On-Board Air その4


 仕事の方が忙しく前回の更新からかなりの期間(6ヶ月)が空いてしまったが、今回は続編として配管等の周辺機器の設置と動作テスト編。



●周辺機器の設置

 コンプレッサーを設置する場合、コンプレッサー本体と合わせ頭を悩ますのが(って悩むようなことする人もいないか…)エアタンクの設置。タイヤにエアを入れるだけであれば必要ないが、インパクトなど大量のエアを必要とする工具を使う場合にはエアタンクが必要となる。当初の目論み通りフレームのパイプを利用することとしてざっと計算してみると、
  • 第四メンバー  内径:70mm 長さ:1000mm  約3.3リットル
  • 第五メンバー  内径:50mm 長さ:1000mm  約1.5リットル
  • リヤバンパー  内径:70mm 長さ:1500mm  約5.7リットル
 ってことで、約10リットル程度の容量は確保できる。


 例によって、鉄板でフタを製作する。


 きれ〜に溶接したつもりが高圧エアをかけてみるとエア漏れが…。ギュポ片手にエア漏れとの戦い! 結構大変ですぅ…。


 何と、メンバーのセンターにも小さな穴が…。PTタップ切ってプラグでフタをする。


 リヤバンパーもギュポ片手にエア漏れ対策。結局、1日仕事となってしまった。エアホーン用のタンクを買った方が早かったカモ…。(^ ^;;)


 タンクの製作が終わったら配管作業を行う。配管はホームセンターで売っている汎用のウレタンホースや継ぎ手を使用した。写真は左から、圧力スイッチの取り出し口、セーフティーバルブ、ワンタッチ・カプラー、チェックバルブ(逆流防止)、ミスト分離用エアフィルター。


 コンプレッサーの吸気側にはエアフィルターが必要となるが、別に設置するのはムダなのでエアクリナーを通ったエアを戴くことにした。


 配管まで完了したらコンプレッサーにオイルを入れる。オイルは汎用のエンジンオイルでも潤滑の観点では問題ないと思うが、シール関連が食われる恐れもあるので冷却機器用のSUNISOオイルを使用した。因みに、入れたオイルの量は規定の423ml。


 レベルゲージも製作してみた。(自転車のスポークっす)


 圧力スイッチはコインホルダー(?)を利用して取り付けた。右のスイッチがコンプレッサーのメインスイッチ。


 圧力スイッチの出力ではコンプレッサーのクラッチを直接ドライブすることはできなかったので、リレーを介すことにした。


 ノイズフィルターのケースに入れて完成。


 コンプレッサーがONになった際に1500rpm程度アイドルアップをさせたいので、以前製作したアイドルアップスイッチの配線に圧力スイッチからの出力を接続。接続は、以前やった要領で回転数設定用の抵抗を追加で用意し、コンプレッサーからの出力でリレーを介してON/OFFを行う形とした(回路図は作図ツールが無いので今回はパス)。工事は大仕事となってしまった。



●テスト

 アイドリング状態でコンプレッサーのスイッチON〜!!! 予定通りアイドルアップして結構良い調子でエアが貯まる。


  結構調子良いカモ〜!


 試しに、アクセルを煽るとエアがどんどん貯まる。


  かなり調子良いですぅ〜!


 インパクト、エアダスター、空気入れなどのエアツールも使ってみたが全く問題なし! 
 す、素晴らしい…!
 で、念のためエアの質をチェックすると若干のオイルミストの混入が…。

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 エアフィルタをチェックすると、かなりの量のオイルが貯まっている。エンジンの回転数を上げると、それに比例してトラップされるオイルの量が増える。


 フィルター容量が小さい過ぎたか…。


 早速、一回り大きな適当なフィルターを探した結果、コガネイのフィルターが価格も安くWebでも注文できるのでなかなか便利。F300 02-F1(濾過度5μm)を購入した。


 また、オイルが貯まった際にオイルの排出とコンプレッサーへの補給がめんどくさいので、貯まったオイルをコンプレッサーに戻せないだろうか考えた。フィルターにトラップされたオイルは水も混ざっているので、試しにSUNISOオイルと水を混ぜて暫く放置してみた。

 結果、水にも多少オイルの成分(?)らしきものが溶け出すが上澄みは使えそう…。


 フィルターのカップに排水用のタケノコを付け、コックによって排水とコンプレッサーへのリターンに使い分けられれば実用的カモ…。


 で、こんな形となりました。一方は排水用でもう一方はリターン用。


 設置したところ。


 オイルのリターンはこんな感じ。コックを開けると空気圧で貯まったオイルが戻される。


 フィルターの様子。排水はそのまま真下へ。


 排水用のバルブ。フロントバンパーのステーにタイラップで固定。



●再テストしたが…

 これで完璧だ〜! と思い早速テスト!
 が、しか〜し! 未だエアにオイルが混入する!!!

 近所の空圧機器屋に聞くと、混入したオイルの分離は難しいとのこと。う〜ん、困った!

 ミストフィルタ(濾過度0.3μm)やマイクロミストフィルタ(濾過度0.01μm)といった製品もあるようなので、そちらを使えないかコガネイの技術に問い合わせたところ、ね詰まりを起こすので必ずエアフィルタ → ミストフィルタ → マイクロミストフィルタを併用せよとのこと。また、今回のケースではドレンフィルターが良いのではないか? とのこと。で、改めてDF300-02を購入。無駄な出費をしてしまった!


 さて、もう一つ気になったのがオイルの量。入れた量はマニュアルからすると規定量だと思うが、クランクケースの大きさからして何となく多い感じ…。また、横置きでの設置も可能という事は、クランクケースのオイルがエア(ピストン、ヘッド)に回り込むことは基本的には無いハズ…。そう考えると、入れたオイルの量が大過ぎということも考えられる。因みに、Yorkを購入したエアコン屋のオヤジに聞いたところ、オイルの量は350mlとのこと。Kilby Enterprisesでも10W30のオイルを8〜10オンス(約300ml弱)で良いとのことなので(あまり信用できないが)、オイルの量も減らすことにした。

 オイルを抜いたところ。ちょっと汚れている。400mlちょっと入っているので1/4捨てる。


 さて、改めての再テスト!

 う〜ん! バッチリ! バッチリ!

 オイルの混入も殆ど無く、これなら掃除などにも使える。アクセルを煽ってみてもオイルの混入は無く、コンプレッサー自体の回転数は6000rpmまでOKなので急にエアが必要な時にも重宝する。これならアイドルアップを可変にすれば更に便利そうだが、今回はめんどくさいのでこれで完成とした。
 因みに、エア圧は任意に設定可能で、7.5Kg/cm2でスイッチON、9.5Kg/cm2でスイッチOFFの設定とした。




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