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2009年03月04日(水):「あんずらしい命日
2009年03月10日(火):「ときどき、ふと、鈴音のこと(つぶやき)
2009年03月13日(金):「
越生梅林

2009年03月13日(金)

越生梅林

02月末ごろ、私はひとりで河津桜を見に行きました。本当はみんなで行く予定だったんですけどね。じゃあ、梅でも見に行くかとなりまして、武蔵嵐山の森林公園にはドッグランもあっていいんだけど、他のところも行ってみたいなあ、と。

「越生(おごせ)梅林」はいかがでせう?ネットで調べると犬も入れるみたいだし(水戸の偕楽園なんかはだめなんですよね)、ついでに「黒山三滝」にも行こうよ。これは楽しみ。おべんとうにお寿司をもって行きました。

関越に入るまでの渋滞がありましたが、「鶴ケ島IC」で下りてあっという間に梅林へ。もっと混雑しているのかなと思っていたのですが、駐車場(400円)はがらがらしていて、人もまばらでした。土日じゃないからかもね。

入園料は200円です。画像を見ると分かりますが、商業化されていない感じで素朴なところでした。敷地もそんなに広くないので、ゆっくり過ごす場所ではないかなと思いました。でも、駐車場の男性も、入口のキップ売り場の女性も感じよかったからよかった。

人はほとんどいませんでした ←歩道が作られているが
気をつけないと
梅の枝が頭に刺さる

梅は古木になると
ねじれるんだそう
(幹そのものもねじれる)
樹齢600年の梅があった

梅を見るというのは、静かな儀式

越辺(おっぺ)川の土手は自由に歩けます。

あんまりきれいな川ではなかったかな 大きな梅の木は
桜のように見える
梅もとても控えめな花だ

角度なのか
すずがつばめみたいに
見える

鮮やかな赤 あまりに控えめなので
近くに寄らないと
ぼんやりしている梅の花

←まさに紅の梅

桃色の梅→

この木はほぼ満開

すずにしてみると、こういう散歩はあまり面白くないらしいです。「梅ソフトはないのかな」と探しましたが、どの売店にもソフトの文字なし。夜店の屋台のようなのがいくつかと、ちょっとした食事ができるようなところが一ヶ所ありました。

なんか、つまんなーい 敷地が狭いと
なんとなく
ぶらぶらする
感じになって
散歩としては
足りない感じ

梅 林真中あたりに展望台がありました。木製で結構高かったです。階段には踊り場があって、90度くらいぐるりと曲がっています。すずと一緒に上ろうとしまし たが、必死の様子で数段上がったところで、つれあいが止めようと言いました(あと、もう少しで踊場だったのに)。すずはころげ落ちるようにして地面に着 地。ちょっと危ない感じでした。まわりの人が何となく笑っているのを感じました。「大きな犬なのに恐いのね」ってことでしょうか。そう、階段に隙間があっ たり、まわりが見えるような柵になっていたり、狭かったりするとだめなんですよね。「小さい子って抱いて上がれるからいいよね」とつれあい。

本当はすずと一緒に撮るんだったのに 展望台からの梅林
紅白の色がきれい

これくらいの高さ→
「すずー!」と呼ぶと
顔を上げた

すずの恐がり
なんか、ティッシュで作った花を思い出した(時代が・・・) ←これも桃色
遠くからだと
色が濃いほうが
きれいに見える

こちらは白梅→
白い梅なら
近くで見たほうが
繊細さが分かる

やけにまっすぐな枝

小1時間歩いたでしょうか。私はここいらで花見でおべんとうと思ったのですが、つれあいは滝のところで食べようと言います。

「梅ソフトは?」「今回はないの」 お土産屋さんを
のぞいている間
つれあいは
梅を見に来た人たちと
犬談義をしていた

お土産屋さんをちらりと見て(お饅頭は1個単位で売ってほしいな)、「黒山三滝」に向かいました。道沿いには梅の林がちらほらと。

地 図でも見たんです。ネットでも確認して。それでナビで検索して行ったのに。行けども行けども駐車場がありません。滝への道しるべはあるのですが、車が止め られるような場所がない。しかたなく狭い山道をUターンしたのですが、何かおかしな感じ。つれあいが「何か変だから、滝に行くのはやめよう」と言いまし た。

いつものごとく私がこれで納得するはずはありませ ん。でも、今走った道はどうしたって何もない道でした。私は脱力感で突然ぐったりしてしまいました。というのも、二日くらい前に、鼻の奥が痛くて、これは 花粉のせいなのかなと思っていたところでした。天気のことを考えると、出かけるのは今日しかなく、朝起きて大丈夫そうだったので予定通り出発したのです。

そ れが、滝への道が探せなくなくなったとたん疲れが出たのか、熱が出始めました。とりあえず、近くの「越生自然休養村センター」で買い物をしました。私はく らくらして、何がどうでもいい感じ。お店にカップの「梅アイス」(280円)があったのですが、カップだし、寒いし、乗り気になれずにやめました。私とし ては、頭では滝に行けなかったことをずっと考えていて、そのわりにはからだの具合は悪くなる一方で、何が何だかよくわからなくなってきました。

