091.ブレゲーX IX スーパーTR“疑問符号”長距離記録機 
[フランス]

BREGUET X lX SUPER TR "Point d'Interrogation"
LONG RANGE AIRPLANE [FRANCE]

全幅:18.30m、全長:10.72m、総重量:6,375Kg、
最大速度:237Km/h/1,000m、巡航速度170Km/h、
発動機:イスパノスイザ12Nb 650馬力、乗員:2名、
初飛行:1929年5月22日

Illustrated by Shigeo Koike , イラスト:小池繁夫氏

 1930年9月2日、D.コストとM.ベロントが、最初のパリからニューヨークへの西回り無着陸飛行に成功した時の機体である。真紅の胴体に大きく“?”が書かれ、それがこの飛行機の呼び名“疑問符号”となっている。

 1927年にC.リンドバーグがニューヨークからパリへの無着陸飛行に成功した後も、何人かがこの逆ルートに挑戦していたが成功しなかった。D.コスト自身も一度は中途から引き返している。“疑問符号”は信頼性の高い軍用多用途機ブレゲーX lXを、大西洋横断用に再設計した機体である。

 胴体を延長して、そこに大きな燃料タンクを積んだから、“空飛ぶビトン(石油缶)”とも呼ばれていた。主翼は巡航性能を増すために、翼幅と翼面積を増し、翼端の形状、翼間支柱の形式も改められ、車輪には流線形のカバーもつけられた。もちろんエンジンも強化されている。飛行時間や飛行距離は、リンドバーグの記録と大きな変わりはないが、航空機関士を載せ、強力な発電機と無線機を積んで、下を航行する客船とも連絡を取ったり、気象やコースを確認しながらの飛行だった。航空技術は、より確実で、安全な飛行へと、着実に進歩していた。

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