全金属製が常識の時代に、全木製サンドイッチ構造という逆転の発想で設計されたモスキート。爆撃機なのに防御火器をいっさいもたず、敵戦闘機を振り切るための速度だけを追求し、表面が平滑に仕上がり空気抵抗の小さい木製を採用。また、レーダー電波を反射しないことも大きな利点だった(イギリスはレーダーの先進国だったのでレーダー対策も重要視したらい)。
この逆転の発想の成果は明白で、ドイツ爆撃に延べ23,909機が出撃し損失137機という数字になって残つている。
「スピットに似たフォルムもいいけど、武装なしという徹底した姿勢がイギリスらしいじやないですか。好きだなぁ、この飛行機。こんな柔らかなラインは、木でなければ出ませんよね」とイギリス機好きの小池さんは絶賛。
作品は偵察機タイプだが、木のソフトな質感を表現するためか、淡い光の中に機体を浮かび上がらせて美しい。 |