560.九州飛行機 対潜哨戒機「東海」

KYUSHU ANTI-SUBMARINE PATOROL AIRCRAFT "TOHKAI"
(Q1W1)(LORNA) [JAPAN]

初飛行:1944年12月
全幅:16.00m、全長:12.10m、総重量:4,800kg、最大速度:322km/h 1340m
発動機:日立「天風」31型 410PS/1500m×2、
武装:機関砲20mm×2、機銃7.7mm×1、爆弾250kg×2、乗員:3名

 太平洋戦争ではアメリカ潜水艦の活躍により、日本の商船隊は壊滅的な打撃を受けた。戦艦や空母、巡洋艦までもが多くの被害を受けた。日本海軍の対潜水艦作戦はまったく後手に回っていた。

 この「東海」も、対策が遅れた例の一つだった。1942年9月の計画開始。1945年実戦配備は明らかに遅すぎたが、それよりも海の上をゆっくり飛んで「平面ガラスで構成された見晴らしのよい」機首から、肉眼で潜水艦を探すという発想そのものが時代遅れだった。

 夜間や悪天候の時は役に立たないし、わずか400馬力双発の小型機だったから、別途に開発されたレーダーは、大きくて重く、積むスペースも能力もなかった。日本海軍が発明した、磁場の変化で潜航している潜水艦を発見できる磁気探知機KMXに期待がかけられたが、その生産は十分ではなかった。

 アメリカが2000馬力双発のPV-1ヴェンチュラやコンソリデーテッドB-24のような4発機を使って、強力なレーダーで昼夜の別なく哨戒を続け、ドイツや日本の潜水艦を封じ込めたのと比較すると「東海」はあまりにも非力であった。

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