第二次世界大戦直前にプレニム高速爆撃機を送り出したブリストル社は、その設計図を流用してボーフォート雷撃機をつくり、さらにその主翼、翼、後胴を流用して、この大型双発戦闘機ボーファイターに発展させた。
ドイツや日本の双発戦閾機が爆撃機を援護して進攻し、要撃してくる戦闘機と空中戦を する目的で開発されたため、機動力の不足で開発が難航したり、実戦で大きな被害を出したりしていたのに対し、ボーファイタは、戦闘機との空中戦を避け、夜間に飛来する爆撃機の要撃や長距離を進攻しての地上攻撃、対艦船攻撃を、その主任務として開発され、運用されたところに成功の鍵があった。
爆撃機を焼き直した大型機とはいえ、エンジンの出力を初期の爆撃機の二倍近くに強化し、機首下面に20mm機関砲4門、翼内に7.7mm機関銃6丁、翼下にはロケット弾を8発という重武装を施していたから、その機動力と攻撃力は地上攻撃に大きな威力を発揮した。
ニューギニアの南西海岸に展開した日本軍の基地は、オーストラリアを発進して海をこえてきたボーファイターの急襲に大きな被害を出していたし、ドイツのUボートもボーファイタの奇襲を受けたものが少なくない。画は艦船攻撃に使われたT.F.10型で、胴体下面に魚雷も搭載できた。 |