220.アブロ「アンソン」沿岸哨戒/練習/輸送機[イギリス]

AVRO "ANSON"COASTAL PATROL TRAINER TRANSPORT[U.K]


全幅:17.22m 、全長:12.90m 、総重量:3,622kg 、最大速度:303km/h/2,135m
発動機:A.S.チータ9 350馬力×2、武装:機銃7.7mm×1(固定) 17mm×1(旋回)
爆弾等163kg 、乗員:3名
初飛行:1935年3月24日

Illustrated by Shigeo Koike , イラスト:小池繁夫氏

 銃座を背負い、迷彩をほどこした軍用機にしては大きな窓を持つアブロ・アンソン。それもそのはず、インペリアル航空の注文で開発された小型旅客機アブロ652Aをべースにしている。大きな窓から想像がつくように、胴体は鋼管溶接羽布張りという保守的な構造だった。

 しかし使いやすさは抜群で、パイロットや無線通信士、旋回機銃の射手などの訓練に、そして連絡・輸送などに幅広く活用され、"頼りになるアニイー"のニックネームを頂戴したほど。寿命も非常に長く、大戦後もローカル線用の旅客機として生産が続き、10年以上も現役を務めあげたことになる。

 「ドーバー海峡の空をイメージしています」と小池さん。雨が多く、よく荒れることで知られるドーバーだが、折よく晴れた大空を飛ぶアブロ・アンソン。あまり直接の戦闘には参加せず、戦前・戦中・戦後の空を飛び続けたこの飛行機には、のどかな明るい大気がよく似合う。

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