名称のCLというのは、1917年にドイツで新たに設けられた軍用機の分類番号で、自重750Kg以下の複座の小型多用途機を示している。第二次大戦の軽爆撃機につながる、近接支援や航空阻止と呼ばれる任務に使われる軽快な小型機という発想だが、この種の飛行機はどうしてもエンジンのパワーが不足する基本的な欠陥があるから、軽快といっても戦闘機に狙われると弱かった。
ヘルバースタットCL.IV では、操縦士と偵察員が空中で緊密な連携動作が出来るよう、前後席を極度に接近して配置してある。武装はプロペラの回転と同期して前方に発射できる機関銃1〜2丁と偵察員席の旋回機関銃だが、その他に後席の胴体の外側に取り付けられた棚のなかに10Kg程度の小型爆弾や手榴弾を積んでいって、手で投下した。今日の感覚で見れば余りにも貧弱な攻撃力だが、これでも出現当時は、連合軍地上部隊の兵士に大きな脅威となったとされている。1918年の春のドイツ軍の攻勢時には38飛行隊、約250機のヘルバースタットCL.IV
が配属されていた。 |