037. プレゲ一 280T 旅客機 [フランス]

BUREGUET 280T PASSENGER TRANSPORT [FRANCE]

全幅:17.25m、全長:12.13m、総重量:3,520kg、最大速度:215km/h/SL、

発動機:ルノー 500馬力×1 、乗員/乗客:2/8十2名、

原型初飛行:1922年

Illustrated by Shigeo Koike , イラスト:小池繁夫氏

 プレゲ一280Tは、当時、優秀な性能で世界の注目を集めていたフランス空軍の偵察/軽爆撃機プレゲーゥィを再設計して8人乗りの軽旅客機にした機体である。原型となったプレゲーゥィは、上翼に較べて下翼の翼幅・翼弦を小さくし、上下の翼を外側に傾いた一本のI形の斜め支柱で結ぶなど、複葉機だが空気抵抗を減らすために:細心の注意が払われていた。構造は骨格式羽布張りだが、骨組みと前部胴体の外板はジュラルレミンで造られ軽量化が「図られていた。

 プレゲー280Tを使用して試みられた数々の記録飛行のなかで日本人に関係深いのは、大正14年にこ行われた日本最初の訪欧飛行であろう。中島飛行機(株)で組み立てられた朝日新聞のプレゲー280T型「初風」「東風」号は、東京からシベリアを経由して、17,403kmを飛びローマにこ無事到着した。

 プレゲ一280Tはチ XIXと同じ主翼と尾翼を使い、上翼の前方に風防ガラスで覆われた並列配置の操縦席を置き、その後方に幅1.85m、 高さ1.80m、の八人乗りの客室と化粧室、荷物室が設けてあった。中島飛行機(株)でもプレゲーゥィのライセンスを導入し、280Tと同じような旅客機N36を自主開発したが、採用にならなかった。

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