A. GENERAL WORKS

A イスラーム全般と一般史

神谷武夫

Hugh Kenedy
"An Historical Atlaas of Islam"

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回教概論 : 大川周明, 1942, 慶応書房, 21m-258pp. antique 1,400yen.
・ 日本最初のイスラーム概説書。 その半ばは五・一五事件に連座した獄中で書かれたという。 1991年に中公文庫の一冊になった。

イスラーム(回教): 蒲生礼一, 1958, 岩波新書, 230pp. 550yen.
・ やや古いが イスラーム全般についての入門書。

イスラム教入門 : 中村廣治郎, 1998, 岩波新書, 240pp. 640yen.
・ 宗教学の立場からの新しい入門書。 建築・芸術についての記述はない。

イスラーム : ポール・ランディ, 小杉泰監訳, 2004, ネコ・パブリッシング, Soft cover 26cm-190pp. 1,800yen.
・ サブ・タイトルに「この1冊でイスラームのすべてがわかる」とあるように、オールカラーの入門書。「現在のイスラーム諸国」のデータを 70ページにわたって載せる。

イスラームの歴史* : ジョン・エスポジト, 坂井定雄監修, 小田切勝子訳, 2005, 共同通信社, 3vols.
・ 16人の学者が分担執筆した、オクスフォード大学のイスラーム史 (1999) の翻訳を3巻本にした。 従来の編年式の通史ではなく、さまざまなテーマと地理圏ごとに歴史的に考察する論考集のような体裁をとる。 豊富な図版の多くがカラー。
 ・ 第1巻 新文明の淵源 : 22cm-350pp. 3,800yen.
 ・ 第2巻 拡大する帝国 : 22cm-320pp. 3,800yen.
 ・ 第3巻 改革と再生の時代 : 22cm-340pp. 3,800yen.

アラブの人々の歴史 : アルバート・ホーラーニー, 湯川武監訳, 阿久津正幸編訳, 2003, 第三書館, 22cm-600pp. 6,000yen.
・ アラビア語を使用する地域の、イスラームの勃興から現代までの歴史。

変わるイスラーム (源流・進展・未来) : レザー・アスラン, 白須英子訳, 2009, 藤原書店, 22cm-400pp. 4,800yen.
・ イラン生まれの若い宗教学者による、イスラームにおける「宗教改革現象」の起源から現代までの 興味深い詳論。

マホメットとアラブの大征服[世界大学選書29.]: F. ガブリエリ, 矢島文夫訳, 1971,平凡社, 19cm-310pp.

ムハンマドの生涯[知の再発見双書 110.]: アンヌ=マリ・デルカンブル, 後藤明監修, 小林修・高橋宏訳, 改訂新版 2003, 創元社, 18cm-180pp. 1,400yen.
・ カラー図版のたくさん入った コンパクトなムハンマド伝。

コーラン : 井筒俊彦訳, 1957, 岩波文庫, 3vols, each 300- 340pp. 570yen.
・ 美術や建築について直接述べている部分はないが、同じことを繰り返し倦むことなく語り続けた このムハンマドの語録を読んでいると、イスラーム建築の際限もない要素の繰り返しは ここに由来しているのではないかと思わせる。

コーラン入門 : リチャード・ベル, 医王秀行訳, 2003, 筑摩書房・ちくま学芸文庫, 15cm-530pp. 1,500yen.
・ 1953年に刊行された学問的なコーラン概説書の翻訳で、コーランは ムハンマドの生前から編集されていたことを明らかにしている。

ハディース(イスラーム伝承集成) : 牧野信也訳, 2001, 中央公論社・中公文庫, 6vols., Softcover 15cm-440 +500 +490 +470 +490 +570pp, each 1,600yen.
・『クルアーン』に次いでイスラームの聖典をなす、ムハンマドの言行録。 ブハーリー編纂に基づき、訳者の詳細・膨大な注をつける。

イスラムの神秘主義(スーフィズム入門): R.A.ニコルソン, 中村廣治郎訳, 1996, 平凡社ライブラリー, 16cm-250pp. 1,165yen.
・ 中世のイスラーム教の発展に重要な役割を果たしたスーフィズムの概説書。 1980年「オリエント選書」の 1冊として出版された訳書の改訂文庫化。 やや面白みに欠ける。

イスラーム教「異端」と「正統」の思想史 : 菊地達也, 2009, 講談社選書メチエ, Softcover 19cm-270pp. 1,700yen.
・ ムハンマド没後、イスラームの各宗派がいかにして形成されたか、その特質は何かを明らかにする。

シーア派(台頭するイスラーム少数派): 桜井啓子, 2006, 中公新書, 17.5cm-260pp. 820yen.
・ イランを中心とするシーア派の歴史と現状を 巧みに概説した書。

シーア派イスラーム(神話と歴史): 嶋本隆光, 2007, 京都大学学術出版会・学術選書, Softcover 19cm-240pp. 1,800yen.
・ イランのシーア派を、主として歴代イマームの歴史と教義の観点から叙述する。

