スーパーマリーン　サザンプトンは第一次大戦と第二次大戦の間の平和な時期に登場したイギリス空軍の中型双発飛行艇である。複葉双発という形態は、この頃の旧き良き時代の典型的スタイルといって良い。

　凌波性に優れ飛行性能も良かったから1925年に１型が就航したのに続いて２型、３型、４型に発展し５型に相当する期待から名称がストランレアと変わったが、基本的な形態と寸法はそのまま引き継がれ、第二次大戦初期に、北海方面のパトロールに使われるなど、非常に長い期間にわたって運用された。

　１型が後期の機体と違うのは木製の艇体を使用していたことである。２型からの艇体はアノダイズ（陽極処理）されたジュラルミンになった。操縦席の配列は前後の縦配列だったが、これも４型から横配列に変わっている。やはりこの木製の艇体の１型が飛行艇と呼ぶにもっとも相応しい味わいのあるものである。