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泡瀬の干潟
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平成12年 第 4回 沖縄県議会(定例会) 第 5号 12月12日
玉城ノブ子(県議)
・・・・・・・・省略(泡瀬干潟埋立問題と関係ない発言は、カット!必要な方は、議事録参照)
 甲第34号議案に反対の立場を表明し討論を行います。
 中城湾港(泡瀬地区)臨海部土地造成事業の調査費として9月議会で840万円の予算が計上されました。
 補正予算の計上の段階で我が党は次のような問題点を指摘し事業の見直しを要求いたしました。
 中城湾港(泡瀬地区)で総額514億円、186ヘクタールに及ぶ埋立事業が国と県によって計画され、沖縄市も東部海浜開発計画の一体のものとして推進されようとしています。しかし埋立開発地区にある泡瀬干潟140ヘクタールは、沖縄本島内に現存する干潟の中では最大級であります。その沖には沖縄最大の海藻・藻場112ヘクタールも広がっております。ところが同開発によって干潟が70ヘクタール以上、藻場100ヘクタール以上が失われます。干潟は魚やエビ、カニの産卵場所であり、稚魚の育成場としても機能している優良漁場であり、干潟と藻場の消滅は水産業の衰滅にもつながります。また埋立総面積185ヘクタールのうち国が175ヘクタール、県が10ヘクタール埋め立てる計画であります。埋め立て後は県や市に有償譲渡され、4つのホテル、多目的広場、小型船舶用の埠頭、スポーツ・レクリエーション施設など一大リゾート拠点づくりとして計画されております。これらはいずれもバブル期につくられた計画であります。県内においても、しにせの東急ホテルが閉館を余儀なくされ、しかも地元泡瀬の隣接地にある大型ホテル・グランメールも倒産するなどホテル業界は大変厳しい状況下に置かれており、ホテル建設計画も具体的保証のない計画であると言わざるを得ません。全国で失敗し破綻している開発手法を繰り返そうとしていることを厳しく指摘をするものであります。
 さらに、同事業計画内にある米軍泡瀬通信基地の制限水域を解除し、埋立造成後に改めて米軍に土地を提供する動きもあり、埋立造成後は30ヘクタールが提供され、米軍と共同使用するというものであります。それは新たな米軍基地の提供であります。
 以上、さまざまな問題点を含んでいる泡瀬地区埋立事業については抜本的な見直しを行うこと、住民合意も得ないまま事業が進められようとしていることについて認めることはできないとの厳しい指摘を行ってまいりました。しかし県は関係住民との合意を得るための努力をしようとせずに、住民の意思を無視して事業を推進することは言語道断であります。
 自然環境保全の問題は国際的にも大きな世論となっております。今や自然環境との調和のとれた共存は、21世紀の地球的課題であります。
 よって我が党は、大型開発優先、自然破壊開発の根本的な見直しを強く求め、甲第34号議案に反対をいたします。
小渡 亨(県議)
 おはようございます。
 甲第34号議案平成12年度沖縄県中城湾港(泡瀬地区)臨海部土地造成事業特別会計補正予算(第1号)に賛成をする立場で討論を行います。
 私は、ただいま議題となっております泡瀬で生まれ、育ち、そして現在も住居を構え生活をしております。そして将来骨を埋めるのもこの泡瀬であります。自分のふるさと、生活をするところを大切に思わない人はいません。私にとって日本じゅうで一番大事なところはこの泡瀬であります。そして当該事業はこの泡瀬のためになると確信している一人であります。
 しかし今、にわかに出てきた泡瀬の干潟で遊ぶ会という組織や、市民グループと言われている人々がこの事業に共産党とともに反対を唱えております。
 私の美東小学校時代の遠足といえばアーシのハマー、この泡瀬海岸・干潟でありました。にわかづくりの遊ぶ会よりはるか以前からこの泡瀬干潟で遊んでいたものであります。
 そして重要なことは、この遊ぶ会のメンバーに私の小学校時代の同級生、先輩、後輩等は一人も加入してないということであります。泡瀬の干潟は、私たち泡瀬地区住民にとって共産党や反対している組織の方々が思っている以上に大切なものであります。旧暦のハマウイ(浜下り)の行事も毎年欠かさず地域の方々と実施をしております。
 反対をしている組織等のコメントでは、すべての干潟がなくなる、あるいは野鳥、トントンミーのすみかが失われるかのような報道がありますが、地元泡瀬地区住民は、この海岸線を守るためにさまざまな努力を重ね、干潟を守る努力をしてまいりました。
 平成元年の基本計画段階では、泡瀬半島の南側と接して陸つなぎの計画でありました。これでは自然の砂浜や砂州・干潟がなくなってしまう、干潟を残せ、自然の海岸線を残せという声を上げ、私も地域の方々と一緒になって当時の桑江市長に強く反対運動をしたものであります。
 しかし、反対を唱えるだけではどこかの市民グループと同じで無責任になってしまいますから、時間をかけて研究をしました。私も会員である泡瀬地区の市民グループである泡瀬ビジュル会という研究グループです。海岸線を完全に残し、干潟を極力さわらないようにするために陸域から150から200メートル離した人口島構想を市や関係団体に提言をしております。これが採用され現在の出島方式になっております。これにより泡瀬地区の全干潟266ヘクタールのうち埋め立てられるのは沖合近くの49ヘクタールで、全体の18%程度であります。これにより市民が歩いて潮干狩りのために行ける干潟はほとんど残ると言っても過言ではありません。干潟がなくなるという主張は明らかに誤りであります。
 しかし今、環境問題がクローズアップされ、誤解や偏見に満ちた記事が多くなって、県民は干潟が全部なくなってしまうような錯覚を受けていると私は思います。
 当事業は、沖縄市においては東部海浜開発事業と呼ばれ、市が振興発展するために現在進行中の中城湾港(新港地区)と連携をさせながら21世紀を展望し、市が宣言している国際文化観光都市を実現させる大型プロジェクトであります。構想策定から16年の歳月が流れました。故桑江元市長、新川秀清前市長、仲宗根正和現市長ともどもに保革の壁を超え事業実現に努力をし、厳しい市の財政難から10数億円もの単独市費を投入し市議会も全面的にバックアップした事業であります。
 現在、直接の事業は新港地区のFTZの関係からしゅんせつ土砂を利用する国や県の事業に移りましたが、13万沖縄市民が総意でもって進めている事業と言っても過言ではありません。そして市民は、一日も早い完成を一日千秋の思いで期待をしております。
 賢明なる議員諸兄の健全な判断を期待して賛成討論を終わります。
議長(伊良皆吉)
 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより甲第25号議案から甲第35号議案までの採決に入ります。
 議題のうち、まず甲第25号議案から甲第33号議案まで及び甲第35号議案の10件を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 ただいまの議案10件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(伊良皆吉)
 御異議なしと認めます。
 よって、甲第25号議案から甲第33号議案まで及び甲第35号議案は、原案のとおり可決されました。
糸数 慶子(県議)
 議長、休憩願います。
議長(伊良皆吉)
 休憩いたします。
   午前10時56分休憩
   午前10時56分再開
議長(伊良皆吉)
 再開いたします。
 次に、甲第34号議案を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
 お諮りいたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
議長(伊良皆吉)
 起立多数であります。
 よって、甲第34号議案は、委員長の報告のとおり可決されました。
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