これはスローフード・にいがたが開催した「食談会」のための資料として、一年前に作成した「おせち料理から食糧自給を考える」のスタイルに準じてをとりまとめたものです。 なお、前回はとりあげなかった調味料等やおせち料理を作る際にでる「切りくず」等の有効利用についてもふれてみました。なお、文章については前年のものをそのまま引用している部分もありますのでご了承願います。 なお、おせち料理を作る際の考え方等については「おせち料理から食糧自給を考える」に更に詳細に記載しているので、こちらをごらんいただきたいと思います。 |
当方、一人暮らしではあるが、以前から食事のほとんどは自炊であり、おせち料理も全て自作している。以前は職場の「御用始め」の挨拶の後は、職場内で即席の「新年会」となることが多く、その際に手製のおせち料理を出したりもしていた(しかしその後は規律が厳しくなりこのようなことは行われなくなってきたが)。
退職後もおせち料理は作っているが、以前のように同僚・友人に食べてもらうことはなくなったため、作る量は少なくなっている。また、以前は黒豆、矢羽根羹といった甘いものを作っていたが、当方は甘いものをあまり食べないので今は作っていない。
なお、近年はその材料についても、できるだけ国産のものを使う用にしている。しいたけ、タケノコ(水煮)等は今では販売されているものの主体は中国からの輸入物である。また鶏肉等についても輸入ものがあり、更にこんにゃく等についても輸入原料のものも多く、国産のもの、あるいは国産の原料のものよりも価格が安い。
しかし、当方はそれらのものについてもできるだけ国産のものを購入するようにしている。前年に引き続き、今年のおせち料理についてもその材料ごとにわかる範囲で原産地を調べ、とりまとめた。詳細は別表の通りである。
今では多くの人はできあいの「おせち料理」を購入する人が多い。できあいのおせち料理の多くは肉類は輸入物、レンコンやタケノコといった野菜類も中国産等の輸入農産物である可能性が高い。そもそも一次加工した農産物(食品)として輸入されるものも多い。できるだけ国産の農産物を使おうとすれば、出来合いのおせち料理ではなく、家庭で作るに限るし、またその材料を買うに際してもできるだけ国産のものを選ぶようにしなければならない。
今は余程自覚し、輸入物が多い中から国産物を探したり、多少価格が高くなることをも覚悟しなければ国産品を使う割合は高くならないのである。今のように食品、食材の輸入が多くなる前は、さほど自覚していなくても結果としてそのほとんどが国産食材を使ったものになっていた。産地を気にしなくても結果的に買った物の多くが国産品であるような状況になることを望みたい。
料理名 | 材料 | 素材 | 原材料・素材 産地区分 |
加工場所 | 入手場所 | 備 考 |
---|---|---|---|---|---|---|
雑煮 (関東風) |
もち | もち米 | 新潟県 | 新潟県五泉市 | 原料米:魚沼産「こがねもち」 | |
鶏肉 | 国内 | 国内 | スーパー | 鶏の飼料はほとんどが輸入 | ||
ニンジン | 国内 | − | 露店市 | |||
椎茸スライス (乾燥) |
しいたけ | 国内 | 国内 | スーパー | ||
小松菜 | 自家産 | − | 家庭菜園 | |||
のし鶏 (のしどり) |
鶏肉 | 国内 | 国内 | スーパー | 鶏の飼料はほとんどが輸入 | |
鶏卵 | 宮城県 | スーパー | 鶏の飼料はほとんどが輸入 | |||
パン粉 | 小麦 | 輸入 | 静岡県 | スーパー | ||
すりごま 炒りごま |
白ごま | パラグアイ、ボリビア、ガテマラ、スーダン、ニカラグア、アメリカ、ブラジル(いずれか) | 国内 | スーパー | 原産国は製造販売者のホームページより調べた。複数国から輸入しているようであるが、実際に購入したものの原産国は特定できない。 | |
高野豆腐の含め煮 | 高野豆腐 | 大豆 | 長野県 | 長野県 | スーパー | |
昆布巻き | 昆布 | 北海道 | 国内 | スーパー | ||
かんぴょう | ユウガオ (ウリ科) |
栃木県 | 栃木県 | スーパー | ||
鮭 | 不明(国産?) | 不明 | 露店市 | 国産かどうかは未確認 | ||
酢ばす | レンコン | 新潟県五泉市 | − | 露店市 | ||
手綱こんにゃく | こんにゃく | こんにゃく芋 | 群馬県下仁田 | 群馬県 | スーパー | |
椎茸の含め煮 | 干し椎茸 | 椎茸 | 国内 | 国内 | スーパー | |
