ラテラルダウン・ブラケット


 サス TRAC編でも書いているが、リフトアップによる尻振り現象が多少気になっていた。高速道路は全然問題ないが、街中は意外と路面のうねりが多く、交差点でのフル・ブレーキング時などお尻が出ていくのが分かる。(ま、ゆっくり走れば良いんだけどね…) TRACサスの出来が予想以上に(街乗りでも普通に使えるという意味で)良かったので、ここはひとつ何とかしたい。で、色々と考えてみた。


●尻振り現象

 下の図を見て欲しい。タイヤは32スワンパ@バイアスである。(34はパターンを書くのが大変だった! 説明にはカンケ〜ないけど…) 見れば一目瞭然であるが、静止状態でラレラルが傾いている場合は、足の伸び縮みによってアクスルが片方向に移動する傾向が見られる。当然、ノーマルでもアクスルの移動は発生するが、ノーマル(=ラテラルは水平)のアクスルの移動量はリフトアップした場合に比べ半分で済む計算となる。交差点でのブレーキング〜ステアまでの一連の動作や橋の段差など、街乗りでは意外と路面の凹凸が多く尻振り現象を確認することが出来る。

 こちらがノーマル状態の図

 こちらが3インチアップの図



●対策

 さて、対策の方だが、基本的にはラテラルのアンカー位置をノーマルの位置まで下げるのが簡単だと思う。但し、以下のような点が懸念される。

 ● オフロードでラテラルをヒットし易くなる。
 ● ラテラルの位置決めをしているフレーム側アンカーの強化が必要になる。

 オフロードでのヒットは、燃料タンクやデフ等があるため、そちらが先にヒットするのでラテラルへの直撃はあまり気にしなくて良いようだ。問題は後者である。こちらの方は、アンカーを下げる(=延長)した分、アンカーにかかる横方向の力が大きくなるため、ノーマルのアンカーでは強度不足となる。アンカーが強度不足になると後輪がグラグラした感じになり剛性感がなくなり、最悪、破断も考えられる。これは危険だ!

 が、しか〜し、実は、隊長のUBSが既にオリジナルのラテラルダウンを行っており、「スパナくん」「ハンマーくん」といった工具満載でクロカンをしている事を考えると、とりあえずノーマルのアンカーでも強度は出ているようだ。従って、このラテラルダウンも隊長のパクリである。人柱となった隊長に感謝! 感謝! この実例が無ければ、アンカー自体の強化を考えていただろうし、このブラケット作成自体も無かっただろう。因みに、下げ量は80mm。

 下が隊長のラテラルダウンブラケット@ボルトオン風溶接! スタビダウン、バンプストッパーダウンの様子も見える。(この写真は、HP用にわざわざ撮影して頂いた。感謝!)



●試作

 最初にTRACから試作で上がってきたのがコレ。ノーマルの穴を利用して貫通ボルト+ボルト・ナットで止めるタイプだ。上と下の穴位置が近いため不安を感じつつも早速テストをしてみた。

 色々と負荷をかけてみる。

 結果は、街乗り1週間(通勤)でボルトが緩んできた。外してみると、アンカーのボルトが当たる部分が気持ち盛り上がり、かなりヤバイ! 予想通りで、こりゃ〜ダメだ! 安全とコストを天秤にかけてはいけません!!
 因みに、隊長のも当初はボルトオンだそうで、緩んできたので溶接してしまったとのこと。
みんなで検討中!

 で、色々検討した結果、次に製作したのがコレ。貫通ボルトをやめて、ボルト・ナット+プレートでノーマルのアンカーをサンドイッチする形式とした。ワッシャも専用に製作した。製作には、MagicBeetのまぁ坊氏にもお手伝い頂いた。感謝! 感謝!

 こちらがノーマル状態
結構上がっているラテラル

 こちらが装着状態。ラテラルは水平。

 調整式ラテラル@自作はお蔵入り



●テスト

 早速、テストしてみる。街乗り、クロカンともまずまず。街乗りでは、ギャップでの尻振りも無くなってビシッと決まる。(ウレシ〜) クロカンの方も、この状態で滝に行ったりしたが問題無いようである。これなら、米500Kg積んでも問題無さそうだ。因みに、ボクの延長量は65mm程度。これ以上伸ばすとどうなるかは不明。この状態で数ヶ月使用しているが、今のところ緩みや不具合等は無い。
 

<これを取り付けようなどという奇特な方へのアドバイス>

 アンカーをサンドイッチするプレートは表裏とも真っ直ぐになっていますが、アンカー自体は途中で5度曲がっています。そのままボルトで締め込んでも付きますが、接地面積の観点から、裏側のプレートは現物合わせでを多少曲げて(万力やドブの蓋の隙間などで)取り付けるとGood!です。

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