010.スパッドS.Vll戦闘機[フランス]

SPAD(SOCIETE POUR AVIATIONETSES DERIVES)S.Vll FIGHTER [FRANCE]

初飛行:1916年4月
全幅:7.80m、 全長:6.20m総重量:700kg、 最大速度:192km/h/2,000m
発動機:イスパノスイザ8Ab 150(180)馬力×1、 武装:機銃7.7mm×1、 乗員:1名

Illustrated by Shigeo Koike , イラスト:小池繁夫氏

「第1次世界大戦の飛行機では、これが一番好きだなぁ」。そんな小池さんの好みにあったスパッド。第1次大戦初期のフランス戦闘機は、軽量の回転式空冷星型エンジンを使用したニューポールが主役だったが、そこに登場したのがイスバノスイザ社のマーク・ビルギ一が開発した8A水冷V型8気筒。当時としては画期的な軽量大出力エンジンで、飛躍的にスピードと上昇力、安定住、高速ダイブ能力がアップした。このエンジンを搭載したスパッドは、同世代の他には見られない、洗練されたいかにもフランスらしいデザインに仕上がっている。スパッドはアメリカ、イタリア、ベルギーの部隊も使用、日本にも輸入され、フランス航空教官団の教材として使われた。当時、最速の性能であったが、操縦性においては好まれなかった。一方、このイスバノスイザのエンジンは、イギリスで名機R.A.F.SE5a戦闘機を生み出すことになる。作品は、フランス第2位のエースで54機を撃墜したジョジュ・ギンヌメールの愛機ボー・シャルル。でも小池さんには、そんな飛行機の性能も撃墜王の話も重要な意味を持たないらしい。「好きな飛行機と空の濃いブルーをきれいに出したかったからこの作品を描いたんです」と。

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