麦秋(ばくしゅう)・麦の秋
【麦秋】 (ばくしゅう)
1.麦を取り入れる季節。初夏の頃。むぎあき。むぎのあき。夏の季語。
2.陰暦4月の異称。
 
麦は初冬に蒔かれ越冬し、
この時期に収穫の時を迎える。

折しも新緑の季節であるが、
麦だけは秋。いちめん黄金色に色づいている。
この二つの季節が同居したような雰囲気は、
異種の交わりと言った趣を呈する。
最近は麦畑も少なくなってしまったのでしょうか?
そんなちょっと懐かしい風景。
麦の秋。

昔の子供たちは、
背丈ほどもある麦の中を、
駆け回って遊んだ事でしょう。
東京を
知らぬ子ばかり
麦の秋

鈴木真砂女
気温が上がっていたので、
麦の匂いが、
より一層湧き立って来る。

むせかえるほどの麦秋の匂い。

故郷(ふるさと)でしか味わえない
この匂い。

懐かしさと郷愁が蘇る。
馬がをれば
麦秋の景
緊(し)まりしを

能村登四郎
全くだ。
麦秋の麦畑の脇を
馬を引いたお爺さんが
パッカパッカと歩いていたら、
どんなに素敵な景観だろう。

梅雨の晴れ間の一日。
懐かしい匂いが、
私を和ませてくれた。
 
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