軍用機には珍しい3発のエンジン、コックピット上部に"こぶ"のように膨らんだ銃座、胴体後部下面にゴンドラのように突き出た爆撃照準席と後部銃座。
"燕"という名を持つにしては、ちょっと人を食つた滑稽な感じのこの飛行機を、小池さんは「好きだなぁ」と言う。いかにも、どちらかというとクセのある飛行機が好きな小池さんらしい。ところが調べてみると、この機体の旅客機型3機で編成された"ハツカネズミ隊"は1937年のイストル〜ダマスカス〜パリ連絡飛行競技会で1位から3位を独占した経歴を誇つていた。
イギリス人のスピットファイアのように、イタリアの人々が最も愛着を持つ飛行機だというが、その誇りに恥じない名機だったのだ。作品はスペイン内戦時、爆撃に向かうスパルピエロ。炎に映え朱に染まる機体下面と、夜空のコントラストが幻想的。また、小池さんが多数機の編隊飛行を描くのも珍い。 |