白松(ハクショウ)
穂高神社の社務所と参集殿の間、
中庭にある珍しい一本の木。
白松(ハクショウ)という。

中国の北西部が原産。
中国では神聖な木とされ、
王宮や墳墓、寺院などに植栽されている。
樹皮は光沢のある淡灰色で、
葉は3針ずつつきます。
4月から5月ごろ、淡黄緑色の花を咲かせ、
球果は翌年の10月ごろに熟します。
昭和37年4月、天皇誕生日に当たり、
穂高神社より恒例の山葵を献上の際、
庭内の松枝を下敷きとして添えたところ、
図らずも陛下の御目にとまり、
再三御下問の末「これは白松である」
との御教示を賜った
この上ないお芽出たい松である。

この松の特徴は葉と幹にあって、
葉は三針、幹は虎皮松の別名の如く
茶褐色と緑色の斑点を現して居るが、
中国では防寒のために白色を呈する。
天皇陛下からご教示頂いた、
大変ありがたい松である。

神社では、天皇陛下からご教示頂くまでは、
珍しい松だとは思っていなかったらしい。
そこで調べたところ・・
白松の由来 
かつて中国旅順の粛忠王に永く仕えた後、
満州国の溥儀皇帝に内務官として近侍した、
穂高町出身の小平総治氏が、
中国紫禁城より種子を昭和6年に持ち帰った。

そしてその種子を彼の知人達に頒ち、
大切に育てる様に伝えておいたところ、
望月喜代美氏のものが唯一発芽成長し、
これが現在の白松となる。

その白松が穂高神社にある由縁は、
昭和15年11月皇紀2600年を奉祝し、
穂高神社が国幣小社に列格したことを祝い
望月氏が献木した。
以上のような、
由緒正しき松である事が、
判明したという。

紫禁城の松の子孫が
穂高で立派に成長しています。

高さ約10m。
ヒョロっとして、
冬だからか葉もあまり付いていない。
由緒がなければ、
直ぐに切られてしまいそうな
危うさがある。

妻は「有名な話だ」と言う。
この辺の人々には常識のようだ。
私は今回、初めて知った。

私の知らない事が、
安曇野には、
まだまだ沢山ありそうで、
なんだかワクワクとしてくる。
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