ナチス・ドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が始まったときのポーランド空軍の主力戦闘機。
原型は1929年9月25日に初飛行したP-1で、P-5、P-7を経てP-11へと発展してきた。日本で云えば陸軍の九一式戦闘機に相当する機体で、高翼単葉の主翼、全金属製モノコック構造の胴体など似通っているところが多い。
P-5/7はエンジンも同じジュピターを使つている。しかし、傑作機と呼ばれただけあって、九一式戦闘機に較べると、フラットスピンに入りにくい、尾翼の配置や波板を外坂にこ使つた全金属製のガル(鴎)型の主翼、オレオ式の降着装置など、P-5/7/11の設計に1
日の長がある。
P-1lcは、1935年から量産に入った機体で、細部に改良が加えられ、エンジンは560馬力のブリストル マーキュリーに強化され、性能も向上していた。しかし、いくら優れた原設計だったとしても、この時期は航空技術が目まぐるしい革新を展開していたから、1939年秋の開戦時には、P-11cはどう見ても旧式戦闘機でしかなかった。数の上でも優勢なドイツ空軍の奇襲を受けた戦いは悲劇的な結末で終わった。
|