THE WORLD OF ISLAM, Faith, People, Culture : Bernard Lewis (ed.), 1976, paperback ed. 1992, Thames and Hudson, London, A4-360pp. import 5,400yen.
多数の学者がそれぞれのテーマについて論じた イスラーム世界の案内書。 美術書のような豊富な図版を載せる。

オリエンタリズム : エドワード・サイード, 板垣雄三・杉田英明監修, 今沢紀子訳, 1986[テオリア叢書], 1993「平凡社ライブラリー」2vols. 16cm-460+470pp. 各 1,600yen.
・ ヨーロッパにおける偏見に満ちたアジア観をオリエンタリズムと呼び、それが歴史的に形成されてきた過程を詳細にたどり、現在になお受け継がれる思考体系を分析する 浩瀚な書。

イスラーム文化 : 井筒俊彦, 1981, 岩波文庫 1991, 230pp. 460yen.
・ イスラーム思想の碩学が イスラーム文化の根柢について一般向けに語った講演記録。

現代イスラーム世界論 : 小杉泰, 2006, 名古屋大学出版会, 21.5cm-900pp. 6,000yen.
・ 20年にわたって諸メディアに書かれた論文をテーマごとに整理して加筆した、中東を中心とする大部なイスラーム世界の研究書。

現代のイスラム (宗教と権力): 山内昌之, 1983, 朝日新聞社・朝日選書, softcover 19cm-330pp. 1,200円.

文明論としてのイスラーム : 山内昌之, 2002, 角川書店・角川選書, softcover 19cm-220pp. 1,400yen.
・ 雑誌に連載した イスラーム関連の時事的随想をまとめたもの。

イスラーム誤認 : 板垣雄三, 2003, 岩波書店, 19.5cm-290pp. 2,400yen.
・ 湾岸戦争以後、日本がイスラーム世界の認識を誤っていることを指摘するアクチュアルな論集。

イスラーム主義とは何か : 大塚和夫, 2004, 岩波新書, 17cm-230pp. 700yen.
・ 世の中で「イスラーム原理主義」と称される運動を著者は イスラーム主義 と呼び、エジプトの「ムスリム同胞団」などを検討しつつ解明する。

オサマ・ビン・ラディン 発言 : ブルース・ローレンス編, 鈴木主税・中島由華訳, 2006, 河出書房新社, 19.5cm-340pp. 2,600yen.
・ アメリカから 5,000万ドルの賞金を懸けられ、2011年に殺害されたイスラームの闘士の全公開書簡と声明、インタビューの記録。 その主張は、かつて欧米からの独立運動を戦った植民地の闘士のそれと似ている。

イスラーム世界の創造[東洋叢書13.]: 羽田正, 2005, 東京大学出版会, 19.5cm-340pp. 3,000yen.
・ 書名から想像されるのと違って、「イスラーム世界」という呼称を 地理的範囲を示す語として用いるのは 学問的に誤りである、という主張。

イスラームの国家と王権[世界歴史選書]: 佐藤次高, 2004, 岩波書店, 20cm-220pp. 2,600yen.

三大陸周遊記 : イブン・バットゥータ, 前嶋信次訳, 1961, 角川書店・角川文庫, 15cm-340pp. 570yen.
・ 14世紀モロッコ生まれのムスリム、イブン・バットゥータがペルシアからインド、中国まで大旅行をした時の記録。

大旅行記 : イブン・バットゥータ, イブン・ジュザイイ編, 家島彦一訳注, 1996-2002, 平凡社・東洋文庫, 8vols. 17.5cm-420 +450 +460 +480 +45 0+500 +370 +340pp. each 3,150yen.
・ 前掲書の全訳に詳細な訳注、資料、解説をつけた労作。

旅行記[関西大学東西学術研究所 訳注シリーズ 6.]: イブン・ジュバイル, 藤本勝次・池田修監訳, 1992, 関西大学東西学術研究所, 21.5cm-380pp. 6,500yen.(2009, 講談社・学術文庫版, 15cm-510pp. 1,450yen. )
・ 12世紀のスペイン生まれのムスリム、イブン・ジュバイルがメッカ巡礼をした時の紀行。

マカーマート(中世アラブの語り物): アル・ハリーリー, 堀内勝訳注, 2008-9, 平凡社・東洋文庫, 3vols. 17.5cm-430 +450 +410pp. each 3,360yen.
・ 12世紀のアラブ散文文学の傑作で、訳者の言う「騙しの長老アブー・ザイド行状記」。 イスラームに こんなピカレスク小説があったのは驚き。

イスラームの日常世界 : 片倉もとこ, 1991, 岩波新書, 17cm-230pp. 550yen.

