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泡瀬の干潟
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平成12年 第 4回 沖縄県議会(定例会) 第 5号 12月12日
玉城ノブ子(県議)
・・・・・・・・省略(泡瀬干潟埋立問題と関係ない発言は、カット!必要な方は、議事録参照)
 次に、甲第21号議案平成13年度沖縄県中城湾港(泡瀬地区)臨海部土地造成事業特別会計予算に反対する討論を行います。
 中城湾港(泡瀬地区)の埋立計画は、国が175ヘクタール、県が10ヘクタールで185ヘクタールの埋め立てを437億円かけての事業となっています。埋め立て造成後、国の造成分を県が213億円で買い受け、そのうち70%は沖縄市に184億円で売却する事業計画であります。埋め立ての土地利用計画はホテル関連施設用地が37.3%、米軍が管理権を握る共同使用用地17.8%で、実に土地利用計画全体の55.5%がこれらの用地で占められています。
 県内ではしにせの東急ホテルが閉館され、地元泡瀬の隣接地の大型ホテル「グランメール」も倒産しています。また、全国的に土地開発公社の塩漬け土地の保有額が膨らみ、自治体の財政を圧迫していることが大問題になっています。県内でも同公社全体の保有額が895億2200万円で、5年以上経過しても事業化されてない土地は約4割に当たる363億2100万円に上っています。バブル期に計画された同事業であり、関係者からも企業が期待どおり進出するかという不安の声が上がっています。
 計画地一帯は、沖縄でも有数な干潟と藻場を抱えており、貴重な干潟保護の世論が大きく広がっています。中城湾沿岸漁協長会は、沖縄開発庁、沖縄県、沖縄市に対して、「中城湾は干潟や藻場が広がり、稚魚の育成場としても機能している優良漁場。埋め立ておよびしゅんせつによる影響に多くの漁業者が不安を抱いている。」との要望書を出しております。同干潟は、沖縄本島でシギ、チドリ類の最大の飛来地となっております。
 3月27日の参議院環境委員会で、泡瀬干潟の状況について川口環境大臣は、渡り鳥保全の観点から同干潟の重要性へ認識を示しております。泡瀬地区の埋め立て造成後30ヘクタールが米軍への提供用地として予定されております。県当局は、米軍との共同使用に対して通信施設の電波障害を起こさないような高さで建築物を制限して活用されると述べております。まさに米軍優先の共同使用であり、米軍基地の新設提供、基地の増強は明白であります。
 日本共産党は、採算の度外視、環境破壊の危険性など重大な欠陥が指摘されながら巨額な税金がつぎ込まれている公共事業について、欧米では当たり前になっている住民参加の事業評価制度を確立し、一定規模以上の公共事業を総点検することを提起しています。
 中城湾港(泡瀬地区)の埋立事業計画については、関係住民、環境保護団体などに事業内容を公開し、民主的な話し合いによる合意を得る最大限の努力を尽くすべきであります。
 我が党は、大型開発優先、自然破壊の開発の抜本的な見直しを強く求め、甲第21号議案に対する反対討論といたします。
嘉陽宗吉(県議)
 ただいま議題となっております甲第1号議案平成13年度沖縄県一般会計予算、甲第21号議案平成13年度沖縄県中城湾港(泡瀬地区)臨海部土地造成事業特別会計予算及び甲第22号議案平成13年度沖縄県病院事業会計予算に対し、原案に賛成する立場から討論を行います。

省略・・・・・・・・・・・・
 次に、甲第21号議案平成13年度沖縄県中城湾港(泡瀬地区)臨海部土地造成事業特別会計予算について申し上げます。
 中城湾港(泡瀬地区)埋立事業は、13万沖縄市民が完成を待ち望んできた事業であり、同事業により国際交流・リゾート関連施設、海洋性レクリエーション関連施設等が複合的に立地する中部圏東海岸地区に拠点地区が形成され、新たな雇用の場、誘客の場が確保されるとともに、余暇、文化、交流などの高い機能の集積が図られ、沖縄市を中心とする中部圏経済の活性化及び沖縄県の観光・リゾート産業の振興が図られるものと考えております。
 同事業の埋立計画につきましては、干潟等環境保全のため当初の計画を変更し、陸域から約200メートル離した出島方式とするなど、国や県は環境に対し最大の配慮を行っており、このことにより泡瀬地区の全干潟約266ヘクタールのうち埋め立てられるのは沖合の約49ヘクタールでありまして全体の約18%であり、干潟の多くが残るものであります。
 消失する藻場や干潟についても移植及び人工干潟を造成し、生物の生息環境を整備するなど環境保全措置が講じられております。
 また、埋め立てられる泡瀬通信施設に係る提供水域は、従来米軍が排他的に使用していた専用区域であり、埋め立てた土地の一部を共同使用することになりますが、米軍は泡瀬通信施設に対する電波障害を防止するため管理権を保有するものであり、具体的に米軍が使用するものではないことであります。したがって、実質的に新たな基地の提供につながるものではないと考えております。
議長(伊良皆吉)
 再開いたします。
 次に、甲第21号議案を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
議長(伊良皆吉)
 起立多数であります。
 よって、甲第21号議案は、委員長の報告のとおり可決されました。
議長(伊良皆吉)
 次に、甲第2号議案から甲第20号議案まで、甲第23号議案及び甲第24号議案の21件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案21件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(伊良皆吉)
御異議なしと認めます。
 よって、甲第2号議案から甲第20号議案まで、甲第23号議案及び甲第24号議案は、原案のとおり可決されました。
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