車の中でおべんとうを食べ(だから、梅を見ながらって言ったのに)、行きがけに見た「資料館」に行ってみようと、勢いで立ち寄ってみました。「毛呂山(もろやま)町 歴史民俗資料館」です(無料)。中はシーンとしていて、寒いのなんの。普通ならなんともないのですが、震えるほどでした。それでもつれあいは楽しんでいる ので、私も精一杯がんばって展示を見ました。実際、板碑(石の塔婆)とかやぶさめとか面白かったので、寒さと時間をしのげたんですが。

い まだ滝にこだわる私でしたが、さっさと帰って休んだほうがいいということになり、15時ごろには帰宅。寝巻きに着替え、ふとんにもぐりこみ、熱を計ると 39度2分。やっぱり風邪か。意識が朦朧として、かといって眠くもなく、でも散歩に行くほどの元気はありませんでした。滝のところで散歩したかったのに。 「梅アイス」やっぱり食べておけばよかった。すずがかわいそう・・・と私はぶつぶつ言い続けていました。

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その後のお話。滝への道はどうやら間違いだったようです。もう一本奥の道を行くべきだった?私の風邪は一晩寝たらよくなりました。元来熱には強いのです。食欲が落ちないので回復も早い。次回「滝、リベンジ」したいと思います。

 

2009年03月10日(火)

ときどき、ふと、鈴音のこと(つぶやき)

鈴音はもうすぐ3才。でもまだうちの子でない気がします。ときどき「あなたは誰?なぜここにいるの?」と思います。どうしてだろう?

つれあいが、「それはあなたが2年間すずをかわいがらなかったからでしょう。この1年ようやく(かわいがっている)じゃない」と言います。

「そうか、私は初めの2年間『この世にいなかった』からか」と私はうひょうひょ笑いました。

仔 犬とのつきあいなんて、多少の差はあっても、だいたいそんなものでしょう。でも、私とすずとの関係は、ぐいぐいくる鈴音を後ずさりしながら受け止めてきた ような感じです。つばめとのときは、お互い力いっぱい正面からぶつかり合って組み合っていた感じ。すずの場合は、ばんって向き合う心の準備ができていな かったというか、そういうふうなつきあいかたをしてはいけないと思ってきたというか。

今ではまあまあの仲よしですけどね。「一番」とか「絶対」ではなくて、「まあまあ」のあたりを漂うのもそんなに悪くはありません。ただ、ただね、すずがいるのが何となく不思議な感じがして、整然とした秩序が見えない。

もう3年も一緒にいたような感じがなくて、気がついたらすずが目の前にいて、それでも仔犬のときのすずが段々大きくなってきているのは目にしてきたのです。

つばめが逝って、すずが来て、その間の時間とか、すずと過ごした時間とか、そういう時間の長さがこんがらがっているんだと思います。まだつばめはあのときのままなのに、すずが3才になるという時間の混乱。私の意識は過去と現在とにとぎれとぎれにつながっています。

「今のままでいいんじゃない?あなたはすずのことを十分かわいがっていますよ。つばめのときのように、あんなに一生懸命になってはいけないんだよ。で、すずちゃんは(私のことが)大好きなんだよねー」とつれあいは繰り返します。

 

2009年03月04日(水)

あんずらしい命日

今日はあんずの命日でした。

朝、新聞の投稿欄に老犬についての投書が載っていました。舞い散る雪と犬のお話で、よくある話と言えばそうですが、私はあんずがいなくなる少し前にもうほとんど歩けないあんずを連れて、ジョディプリのMさん宅を訪ね、そこで突然の雪が降ったことを思い出しました。

 ねえ、Mさんちに行ったときにさ、行きと帰りに雪がぱーって降ったんだよね

買物のときに花を買おうと思っていたのですが、思い出したときには遅かった。さてどうしようかなと思っていました。ふと見上げると、降り始めの雨の中、洗濯物を干したままになっていたマンションの人がいたので、ひとこと声をかけました。

その後、洗濯物のお礼にと、切り落とした梅をひと枝いただきました。その瞬間、これはあんずの花だと思いました。

 見て見て、あんずだよ。あんずちゃんの花が来た

私 は何となく買うのを忘れて、まああとで買えばいいかなと思ったくらいで、まさかお花のお礼が返ってくるなんて思ってもみませんでした。つれあいが「小さな 親切がお花につながったね」と言いました。とりたてて何かを意識していたわけではなかったのに、気づいたら梅の枝がこの手にありました。

花は咲きつづけています 本当なら枝ぶりを整えて
いけるんだけど
つぼみをもぎ取りたくなかったから
一輪挿しにした

この季節にぴったりの
うすもも色の梅の花

日をおうごとに
つぼみが開いていった

あんずらしい、静かな花。いかにも買いました、そろえましたというのではなく、ちょうどそこにあったからという理由で手に入った一輪の梅の枝。咲き誇るでもなく、でも確かにここにいますよと、忘れないでねと。

なんて控えめなあんず・・・そんなふうに思いながら、枝をいけて、お線香をあげました。ふと時計を見ると18時25分ごろでした。

 ねえ、ちょうどあんずが逝った時間だよ

こんなことってあるんですね。こうしようとか、こうしなければとか、そういうのではなくて、時間が流れるままに、ものごとを受け入れたら、花とあんずがひとつになった。ああそうか、あんずはそうなんだねと。

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