神の棄てた裸体(イスラームの夜を歩く): 石井光太, 2007, 新潮社, 20cm-310pp. 1,500yen.
・ 若いノンフィクション作家がアジアのイスラーム底辺社会各地で生活して、売春婦などの性の世界をルポした衝撃の書。

THE BAZAAR, Markets and Merchants of the Islamic World : Walter M. Weiss, 1994, Thames & Hudson, London, 32.5cm-250pp. antique 3,800yen.
イスラーム世界のバーザールとその商業活動を紹介する書。 オールカラーの写真集のような体裁だが、建築的ではない。

-> L-21 THE PERSIAN BAZAAR : Mehdi Khansari & Minouch Yavari, 1993, Washington

浴場から見たイスラーム文化[世界史リブレット18.]: 杉田英明, 1999, 山川出版社, ソフトカバー 21cm-84pp. 730yen.

HAMMAMS, Les Bains Magiciens : Pascal Meunier & Samara Boustani, 2000, Dakota Edi-tions, Paris, 29 x 27cm-130pp. 4,500yen.
建築書ではないが、実際に用いられている ハンマームの写真集。

日本のムスリム社会 : 桜井啓子, 2003, 筑摩書房 ちくま新書, 17cm-230pp. 720円

イスラーム世界研究マニュアル : 小杉泰・林佳世子・東長靖編, 2008, 名古屋大学出版会, 21cm-560pp. 3,800円.


ATLAS

イスラム世界[図説世界文化地理大百科]: フランシス・ロビンスン, 板垣雄三監訳, 1988, 朝倉書店, 31cm-240pp. 22,000yen.
・ ATLAS OF THE ISLAMIC WORLD の翻訳だが 単なる歴史地図集ではなく、西洋人にイスラーム文化をわかりやすく図解して伝えようとしたヴィジュアルな大型本。 主に 16世紀以後を扱っている。

HISTORICAL ATLAS OF ISLAM : Malise Ruthven with Azim Nanji, 2004, Harvard Uni-versit;y Press, Cambridge, 29cm-210pp. 3,350yen.
イスラーム世界のオールカラーの歴史地図帳だが、地図はやや簡略化され、むしろ本文と読み合わせて理解させる編集。

HISTORICAL ATLAS OF THE ISLAMIC WORLD : David Nicolle, 2003, Nercury Books, London, 30cm-190pp. 2,600yen.
地図よりもたくさんのカラー写真を載せ、見開きごとに歴史上の1項目ずつ解説する書。

AN HISTORICAL ATLAS OF ISLAM : Hugh Kennedy, 2nd ed. 2002, Brill, Leiden, 37.5cm-106pp. 41,000yen. (sample page)
イスラーム世界の最も正統的な歴史地図帳。 大型ページに時代、地域ごとの地形図を載せ、地名、交通路、勢力範囲を書き込んだオールカラーの地図集で、解説は巻頭に英仏 2ヵ国語でまとめている。 1981年の WILLIAM C. BRICEによる初版の 大幅な改訂増補版。 付録に、全ページを収めたCDをつけるが、すでにウィンドウズXPとは相性が悪くなっている。 E.J. Brill の出版だけに高価。

DICTIONARY

イスラム事典 : 日本イスラム協会監修, 1982, 平凡社, 18.5cm-500pp. 3,400yen.
・ 我が国のイスラム関係研究者たちの総力をあげて編集・執筆した総合事典。 建築関係の項目は多くないが、その背景となる宗教や文化の理解のためには必携。 2002年に大幅な増補改訂版、「新イスラム事典」が出版された。660pp. 4,000yen.

岩波イスラーム辞典 : 大塚和夫・小杉泰・小松久男・東長靖・羽田正・山内昌之編, 2002, 岩波書店, 19cm-1,250pp. 7,800yen.
・ 上掲事典の20年後に出版された、最も詳しいイスラーム辞典。 その間の日本におけるイスラーム学の水準の著しい発展を示し、用語表記の標準となっていくだろう。

イスラームの生活を知る事典:塩尻和子・池田美佐子, 2004, 東京堂出版, 19.5cm-295pp. 2,500yen.
・ アカデミックな書ではわかりにくい具体的なイスラーム文化を平易に紹介する、大項目の読む事典。

イスラームの常識がわかる小事典 : 鈴木紘司, 2004, PHP研究所・PHP新書, 17cm-230pp. 720yen.
・ 事典と題しているが、イスラーム全般の入門的概説書。

イスラーム教を知る事典 : 渥美堅持, 1999, 東京堂出版, 20cm-340pp. 2,600yen.

イスラーム世界事典 : 片倉もとこ編, 2002, 明石書店, 22cm-470pp. 2,900yen.

-> B-31. DICTIONARY OF ISLAMIC ARCHITECTURE : Andrew Petersen, 1996, London
-> B-32 THE GROVE ENCYCLOPEDIA OF ISLAMIC ART AND ARCHITECTURE : Jonathan M. Bloom & Sheila S. Blair (eds.), 2009, Oxford University Press
-> M-6. JHAROKHA, An Illustrated Glossary of Indo-Muslim Architecture : R. Nath, 1986


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