自己紹介

　30代後半にさしかかった頃、水泳コーチになった。
　子供の扱いなんて知らない。子供どころか同年代を相手にしても話をするのは苦手。コミュ障に近かったと思う。
　話すきっかけと言えば、プールなら泳いで見せることぐらい。そこから話を広げるしかない。でも、相手が子供の場合、もう一段階、なにか違うことが必要と感じ、 水泳用品の販売コーナーを歩き回り、USJを散歩しながら考えた結果、「キャラクターが好き」という設定を自分に追加した。
　エルモやドラえもんなど版権モノだと大人の事情が出てくるかもしれないので、「動物キャラクターが好き」そのなかでも「ペンギンが好き」という話にした。
　ペンギン柄のスイムキャップ、ペンギン柄のスポーツタオル、プールサイドに置くペットボトルにはペンギンのカタチになっているペットボトルカバーを装着。
　子供の視線は、ペンギン柄のシリコンキャップに夢中。「なんで水が漏れないの？」「ペンギンかわいい」という反応が生まれ、次第に保護者からもペンギンコーチと呼ばれるようになった。
　来館者向けのスタッフ紹介で趣味に関して「水泳・ロードバイク」と記載しておくと、「水泳大会でタイムを伸ばしたい」「トライアスロンを始めたい」というお客様からプライベートレッスンの依頼が来るようになった。
　この頃には、コミュ障っぽい雰囲気は抜けたと思う。コミュ力が無くては仕事も何もできないとは思っていたけれど、自分を変えるきっかけがなかったから、仕事を変えてみた結果、なんとかなったっぽい。
　もう一段階、変われるかな？？