三九郎(どんと焼き)
三九郎(どんと焼き)は小正月に行われる、
子供たちの大切な行事だ。
しめ縄や松飾り、ダルマなどを燃やし、
その火で焼いた繭玉(まゆだま)を食べると、
一年間、無病息災で過ごせるという。

繭玉を柳の枝に準備します。
繭玉は、米粉で作ります。
食紅で、色を付けるのだそうです。
柳の枝は、その辺に沢山あって、
良くしなるので、用いられます。

元は左義長と呼ばれる、
宮廷行事だったそうだ。
この辺りでは、それが道祖神の祭りと融合して、
現在の形になったのであろう。

松本地方では、三九郎と呼ばれる。
三九郎の語源については・・

●道祖神の祭りを統括する神主の、
 福間三九郎の名前にちなみ、
 三九郎と呼ばれるようになったと云う説。

●三九郎と呼ぶ、木製の人形を備えることから、
 人形の名に起因するという説。

●凶作・重税・疾病の三つの苦労=三九郎とする説。

●三本の柱を立てて、九段に横木を渡し、
 火を燃やす櫓を組むからという説。

●松本城を築いた石川氏時代の文書に、
 三九郎という人物が三人登場していることから、
 石川氏との関係が深いのではという説。

諸説入り乱れ、よく分かりませんでした。

燃え上がる三九郎
このしめ縄や松飾り、ダルマなどは、
子供たちが朝から、リヤカーを引っ張り、
家々を集めて回ります。

それを大人が手伝って、
よく燃えるように、竹などを組み合わせ、
組み上げるのです。

この火で書き初めを燃やすと、
字が上手くなるとも云われています。

また、竈(かまど)が各家庭にあった時代には、
この三九郎の焦げた柱を切りわけ、
家々に子供たちが売り歩きました。
これを竈に入れることにより、
一年間、火による災いがおこらないと云われました。

そして、火が治まってきたら、
繭玉を焼くのです。
子供たちは、顔色を変えて、
火に駆け寄って、われ先にと焼いていきます。

以前は1/15と決まっていた
小正月の昔ながらの行事。
政府の勝手な休日法により、
1/15に行われなくなってしまった。

1/15は小正月。
女性たちが正月の疲れを癒し、
「家事をしなくてもよい日」とされていたのに。

昔ながらの大切な風習を軽んじている、
現在のあり方に対し、私は少し悲しい。
 
 
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