大戦初期のバトル・オブ・ブリテンから終戦まで、ドイツ空車の中核として活躍した双発爆撃機ユンカースJu88の後期発展型である。
Ju88は急降下爆撃が可能な双発高速爆撃機としてドイツ空軍首脳から全幅の信頼を寄せられていたが、その信頼が後継機の登場を遅らせた。新型機に切り替えれば、一時期どうしても生産は低下するし、パイロットや整備員が習熟するまでは作戦も低調になる。なにしろユンカースの工場ではタクト方式と呼ばれる流れ作業で大量産が展開され、終戦までに約15,000機のJu88が造られていた(Ju188は1,036機)。
そのジレンマの中から生まれたのが、このユンカースJu188だった。大馬カエンジンに換装して性能向上を図り、動力銃塔をつけて防御力を強化している。平面ガラスで構成されていたダイヤモンド型の機首は、操縦席前面に段差が無い連続した山面のものとなり、垂直尾翼もハインケルHel17に似た角型のものとなった。
外形的には改良設計を担当したハインケル社から移籍したハイン ッヒ・ヘルテルの影響が強く現れているが主翼面積の拡大を翼端延長だけ処理するなど、主翼や胴体の主要構造については極力在来のJu88との共通性が保たれている。
日本海軍の陸上爆撃機「銀河」と比較すると、どちらも急降下爆撃の可能な双発爆撃機で、翼面積はほぼ同じだが、エンジンは「銀河」のほうがやや強力で、速度と特に航続距離で「銀河」が勝っている。大きな差は爆弾搭載量で、Ju180は主翼下面にも懸架でき、「銀河」の約2倍もあった。 |