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「ねぇ快斗?このハトさん、何て言う名前なの?」
そう、それそれ!
ご主人様、ココでおいらの名前が『青子』だって事話して、なんでそんな名前を付けるに至ったかっていう話しをせつせつと訴えなきゃ!
おいらが『青子』っていうのは、ご主人様が青子ちゃんの事好きだからなんだよ〜って話は、実に乙女ゴコロをくすぐる良い話しだと思うし!
このチャンスを逃すなよ!
ご主人様!
「ああっ?!こいつの名前??!!・・・別にハトに名前なんて付けてねーよ。」
「ええっ?嘘!信じられない!名前はとっても大事なんだよ!」
「俺、一杯飼ってるんだぜ?面倒じゃん。」
「もう!バ快斗の最低!」
「んだよ!アホ子!」
がが〜〜んっっ!ご主人様照れちゃって折角のチャンス棒に振っちゃったよ!
なんでココで一念発起して、青子ちゃんにびしっと自分の気持ちを伝えないのかな?
一体何時になったらおいら、二人のラブラブなシーンが見られるんだろう?
本当に心配になってきちゃったよ。
ご主人様の様子がちょっと変な事に気が付いたのはおいらの観察眼の賜物だった。
どうも・・・変に焦っているようだ。
なんだろう?
そこでおいらはピンと来た。
そうか!
青子ちゃんの部屋に二人っきりっていうシチュエーションはやっぱりご主人様にとってドキドキするものだったんだ!
ご主人様はおそらく今必死に本能と戦ってる。
言わずと知れた男の本能ってヤツだ。
そりゃ、ご主人様だって健康な高校生なんだし、平気な訳はない。
おいら、人様に言えないご主人様の秘密一杯知ってるから、その事情を察するのは朝飯前だった。
青子ちゃんの良い匂いに包まれてるみたいなこの部屋は大層居心地が良いのと同時に、ヤバい気分に強制的にさせられる。
ほら・・・身体の芯が疼く感じ?
おいらでさえ、そうなんだ。
ご主人様は相当なものだろう。
しかも普段、タマッてるから・・・可哀想・・・ご主人様。
「ったく!付き合ってらんね〜!こいつ連れて帰るからな!」
ご主人様は、もうコレ以上この場に居るのがマズイと思いだしたようだ。
青子ちゃんとの会話を一方的に打ち切りおいらの身体をむんずと掴んで、大股で出て行こうとした。
でもそうはさせじと、青子ちゃんがおいらの体を一足先に救い上げた。
ご主人様の手は虚しく空を切った。
そのままおいらは小さいけれど柔らかい青子ちゃんの胸の間にぽすんと押し付けられて、きゅっと抱き締められた。
おいらはついでれぇっとにやけてしまう。
気持ち良いvv
「何よ!一方的に!訳分かんないよ!」
「こらっ!そいつ返せ!」
「嫌っ!」
「この意地っ張り!」
「何よ分からず屋!」
ご主人様はもう理性限界ぎりぎりっていう切羽詰った顔でおいらを取り返そうとしている。
青子ちゃんもご主人様のいつもと違う様子に気が付いて、妙に突っ掛かって来るからもう泥沼。
おいらははらはらするのと同時に、ちょっと期待していた。
ご主人様は紳士たれって気持ちが強いからどうにも青子ちゃんと幼馴染の一線が越えられない。
でも結構勢いに任せれば簡単にボーダーが越えられるんじゃないかなと思うんだ。
このまま本能で青子ちゃんを押し倒さないかなぁとおいらは不謹慎にも考えていた。
† TO BE CONTINUED †
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