姫タケノコの含め煮 | 姫タケノコ水煮 | 姫タケノコ(細いタケノコ) | 中国 | 中国 | スーパー | 以前は国産のものが入手できたが、近年は中国産のものしかない |
ねじり梅(ニンジンの甘煮) | ニンジン | 国内 | − | 露店市 | ||
ブロッコリーのお浸し* | ブロッコリー | 自家産 | − | 家庭菜園 | これを「松」に見立て、「ねじり梅」、「タケノコの含め煮」と共に松竹梅をあらわした。 | |
のっぺ | 里いも | 自家産 | − | 家庭菜園 | ||
タケノコ | 福岡県 | 岐阜県 | スーパー | |||
レンコン | 新潟県五泉市 | − | 露店市 | |||
ニンジン | 国内 | − | 露店市 | |||
ギンナン | 国内 | − | スーパー | |||
鶏肉 | 国内 | 国内 | スーパー | 鶏の飼料はほとんどが輸入 | ||
さつま揚げ | 魚肉 | 不明 | 新潟県 | スーパー | ||
おろしなます | 大根 | 自家産 | − | 家庭菜園 | ||
ニンジン | 国内 | − | 露店市 | |||
打豆 | 大豆 | 新潟県 | 新潟県 | 露店市 | 農家の手製か? | |
ととまめ(鮭の卵) | 北海道 | 新潟 | スーパー |
使用した 調味料 |
材料 | 素材 | 原材料・素材 産地区分 |
加工場所 | 入手場所 | 備 考 |
---|---|---|---|---|---|---|
だし昆布 | 昆布 | 北海道(日高) | 国内 | スーパー | ||
削り節 | かつお・ふし | 国内 | 愛媛県 | スーパー | ||
薄口醤油 | 有機大豆 | アメリカ | 兵庫県 | スーパー | ||
有機小麦 | 国内(主に北海道) | |||||
有機米 | 国内(兵庫県) | |||||
醤油 | 小麦 | 輸入 | 長崎県 | スーパー | 原料の産地は記載されていないが、輸入と思われる。 | |
大豆 | 輸入 | |||||
つゆ(希釈用) | 醤油 | 小麦 | 輸入 | 山梨県 | スーパー | 〃 |
大豆 | 輸入 | |||||
かつおぶし、煮干し、昆布 | 国産か? | |||||
白砂糖 | 原料糖 | 輸入 | 千葉県 | スーパー | ホームページでは主な原料糖の原産国はオーストラリア、タイとしている。 | |
きび砂糖 | 原料糖 | 輸入 | 千葉県 | スーパー | ||
みりん | もち米、米麹、本格焼酎 | 国内 | 愛知県 | スーパー | ||
酢 | 米 | 国内 | 岐阜県 | スーパー |
原材料・素材産地区分欄、国内で具体的な場所がわかるものは当該県名等を記載した。国内ではあるが具体的な場所がわからないものは「国内」と記した。 | |
2. | 料理名に"*"が付いているのは本来の「おせち料理」ではない。 |
3. | 「露店市」とあるのは、毎月1と6のつく日(1ヶ月に6回)に、新津駅近くの駐車場で行われる露店市場(通称「一・六市」) |
(参考:当方手製のおせち料理)
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なお、おせち料理を作ると、にんじんの切りくず、大根の皮等が大量に残されるが、これらも(主に正月三が日の後になるが)捨てずに有効に利用している。
材料名 | 元々これを 使った料理 |
状態 | 使うまでの 保存方法 |
使用する料理 | 備 考 |
---|---|---|---|---|---|
ニンジン | ねじり梅(ニンジンの甘煮) おろしなます |
細かい切りくず状態 皮 端の部分 |
三が日の直後頃までに使う場合は冷蔵保存 それ以降になる場合は軽く煮て冷凍 |
みそ汁 炒りおから カレー |
以前は1月の3日か4日にはカレーを作るのが恒例であった |
大根 | おろしなます | 皮 端の部分 |
冷蔵(年明け4日頃までに使い切る) | みそ汁 カレー |
細かく刻めばカレーに入れても大根とは気づかない |
しぼり汁 | 冷蔵保存(翌日頃までに使う場合) | みそ汁 鍋物 |
独特の甘みがある | ||
冷凍 | 鍋物 カレー |
〃 | |||
削り節 | だし取り後の削り節 | 冷蔵、冷凍 | 炒りおから | 刻む | |
昆布 | だし取り後の昆布 | 冷蔵、冷凍 | 炒りおから | 細かく刻む | |
煮魚 | 煮る際に魚の下に敷く(焦げ付き防止) 煮魚を食べる際に昆布も一緒に食べてしまう |