5月31日_電パ計画・序章編

【凹作】


【2004年05月31日_電パ計画・序章編】
アーバンクワの道を歩む我々に休息は無い。
常日頃からムシの気配に耳をそばだてて、いつ如何なる時でもウルトラショートクワ採行を試みる姿勢は崩さないのだ。

これは凹が常日頃から念仏の様に唱えている一種の呪文である。


さて、全国に散ばるアーバンクワ同志の皆様(果たして凹以外にもそんな人がいらっしゃるかどうかは疑問なのだが)に質問である。
仮定の話である。
初夏。道を歩いている。
ふと電柱を見上げるとソコには麗しき黒い影。
手には何故かムシトリ網が。
チャンスとばかりに黒い影を凝視する。
オオクワである。
反射的にムシトリを網を翳しかけ...
網の淵が電柱上の変圧器に触れそうになっている。
危険である。
アーバンクワ者とて大人である。
危険なことや公序良俗上好ましくないことはあんまりヤッちゃいけないって判っている。

さて、どうする?
どうする、どうする?

オオクワが移動するのをじっと待つのが最良手であろうか?
否!
私なら、そうはしない。
そんな受身の姿勢でいて、万一オオクワに飛び去られてしまったら、その光景を死ぬまで夢で繰り返し見続けにゃならなくなるであろう。

私なら...

変圧器を動かしちゃうのである。

いやいや、私とて、素手でそんな御無体な所業を働こうというんぢゃないんです。
ちゃんと専門の方に頼んでですね。ハイ。
人間的に、というか、普通の大人的手続きの上でですね、皆さんのお邪魔にならないようなトコに変圧器を移動してもらうのであります。


ここからが実際のお話であります。
凹の移住予定先には、細いベランダが付いているのです。
そして、そこから普通のムシトリ網が届く距離に、一本の電柱が生えているのです。

実はこの柱、コンクリート製ではあるのですが、敷地の反対側からならば歩いて4秒程度の所に山のあるロケーション。
必ずやこの柱にクワがとまると予想するのはアーバンクワ者であれば当然のことなのであります。

ネッ?
備えあれば憂い無し。
本当に大事なその時に備えて。
今から、やれる事はやっとかにゃならんのであります。

って、正味のトコ、住空間からほぼ水平レベルに位置する変圧器から発せられる磁場も、気にならないと言えば嘘になる。
法で定められた基準は当然満たしているのではありましょうが、それでも、こっちも備えあれば憂い無しってトコでありまして。

チクと不安に感じている変圧器の磁場の問題を解消し、更にはそこにクワを誘致して、究極のアーバンクワ採行・・・自宅に居ながらにしての採集・・・を目指すものなのであります。
ここに...
ここに、電パ計画(正式名称:電柱パラダイス化計画 / 副題:クワガタ天国創造)を宣言するものであります。


計画完遂までの問題は山積みである。
まずは、大人として当たり前ではあるが、ちゃんと超一流大手電力供給系企業殿との話し合いを持ち、ちゃんとした現地調査/打ち合わせを経て変圧器の移動手続きをとらねばならない。
この日が、まさにその現地打合せの日であったのだ。

約束の時間。
現地に、件の企業の方と凹が集合する。
で、調査。
で、移設OKの回答。
で、万々歳。

とっとっと、問題はそんな簡単には終わらなかった。
当たり前である。

誰だって変圧器を自宅前に好き好んで置いてもらおうとしたりはしない。
でも、どこかには置かなきゃ、周辺一帯(ここの場合であれば約20世帯っくらい)が困ってしまう。
丁度、ゴミ収集場所問題みたいなモノである。
ゴミの収集場所を個人の我儘でもってヒョイヒョイかえたのでは大変である。

そこで凹が目をつけたのが図の青印で示した電柱なのだ。
現状の赤印で示した電柱とは隣同士。
そして、青印の電柱の向こうッ側(図では右側)は、大きな某建物になっていて密接していない。


凹:「なんで初めっからアノ誰にも影響なさそうなトコに設置しなかったんすかねぇ?」
件の企業の方:「磁場的には家庭で使う電子レンジなんかに比べたら全く問題無いレベルですし、定められた基準値も全く問題無くクリアしてますからコノ場所でも影響はないんです」

納得である。
更に言うならば、とっても丁寧、かつ、真摯な姿勢のご説明をいただいて、グウの音なくコンプリートに納得である。

件の企業の方:「申し訳ないのですが、個人の方のご都合に拠る移設ですので費用はご依頼者様の負担になりますが?」
凹:「そっ、そっ、そうですよね(大汗@内心)」

どこかの誰かが何某かの根拠に則ってちゃんと定めた基準に適ったブツを いち個人の我儘により移動するのだ。
費用っくらい負担するのは当然である。

で、その費用は...
凹の昼飯代半年分である。
気が遠くなった。

いけない!
こんな事ではいけない。
やり直し、否、言い直しである。

気は遠くなった。けど、電パ計画は完遂するぞ〜!
それに、やっぱ、チロっとした時間しか使わない電子レンジと、継続的に曝露しつづける変圧器では、心象的に違う気もしてきたし...

ここは一発、20世帯中の僅か1世帯である凹の我儘を通す為にも、気が遠くなるような費用(我が家基準)を捻出しよう。
そう、『安全は金で買え』って言うぢゃないか。(←って、このままでも普通に生活してる分には充分に安全なんですってば > アーバンクワ者 兼 電磁場ノイローゼ気味 の凹君)



電柱をウハウハの樹とするまでにはまだまだやらなきゃならないことが山積である。

その第二弾が、現地に佇む凹の目の前に鎮座していた。
電柱の上段と中段に陣取るPHSのアンテナとその付帯設備である。

今やその契約数は500万件を上回っているPHS。
25人に1人以上が使っている、いわば実質的には半公的な事業だ。
こっちもやっぱり、ゴミ収集場所問題と同じ原理である。
ゴミ収集場所やPHSアンテナを、窓を開けて直ぐの水平レベルのような場所に設置してもらいたくないのはドコモ同じなのである。
しかし、自分の都合だけでモノを考えるのは我儘ってものなのだ。
凹自身が使用していないからといって、退けてくれだのなんだのと我儘を言い出したら、
近隣にお住まいかもしれない25人中の1人であるPHSユーザーさんに迷惑がかかってしまうかもしれないのである。

まして、その我儘の中身・・・電パ計画・・・を鑑みるに... ... ...



クワ誘致工作は第二弾のそのまた後から開始するのだ。
電パ計画。まだ途についたばかりである。



★マットウである皆々様向け → 【2004年05月31日PM】へ続く
☆ごく一部の電波系な人向け → 【2004年05月31日_電パ計画・序章編】を繰り返し三回読みましょう。


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