JR天ヶ瀬駅近く・・・・・本格的手縫い・手彫りの革製品を提供します!・・・・「金木犀」


工房の看板文字の話



 うちの工房の看板は、たいそう味のある文字と言われております。

 「看板の字は誰が書かれたんですか?」と尋ねられるお客様も、時折ございます。
 当方としては、そんなことを聞かれると「面はゆい」ので(「面はゆい」の意味が分からない人は今
すぐ国語辞典を引きなさい、ひとつ賢くなる!!)ここで種明かしというか懺悔(ざんげ)をしときまし
ょう。

 オープンの年(2002年)の3月、看板や暖簾(のれん)の文字を、さて、どこに頼もう
かという時に、オーナー百田はこうのたまいました。「子供の字がイイ! 俺たち大人に
は絶対書けないような、味のある字を必ず書くはずだから、ここはひとつおまえの甥っ子
(当時小学5年と小学3年)二人に書かせてみろ!!」
 言い出したら聞かないオーナです。私は仕方なく、甥っ子を家に呼び、字を書かせるこ
とに。

 甥っ子は(さっきも言いましたとおり)当時小5と小3。当工房の屋号「金」と「木」は書け
ても「犀」の字だけは、生まれてこのかた見たこたぁない!という状態。

 とりあえず私(もと国語の教員)が、手本の字を書いて見せて、「これを書写しなさ
い!!」ということで、ワーワーキャーキャー言いながら、書かせました。

 そして出来たのは、お世辞にも「うまい」と言えないイビツな「金木犀」の三文字‥‥。

 私(酒井)は、おそるおそる甥っ子の書いた字をオーナーの元へ持って行きました。こ
んな字では怒られると思いきや、オーナーは大満足。「よし、これを看板や暖簾の文字に
する!」

 つまりは、子供がテキトーに書いた字が、工房の「顔」とも言える看板文字になったとい
うわけです。現在これが、味のある看板文字として好評を博しておるのですから、不思議
なもんです。

 書家のような、前衛的な文字も、子供の字も、要するにあまり変わらないということでし
ょうか? 当工房の看板文字は、決して味のある字なぞでなく、「ガキどもがふざけて書
いた文字」なのです。・・・・・・スンマセン!



こいつらが、お騒がせの犯人(失礼、看板の字を書いてくれた)酒井の甥っ子たちです。

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