。
沖縄総合事務局では、平成10年7月から移植予定地でこれまでの県内事例を参考にしながら移植実験を実施しており、移植した海藻は良好に生育しております。
移植は、水質、底質、潮流等を総合的に判断し、現況において海藻藻類の生育被度50%未満の場所に行うこととしております。また、沖縄総合事務局ではこれまでの実験結果を踏まえ、従来の人力移植にかわる大規模な移植工法について検討を行い、機械化施工による施工性等についての実験調査を平成13年3月から行っております。その結果、2カ月後には移植時の80%程度の株の活着が確認されております。
県としては、過去の他の事業による県内における移植事例や泡瀬地区でのこれまでの実験結果から移植は可能と考えております。
なお、沖縄総合事務局では引き続き調査を実施することとしており、専門家の指導・助言を得た上で移植が行われるものと考えております。
次に、人工干潟をつくる予定の場所は現在どんな状況かについてお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業では、トカゲハゼが生息可能な泥質性干潟が約150から200平方メ−トル程度と極めて限られていることから、その生息環境の拡大を図るため人工干潟を整備することとしております。人工干潟は、埋立区域の南西側の干潟に連続した浅海域に計画しており、既存陸側の干潟域と埋立地の間に位置することから、比較的静穏で潮流が現在よりも小さくなると予測される場所であるため中城湾港泡瀬地区港湾環境計画検討委員会で議論し、適地と判断しております。
また、人工干潟には埋め立てにより消失するクビレミドロの生育域に極力類似した環境を新たに創造し、クビレミドロを再移植して保全することも考えております。
次に、ホテルの計画はバブル期の計画なのか、この計画どおり実施するのか、またどんな専門学校を想定しているのか、海洋文化施設の具体的構想及び運営はどこがやるのかについてお答えいたします。
中城湾港泡瀬地区埋立事業におけるホテルの規模算定に用いている将来の入域観光客数については、バブル期後の平成7年までの実績を基礎として推計しております。ちなみに本県における観光客は、バブル期の平成元年の約270万人が平成11年は約460万人と順調に伸びていることから、現状においてもほぼ見込みどおりの入域観光客数となっております。
また、この入域観光客数は、平成12年の沖縄県振興開発審議会の専門委員会の中間取りまとめにおける将来の見通しと比べても大きな差がないことから現実的な見通しではないかと考えており、沖縄市を含む本島中部地区東海岸地域の活性化を図るため現計画に沿って事業を進めていく考えであります。
また、泡瀬地区においては、国際交流リゾ−ト、海洋性レクリエ−ション、情報・研究等の拠点としての機能の集積を目指していることから、これらの立地特性を活用した人材育成の場として情報系やリゾ−ト産業関連の専門学校用地を確保することとしております。
さらに、地元市民団体からの要請を受けて、かつて本地区にあった塩田等の地元にちなんだ歴史や文化を学習できるような海洋文化施設の用地を計画しているところであり、運営は地元市民団体を想定しております。
以上でございます。 |
外間 久子(県議) |
あと1つは泡瀬の問題ですけれども、先ほどちょっと土木建築部長はいろいろお話なさっていたんですが、1つには、文化環境部の方にちょっとお伺いしたいんですが、皆さん方は総合事務局に意見書を出していますよね。その中身を見ると、いろいろ不十分だということで意見を述べてやっているわけでしょう。その中で、先ほどの答弁の中にもあったように、土木建築部長が答弁したんですが、文化環境部としては本当にあれで環境を守れると考えていらっしゃるの。今工事をさせたら大丈夫だと思っているの。だから文化環境部長に今の質問を再度求めたいというのが1つです。
あと1つですけれども、理由書の中で616万人の観光客、それから700万の話も出てきて、5.74の宿泊日数も出てきているんですが、5.7という宿泊の日数は根拠はどこでやったんですか。企画開発部からもらった中間まとめによると、大変な状況と。公共投資の見通しもないと。経済の拡大も大変難しいと。そして観光客がこれから来るということも大変厳しいと、こういうことを企画開発部が出されている中間まとめの中ではこんなことをうたって、宿泊は4.7という数字を出しているんですよね、4.7。ところが皆さん方はあの理由書の中では5.7という宿泊の日数を出しているでしょう。この辺で数字がひとり歩きをしているんだけれども、どこが5.7というのを決めたんですか。県がかかわってこれはつくったの。これが1つ。
あと1つはクビレミドロの問題ですけれども、ハゼの問題ですが、部長は大丈夫だとおっしゃるけれども、人工干潟も同じようなところ、連続したところにつくるというわけでしょう。今ある人工干潟をつくるところはどんな土壌のところなのか、その辺もひとつ答弁していただきたい。
