フィアットCR32は、ちょうど複葉戦闘機から単葉戦闘機への移行期に活躍した。
複葉機は単葉機に比べて速度、上昇力などでは劣るが格闘戦では絶対有利と信じられていた当時、この"常識"を裏付けたのがスペイン内乱であった。ファシスト政権側のCR32と共和国側のソ連製低翼単葉機I-16が対戦、CR32が優勢だったのだ。
単葉機の特性を生かす戦闘法が確立されず昔ながらの格闘戦を戦つたのだから無理もない。そして、この結果がその後のソ連とイタリアに他国と異なる道を歩ませることになる。
ソ連は時代に逆行してポリカルポフI-153という複葉機を再び開発。イタリアも結果を過信したまま両国とも第2次大戦で最後まで複葉磯を使用する国となった。
それはともかく、CR32が複葉機時代の最後を飾る戦闘機の一つだったことは間違いない。小池さんも「イタリアの造形センスはやはりすごいですね。わりと好きな飛行機です」。 |