その中で同じ流れの中でハゼも入れる、クビレミドロも入れると、こんなことが可能なのか、これは専門家の意見を聞いてやったのかということ。
それからあと1つは、6月20日の沖縄北方問題特別委員会の中で、うちの小泉議員がやっているんですが、移植は未確立と環境省は言っているわけですよね。そんな中で1つには皆さん方、文化環境部は意見書を出しているんだけれども、位置検討委員会を踏まえてやると部長の答弁があったけれども、1つの事業の中なんだから1カ所で未確立だということが出されているんであれば、この事業を中止すべきじゃないかなと思うんですね。その辺の見解がどうなのかということ。
あと1つは、クビレミドロが室内での藻体の出現も卵を産むことも砂床も不成功していますでしょう。屋慶名では大丈夫と言うけれども、屋慶名というところよりむしろ勝連で成功しないことには難しい話でしょう。文化環境部にそれを聞きたいんですけれども、この辺がどうなのかということ。
また関連質問でやります。 |
土木建築部長(屋比久孟尚) |
外間久子議員の再質問にお答えいたします。
5.7ではなくて5.27宿泊日数の根拠ということがあるんですが、これは先ほども申し上げたんですが、平成7年のバブル期後のそういった県の状況等、推移等、平成7年を基本としてそういった推計をしたということになっております。
それから現クビレミドロの土質ですか、それにつきましてはクビレミドロが細砂質干潟、トカゲハゼが泥質干潟になっております。そういうことですから、その辺の現況の干潟を十分調査・研究して、人工干潟はそういった環境をつくっていくということで、今そういった実験あるいは研究等をやっているところだと思います。
それから特別委員会ですか、そこでは何か事例を出して中止すべきではないかということの話だったと思いますが、いずれにしましてもこういったクビレミドロ、トカゲハゼ等につきましては、事業者である総合事務局で現在移植実験等をしながらやっておりますので、今確かに県議がおっしゃるように成功したということまでは言えないんですが、一部成功しているところも見られるし、これからまた続けて移植実験等をやっていきますので、そういった対応でやっていきたいということで考えております。
それから、勝連で一部成功したということで先ほど答弁したと思いますが、これは事務局でやっているところから聞いて、そういった形で成功しているということで聞いておりますので、そういう形で御理解いただきたいと思います。今、実験をやっている当事者である沖縄総合事務局から聞いた限りでは、一部勝連の地先でも成功しているということを聞いております。 |
文化環境部長(永山政邦) |
クビレミドロにつきまして文化環境部長はどうチェックするかということでございますが、絶滅のおそれのある種として指定されております海藻クビレミドロでございますが、これは非常に大切なことだということで、公有水面埋立法に基づく手続の中で同種の移植が技術的に可能であるとの判断がされた後に、クビレミドロが分布する細砂質干潟の埋め立てに着手することとの関係部長の意見を述べております。また、その移植が技術的に可能であるとの判断に当たりましては文化環境部長の意見を聞くことになっておりまして、その際に十分チェックをしていくということでございます。 |
土木建築部長(屋比久孟尚) |
先ほども説明したかとは思うんですが、これはあくまでも推計。そういうことで、要するに平成7年度を基準にしてこれまでの伸び等を考えて、将来こういった形で伸びるでしょうということのあくまでも推計ですから、そういう形で御理解いただきたいと思います。
先ほども説明したんですが、観光の伸びとか、あるいはこれからいろんな形でそういった観光・リゾート産業を支援するようなインフラ整備等も十分私たちはやっていきたいということで、平成7年度で推計した時点の伸び等が、例えば平成11年度あるいは現在を見てもさほどそういった開きはないと考えておりますので、そういう形でできるんではないかと考えております。 |
外間 久子(県議) |
知事、今のことで宿泊の日数が全然違うわけですよね。やはり今出されているこれも推定なんですよ。部長も推定。そんな形で数字がばらばらでやっておいて、これで行政が成り立つのかなと思う。そういう点で知事のコメントを求めたいんです。こんな形で数字がでたらめなんだけれども、どうなさいますか。きちっとやはり釈明してほしいと思います。 |
土木建築部長(屋比久孟尚) |
外間議員の再々質問にお答えいたします。
外間議員から出された沖縄県振興開発審議会総合部会で出された4.74日につきましては、これはあくまでも中間報告ということで、これは最終的なまとめは平成13年度、ことしになりますが、そういう形でまとめる予定になっております。
それで、先ほども私が言いました5.27につきましては、先ほどからそういった形で推定しているということなんですが、その辺の数字の開き等はこれはまだ中間報告の段階ということになっておりますので、御理解いただきたいと思います。 |